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ラグビー コラム 2019年8月30日

京都産業大学、大西監督ラストイヤーに大学日本一を目指す。ラグビー関西大学リーグ

ラグビーレポート by 京産大アスレチック
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写真:スクラムを指導する大西監督

「ここから這い上がるのが京産やから」

大西監督は少し笑いながらそう言い、宿舎へ向かった。シーズン前最後の試合として重要視していた中央大学との練習試合(夏合宿、8月22日)に40-42で敗れた。接戦に持ち込むも、勝つことができなかった。

今年は40年以上監督を務めた大西監督が勇退するラストイヤー。特別な年となる。キャプテンは1年から試合に出続けているLO(ロック)伊藤鐘平(札幌山の手)だ。

監督曰く、人選は「順当以上」。伊藤主将は2015年ワールドカップに出場した伊藤鐘史(現・京都産業大学ラグビー部コーチ)の16歳年下の弟。

小さい頃から赤紺軍団を身近に感じ、大西監督のもとで日本一を目指すために京産大に来た。

大西監督に恩返しするため大学日本一を誓うチームの中でも、人一倍闘志を燃やす。キャプテンとしてラインアウトを始め、様々な局面でリーダーシップを発揮する。

チームの目標は一貫して「大学日本一」。大学選手権は過去何度も4強まで進んだが、その度に強豪に跳ね返されてきた。今年こそ壁を破り、大西監督の花道を飾りたい。

そのためのステップとして、伊藤主将は「大きな目標に挑む時こそ足元を見て段階を踏むことが大事。まずは関西で力をつけていきたい」と語る。大西監督も「まずは関西初戦。そこだけを見てやっていく」と強調する。

自身がラストイヤーということに関しては、「自分の事情で選手に何かということはない。いつも通り大学日本一を目指してやっていくだけ。そこは変わらない」とスタンスを崩さない。

今季、春シーズン序盤は順調だった。昨年の全国準優勝天理大学に僅差で敗れるも、同志社大学には勝利。関西学生春季トーナメントでも近畿大、立命館大に連勝して決勝に進んだ。

1年生の家村健太(流経大柏、SO)が司令塔に抜擢され、同じく1年生の福西隼杜(報徳学園、FL)はU20日本代表に選出されるなど、新戦力も台頭した。

試合後、円陣を組む選手たち。キャプテン不在を、圧倒的なコミュニケーションで補う計画だ

順調なチームに試練が訪れたのは6月の日本大学戦。絶対的キャプテンだった伊藤鐘平が足をケガ。3か月の離脱と診断された。ワールドカップによる中断期間後からの復帰となる。

「彼が帰って来るまでの前半戦で取りこぼしをすると厳しくなる。特に近畿大戦は厳しい戦いとなるが、全部取らなければいけない」(大西監督)。

しかし、7月の春季トーナメント決勝で天理大に完敗するなどチームは思うような結果を残せていない。

シーズン前半戦は、残されたメンバーがどこまで結束できるかがカギになる。そこで黒星がつくような事態になると、後半戦は強豪との対戦が続くため厳しいシーズンとなる。

京産大の強みは今季もスクラムとモールだ。スクラムは天理大と互角に組む。伊藤鐘史コーチとラインアウトを磨き、モールに繋げる。前述の中央大戦でもスクラムは終始優勢。ラインアウトからモールトライも取った。

一方で春季大会から弱みと認識していたディフェンスを狙われた。相手ウイングにディフェンスを突破される。夏合宿でも重点的に取り組んだがまだまだ練習が必要だ。

リーグ戦初戦の相手は関西学院大学。昨年は順位を終盤まで競り合った相手だ。今シーズン、関西学院大学はスクラムに力を入れてきた。

中孝祐(東海大仰星、WTB)ら決定力のあるバックスも備える。互いに自信を持っているスクラムが、勝敗を左右することは間違いないだろう。

大西監督念願の大学日本一を達成するために、関西で負けるわけにはいかない。

調子が上がったチームに伊藤鐘平キャプテンが合流できれば、1998年以来の関西リーグ優勝、初の大学日本一が見えてくる。成長を続ける京産大から、目が離せない。

文/写真:岩田悠吾(京産大アスレチック)

代替画像

京産大アスレチック

京都産業大学体育会本部編集局は年4回、「京産大アスレチック」という体育会の広報新聞を作成しています。また、SNSなどを活用し、試合速報やブログ記事の更新、号外・試合告知ポスターの発行を行っています。 »HP »Twitter »Facebook

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