人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

ラグビー コラム 2019年9月27日

イタリア2連勝、カナダ前大会のリベンジならず「イタリア vs. カナダ」レビュー。ラグビーW杯日本大会

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
  • Line
イタリアvs.カナダ

東平尾公園博多の森球技場(福岡県)での初試合は、9月26日、午後4時45分より行われた。プールBのイタリアとカナダは、1万6984人で埋まったスタンドからの大歓声に迎えられた。初の決勝トーナメント進出を狙うイタリアは、9月22日、ナミビアに47-22で快勝スタートを切ったが、そこから中3日というタイトな日程になったこともあり、先発を10名入れ替えた。一方のカナダはこれが初戦。前大会ではイタリアに5点差で惜敗しており、今度こその意気込みでキックオフを迎えた。

試合はイタリアSOトンマーゾ・アランのキックで始まった。前半2分、アランのPGでイタリアが先制し、序盤の主導権を握る。7分、NO8エイブラハム・ユルゲン・ステインがカナダゴール前のスクラムからサイドアタックを仕掛けて、そのままトライをあげ、10-0とリード。12分には、LOディーン・バッドのトライで17-0とリードを広げた。本来のキャプテンであるNO8セルジョ・パリッセが欠場し、代わってキャプテンを務めたバッドのトライで勢いづくイタリアが得点を重ねるかと思われた。

しかし、ここからカナダが反撃に出る。17分、NO8タイラー・アードロンがディフェンスを突破し、FLマット・ヒートンにパスが渡ればトライのシーンで、わずかにタイミングが合わず、ヒートンがボールを落としてしまう。その後も波状攻撃を仕掛けるカナダは、CTBベン・ルサージュ、WTBのDHT・ファンデルメルヴァらが次々にゴールラインに迫るが、ことごとく最後にボールが手からこぼれ落ち、トライまで至らなかった。

後半、イタリアが流れを変えようと攻勢に出る。3分、FWの縦攻撃の連続でゴールラインに迫り、最後は離れた場所に立っていたFLセバスチャン・ネグリにパスが渡ってトライ。アランのゴールも決まって、24-0とする。18分には、イタリアがモールを押し込んでトライをしようとしたところで、カナダのヒートンがモールを崩す反則を犯し、ペナルティートライが与えられる(31-0)。ヒートンはシンビン(10分間の一時退場)となり、3分後にはイタリアがトライを追加して、36-7と差を広げた。

ミスで好機を逸していたカナダがようやくトライをあげたのは、後半28分のことだった。自陣からSOピーター・ネルソンが抜け出し、交代出場のWTBアンドリュー・コーにパスがつながると、コーは右タッチライン際を駆け抜ける。そして、イタリアWTBジュリオ・ビゼーニと一対一になると、左足を一歩左に踏み込み、直後に右方向へ加速。鮮やかにタックルをかわして右コーナーに飛び込み、スタンドを沸かせた。

しかし、カナダの反撃はここまで。イタリアがさらに2トライを追加し、4トライ以上のチームに与えられるボーナス点を得ながら2連勝を果たした。「途中ちょっと後退した場面もあったが、フィジカル面の優位性を利用できた。ここの観衆は信じられないくらい素晴らしい」と、イタリアのコナー・オシェイヘッドコーチ。選手の奮闘を称え、観客のサポートに感謝した。カナダのキングズリー・ジョーンズは次のようにコメントした。「選手はよくやった。チャンスはたくさん作ったが、得点するまでに至らなかった。戦術を見直し、次は好機を生かしたい」。プレーヤー・オブ・ザ・マッチ(最優秀選手)は、ディフェンス突破を14回記録し、何度もトライチャンスを作ったFLジェイク・ポレドリが受賞した。

カナダは10月2日にニュージーランド、イタリアは10月6日、南アフリカと対戦する。決勝トーナメント進出を狙うイタリアにとって、南アフリカは越えなければならない壁だ。オシェイヘッドコーチは、「(これから対戦する)南アフリカやニュージーランドのことはまったく考えてなかった。次の試合まで8日ある。今夜は楽しく過ごし、次の南アフリカ戦を心待ちにしている」と、挑戦を楽しむような言葉を残した。

【ハイライト】イタリア vs. カナダ ラグビーワールドカップ2019 プールB

© Rugby World Cup Limited 2019
村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
ラグビーを応援しよう!

ラグビーの放送・配信ページへ