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ラグビー コラム 2019年9月23日

鉄壁のアイルランド。スコットランドにノートライ快勝でボーナスポイント発進。ラグビーW杯日本大会 アイルランド vs. スコットランド

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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CJ・スタンダー

プレイヤーオブザマッチに選出されたNO8 CJ・スタンダー

9月20日(金)開幕のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で、悲願の初優勝を狙うアイルランドが強さを示した。

9月22日(日)に神奈川・横浜国際競技場で行われたプールA第2戦で、世界ランキング1位でW杯を迎えたアイルランド代表が、同ランク7位だったスコットランド代表に27-3で快勝。

守っては失点を1PG(ペナルティゴール)の3点のみに抑え、攻めては4トライを奪ってボーナスポイント付きの勝ち点「5」。28日(土)に対戦予定の日本代表に勝ち点で並んでみせた。

アイルランドは強力FW、特にフロントファイブ(背番号1~5番)の活動量が際立った。

前半6分、北アイルランド出身のLOイアン・ヘンダーソンの突破を足掛かりに、もう一人のハイタワー、LOジェームズ・ライアンが先制トライ。詰めかけたアイルランド・サポーターから爆発的な歓喜が起こった。

この日のアイルランドはセットピース(スクラムとラインアウト)も安定。ラインアウト(12回全成功)、マイボールスクラム(10回全成功)ともに成功率が100%だった。

ロリー・ベスト

アイルランド2トライ目を挙げたHOローリー・ベスト主将

前半13分にはそのラインアウトから強力モールで前進。狭いサイドに回して押し込み、W杯4大会出場を果たしたHOローリー・ベスト主将がチーム2トライ目を挙げた。12-0

「今日は私たちにとって良いスタートになった。緊張しており、良いスタートを切ることが必要だったが、序盤でフォワードがトライを獲ることができて良かった」(アイルランド・HOベスト主将)

スコットランドはSHグレイグ・レイドローが前半20分、得意の右足でPGを返したが、その後の得点はなし。アイルランドは防御が光った。

この日のタックル成功率は95%(スコットランドは90%)。後半に雨脚が強まり、両軍のプレーが比較的小さくなった影響も考えられるが、愚直なアイリッシュマン達は、速いリロードからの素早い守備のセットアップに努め、的確なタックルを繰り出し続けた。

フィン・ラッセル

アイルランドはスコットランドのキーマン、SOフィン・ラッセルに強烈なプレッシャーをかけた

特にスコットランドのキーマンであるSOフィン・ラッセルに対しては、強烈なプレッシャーをかけ、CTBバディー・アキらが飛び込むように強烈タックルを放った。

前半24分のトライは、SOラッセルへのプレッシャーからパスが乱れ、イーブンボールを大きく蹴り返したことで好機が到来した。敵陣ゴール前の攻防から、最後はPRタイグ・ファーロングが仕留めた。19-3

華麗なスキル誇るスコットランドのSOラッセルだが、アイルランドは天才司令塔からスペースと考える時間を奪うことで、大きな武器であるバックスを封じた。

スチュアート・ホッグ

追い上げたいスコットランドにとって後半の雨足の強さは不運だった

アイルランドの16点リード(19-3)で迎えた後半は、雨脚が強くなり両者にハンドリングエラーが増えた。

するとアイルランドは身長190弱の長身SHコナー・マレーがチャンスメイク。

長短のコンテストキックを操るSHマレーは後半15分、防御裏へ低いボックスキック。このボールを再獲得して前進すると、SHマレーがショートサイドのスペースを見逃さず、WTBアンドリュー・コンウェイのトライをアシスト。24-3

巨躯を活かした効果的なディフェンスもできるSHマレーの活躍で、ついに4トライ以上に与えられるボーナスポイントを獲得。

スコットランドは追い上げたい後半になり、雨が強くなる不運もあった。足元は悪く、後半17分に投入された快足トライゲッター、ダーシー・グラハムのランも不発。

後半27分にさらにPGも加えられ、3-27でフルタイムを迎えた。

黒星スタートとなったスコットランドのグレガー・ダウンゼントHC(ヘッドコーチ)は「残念です」と敗戦を振り返った。

「初戦ということで、エネルギー、精度を発揮できませんでした。本来ならもっとアグレッシブに戦わなければならなかった。アイルランドは22メートル内で力を発揮しました。あれだけ獲られると(19点)、後半は苦しくなってきます」

一方、勝ち点5を獲得して好スタートのアイルランド、ジョー・シュミットHCは、「メンバー23人が良い試合をしてくれました」と選手を讃えた。

「こうした天候なので苦戦もあった。ただ後半に選手を替えることで、スクラムもターンオーバーすることができた。みんなで非常に良くやれました」

「(次の相手である日本戦へ向けては)明日、掛川(静岡)に行って、それからホテルに行きます。そこで考えたい。火曜日に軽いセッションをします」

「日本は速い試合展開をします。SH流、SO田村は幅広くパスできる。CTBラファエレは素晴らしい選手です。フロントにもダイナミックな選手がいます。ジェイミー(・ジョセフ日本代表HC)が彼らをどのようにまとめるのか分かりませんが、木曜の選手発表を楽しみにしています。我々にとって厳しい試合になると思います」

アイルランドのWTBジェイコブ・ストックデイルは、28日(土)に対戦予定の日本を「危険なチーム」と警戒した。

「日本の試合は観ており、分析や対策もしています。準備はできています」

アイルランドの選手はすでに日本対策を共有しているという。ただ「何が起きるか分からない」と警戒心を解くことはない。慢心もなく愚直な世界トップチーム――日本にとってアイルランドが、プールA最大の敵であることは間違いないだろう。

文:多羅 正崇

【ハイライト】アイルランド vs. スコットランド ラグビーワールドカップ2019 プールA

© Rugby World Cup Limited 2019
多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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