人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

ラグビー コラム 2019年9月19日

最初の波乱が起こるなら、この試合か? オーストラリアに挑むフィジアンマジック ラグビーワールドカップ2019 オーストラリア vs. フィジー

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
  • Line
オーストラリア vs. フィジー

待ちに待ったラグビーワールドカップ(RWC)日本大会の開幕である。各プール2位までに入り、決勝トーナメントに進出できるのはどのチームなのか。どのプールも序盤に好カードが並ぶ。プールAのアイルランド対スコットランド、プールBのニュージーランド対南アフリカ、プールCのフランス対アルゼンチンだ。そして、プールDは、オーストラリア対フィジーである。プールDは、オーストラリアとウェールズが1、2位を争うと予想されているが、ジャイアントキラーのフィジーが何かを起こす可能性がある。最初に波乱があるとすれば、この試合だろう。

オーストラリア対フィジーは、9月21日、北海道の札幌ドームにて13:45にキックオフ。世界ランキングは6位と9位で、その差は近いのだが、RWCで2度の優勝を誇るオーストラリアは今回も優勝候補の一角であり、フィジーは2007年大会以来3度目のベスト8を狙う立場だ。実力差はある。しかし、オーストラリアはRWC経験者がそう多くない。この一戦も、先発15名中、経験者は5名のみ。2016年以降に代表デビューした選手が多い。

注目されるのは、キャプテンのマイケル・フーパー(182cm、101kg、27歳、キャップ95)と、デヴィッド・ポーコック(183cm、103kg、31歳、キャップ77)という経験豊富な2人を両FLに入れてきたことだ。この2人はともに世界屈指のオープンサイドFLだが、2015年のRWC決勝戦でもニュージーランドに対してこのFLコンビで戦った。体格は小さいが運動量豊富な2人が、チームを引っ張り、相手の攻撃を激しいタックルで食い止め、ボールを奪い取るシーンが多くなれば、オーストラリアペースとなる。

ゲームを操るハーフ団は、SHニック・ホワイト(173cm、84kg、29歳)と、SOクリスチャン・リアリーファノ(179cm、95kg、31歳)というRWC初出場コンビ。ホワイトは、3年間英仏のクラブでプレーしたのちオーストラリアに戻ってきた攻撃的なSHだ。リアリーファノは白血病を克服し、31歳にして初のRWC。冷静にゲームをコントロールし、勝利につながるゴールキックを決めたい。オーストラリアの攻撃の軸となるのは、CTBサム・ケレヴィ(186cm、105kg、25歳)。タックルを振りほどきながら確実に前進するケレヴィと、今年、6シーズンぶりに代表復帰した天才肌のCTBジェームズ・オコナー(180cm、97kg、29歳)がチャンスを作り、決定力あるWTBマリカ・コロインベテ(180cm、93kg、27歳)、天才FBカートリー・ビール(186cm、93kg、30歳)を走らせる。

対するフィジーも、現状のベストメンバーを組んできた。3度目のRWC出場となるキャプテンのFLドミニコ・ワンガニンブロトゥ(195cm、114kg、33歳)、PRキャンピージ・マアフ(182cm、114kg、34歳)、200cm超のLOコンビ、テヴィタ・ザヴンバティ(200cm、118kg、32歳)、レオネ・ナカワラ(201cm、117kg、32歳)。BKには、プレーメイカーのSOベン・ヴォラヴォラ(191cm、91kg、28歳)、そして、もっとも注目したいのが、7月のパシフィック・ネーションズカップでは来日しなかったWTBセミ・ランドランドラ(188cm、100kg、27歳)だ。2018年6月にフィジー代表デビューしたばかりの選手だが、オーストラリアの13人制ラグビーのプロでプレーした後、2017年からフランスのクラブで15人制に復帰し、RWCは今回がデビューとなる。その爆発的なランでオーストラリアを苦しめるはずだ。

広いスペースを走り合う展開が多くなれば、フィジーにも勝機がある。オーストラリアは、フィジーのスピードランナーに簡単にボールを渡さないよう戦うだろう。フィジーとしては、スクラムでオーストラリアに圧力をかけ、意図的にスペースを作って攻撃を仕掛けたい。結果はどうあれ、互いに仕掛け合う面白い試合になるだろう。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
ラグビーを応援しよう!

ラグビーの放送・配信ページへ