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ラグビー コラム 2019年9月13日

早稲田大学、前半最後にして最大の難所・筑波大学戦。ラグビー関東大学対抗戦

ラグビーレポート by 早稲田スポーツ新聞会
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関東大学対抗戦、前半最大のヤマ場がやってきた。ここまで2連勝の早稲田大学。次なる対戦相手は、明治大学、慶應義塾大学とすでに重要な対戦を乗り越え、1勝1敗の戦績を残す筑波大学である。

昨年までの成績は、上位チームに続き3年連続対抗戦5位と振るわなかったが、今季はアスリートぞろいのBK(バックス)陣を中心とした攻守を武器に、勢いに乗っているチームだ。

初戦の明大には敗れたものの、昨年度の学生王者相手に善戦。2試合目となる慶大戦では試合最終盤で劇的な逆転勝利。間違いなくこの対抗戦のカギを握る1校であると言えよう。

ワールドカップ開催に伴い、この試合を境に次戦まで1ヶ月弱の期間が空く。前半最後にして最大の難所を白星で飾ることができるか、注目が集まる。

今季の筑波大は、強い。筑波大が本来持つ「泥臭さ」を取り戻し、粘りのあるプレーをするFW(フォワード)に加え、BKにはWTB(ウィング)仁熊秀斗(筑波大)島田悠平(筑波大)、CTB(センター)岡崎航大をはじめとした、突破力のあるタレントが揃っている。

筑波大をけん引する主将、杉山(写真中央)

それが、SH(スクラム)杉山優平主将を中心とした好連係を生み出し、筑波大は波に乗り出した。明大戦では、後半に意地を見せ、7点差に追い上げたものの、地力の差で突き放され、惜敗。苦杯を嘗めたが、悔しさを次戦につなげてみせた。

前節の慶大戦、開始直後から自陣での展開を許すも、堅いディフェンスでトライを許さず、拮抗した状態が続く。そして迎えたラストプレー。岡崎からボールを受けた仁熊がインゴールに飛び込み、17-14と逆転勝利を果たした。

粘り強いディフェンスで守り抜き、試合終盤まで勝機を逃さず攻め込む、攻守のバランスの良さが勝ち取った白星だった。慶大に勝利するのは2012年以来、チームとして自信にもつながったに違いない。

さて、一方の早大。初戦の日本体育大学戦では、前半2分に先制点を献上するなど立ち上がりが低調に。夏季に培ったスクラムやディフェンスは依然として良かっただけに、細かなミスや反則など課題の残る試合となった。

続く、青山学院大学戦では、試合の入りを克服。開始早々、連続で得点を重ねる。終始相手を圧倒する試合を展開し、失点を0に抑える大勝を挙げた。

そんな早大が、筑波大戦において求められることは何か。それはやはり、早大がチーム発足当初から取り組み続けている「ディフェンス」だろう。

「筑波大と慶大の試合では筑波大のBKのアタックがかなりよかったので、そこを前に出させないことが、BKとしてはキーポイント」と司令塔であるSO(スタンドオフ)岸岡智樹(教4=大阪・東海大仰星)も分析する。

また、流れを一度でも相手に渡すことのないよう、セットプレーを安定させることや、ペナルティの少ない丁寧な試合運びも重要になってくるはずだ。

さらに、「自分たちがやってきた『早稲田クオリティー』を見つめ直すこと」にこだわりたいとSH齋藤直人主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)は語る。

相手に合わせる部分はもちろんあるが、あくまでも立ち返ってフォーカスするのは自分たち自身である。

苦い試合だったが、自分たちのやるべきことが浮き彫りになった日体大戦から、改善された試合内容で修正力を示した青学大戦。

筑波大戦ではそれをさらにブラッシュアップさせた自分たちのラグビーをすれば、自ずと勝利は見えてくるに違いない。

後半に控える成蹊大学、帝京大学、慶大、明大との対戦に向けて弾みをつけたい早大。対抗戦のダークホースとなりうる筑波大に勝って、勢いをここで止めてほしい。

慶大vs.筑波大の試合からもわかるように、ノーサイドの笛が鳴る最後の瞬間まで勝敗はわからない。接戦が予想される次戦。最終盤の攻防に競り勝つためには、80分間通して『早稲田クオリティー』を実践し続ける集中力が要求される。

今年の早大は、筑波大に負けないタレントぞろいだ。悲願の日本一に向けて躍動する早大フィフティーンから目が離せない。

文:山口日奈子/写真:涌井統矢(早稲田スポーツ)

早稲田スポーツ新聞会

早稲田スポーツ新聞会

1959(昭和34)年創刊。人気の野球、ラグビーを中心に早大体育会44部をくまなく取材し、年12回の新聞発行およびWebやSNSによる情報発信を行う。現在部員170名で活動。»早スポHP»Twitter»Facebook

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