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ラグビー コラム 2019年8月20日

【W杯前哨戦】NZが豪州に完封リベンジ! 日本のライバル、スコットランド・ロシアは完敗 ウェールズは初の世界1位へ

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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セヴ・リース

アクロバティックなトライを決めたWTBセヴ・リース

ラグビーワールドカップ(RWC)開幕まで、あと、1カ月。8月17日、18日にも、RWC参加国が世界各地で国際試合を行った。RWC最終登録メンバーへのサバイバルマッチであり、各チームがさまざまなユニットや戦術を試す機会でもある。試合結果ですべてを判断することはできないのだが、そんな準備のことは度外視してのライバル同士の見ごたえある対決もあった。

RWC三連覇を狙うニュージーランド代表オールブラックスの試合もその一つだ。8月10日、オーストラリア代表ワラビーズに26-47という屈辱の大敗を喫したオールブラックスは、自国オークランドのイーデンパークでワラビーズを迎え撃ち、凄まじいディフェンスで完封勝ちしてみせた。前半4分、SOリッチー・モウンガのPGで先制して以降は拮抗した展開になったが、ワラビーズの自陣からのオープン攻撃にWTBジョージ・ブリッジが好タックルを決め、こぼれたボールをモウンガが拾って約50mの独走トライ。10-0とリードする。

気迫が空回りしてHOデイン・コールズが危険な行為でシンビン(10分間の一時退場)になるシーンもあったが、SHアーロン・スミス、CTBソニー・ビル・ウィリアムズら経験豊富な選手がトライ。後半26分には、新鋭WTBセヴ・リースが、キックパスが弾んだところをサッカーのボレーキックのように蹴り、インゴールまで追いかけるアクロバティックなトライで突き放した。この勝利は、RWCに向けて不安を感じていたNZ国民を安堵させ、オールブラックスの強さを印象付けた。セヴ・リースはXファクターとなるのかもしれない。

両国の定期戦には「ブレディスローカップ」がかかっており、もし、この試合でワラビーズが勝てば今年の対戦で連勝となり、17年ぶりにカップがタスマン海を渡ることになったのだが、17年連続でオールブラックスが保持することに。しかし、NZファンにはショッキングなこともあった。同日、イングランドに13-6で勝利したウェールズに世界ランキングで逆転され、2009年以降509週連続で守ってきた世界ランキング首位の座を明け渡すことになったのだ。ワラビーズ戦大敗でランキングポイントを下げたことが影響した。

初の1位となったウェールズが、13-6でイングランドに競り勝った試合も、互いの意地がぶつかり合う激闘だった。ウェールズはキープレーヤーのSOガレス・アンスコムが膝の怪我でRWCに出場できなくなって暗雲垂れ込めたがライバルのダン・ビガーが奮起。正確なキックパスで前半33分、WTBジョージ・ノースのトライを演出するなど、マン・オブ・ザ・マッチに輝く活躍だった。試合直前に急きょ欠場が発表されたFBリアム・ウィリアムズに代わって出場したFBリー・ハーフペニーも安定したフィールディングを見せ、後半35分にはロングPGを決めて勝利を確かなものにした。ベテラン2人が実力を示したことはRWCに向けて好材料だろう。

このほか注目のテストマッチでは、南アフリカ代表スプリングボクスがWTBシブシソ・ンコシの2トライなどで24-18と差をつけ、アルゼンチン代表プーマスに勝利。フランスはスコットランドに32-3で快勝。この日が代表デビューとなったWTBアリベレティ・ラカが前半2分に先制トライをあげ、チームを勢いづけた。フランスが上り調子になってきたことで、RWCで死のプールと呼ばれる「プールC」の順位争いはさらに熾烈なものとなった。スコットランドはRWCに向かってメンバーを試す段階で、来週(8月24日)の対戦では違った顔を見せるだろう。また、RWC開幕戦で日本代表と対戦するロシアはイタリアに15-85で完敗。ディフェンスは未整備の状態だ。ロシアは、8月24日、ジョージアと対戦する。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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