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▼ジョージア×スコットランド
▼現地時間8月31日/ディナモ・アリーナ(ジョージア、トリビシ)
▼堅実なFWと華麗なBKが融合。スコットランドが敵地ジョージアで5トライ奪取。
9月20日開幕のワールドカップ(W杯)日本大会でプールAに所属し、プール最終戦で日本と激突するスコットランドが、プールD所属のジョージアとW杯へ向けたテストマッチを行った。
舞台はジョージア首都トリビシのディナモ・アリーナ。
ジョージアにとっては、ティア1国(強豪10か国)との自国対戦は史上初めて。多くの観客が「レロス」の愛称を持つ代表チームへ声援を送った。
また、ジョージアはかねてより欧州6か国対抗戦「シックス・ネーションズ」への参加を希望しており、世界最古のテストマッチ(1871年/イングランド戦)を行った伝統国スコットランドに勝利すれば、ティア1国からの歴史的初勝利になると同時に、大会入りへのアピールにもなる。
気合い十分でピッチに現れたメンバーは、CTBメラブ・シャリカーゼ主将に代わってゲーム主将を務めたスクラム強者、PRミヘイル・ナリアシヴィリ、NO8ベカ・ゴルゴゼなど、怪力自慢の男たちだ。
一方のスコットランドは、フランスとのW杯ウォームアップマッチ2連戦で1勝1敗(●3-32/○17-14)。辛勝した第2戦からは先発10人を変更しており、セレクションも兼ねた強化試合となった。
アタックの中心は、精密キッカーのSHグレイグ・レイドローと、SOフィン・ラッセルの有能ハーフバック団。フォワードは堅実なブレイクダウンスキルなど、確かな技術を持ち、献身的に働く。
ホームの大歓声を受けたジョージア。しかし試合序盤は気合いが空回りしてしまった。
“スクラム世界最強”に名乗りをあげるジョージアだが、前半3分のファーストスクラムでは、早く仕掛けて逆に反則をとられてしまう。
さらに自陣へ後退するたびにオフサイドなど反則を犯してしまい、スコットランドの名キッカー、SHレイドローが、前半7、12分に連続PG(ペナルティゴール)成功。6-0とリードを許す。
密集戦などでのフィジカルバトルは激しいが、規律が乱れてペースを握れないジョージア。
するとスコットランドは前半14分、22歳のWTBダーシー・グラハムの突破から、SOラッセルが防御線をラインブレイク。
フォローランナーが湧き出て、8→9→4と繋いでLOベン・トゥーリスがスコアラーに(ゴール成功)。
さらに仏ラシン92所属のSOラッセルは前半17分、防御裏へ見事なショートパントを上げ、ボールを再獲得してビッグゲインをアシスト。さらに敵陣へ侵入し、最後はCTBロリー・ハッチンソンがトライ(ゴール成功)を決めた。
ジョージア vs. スコットランド ラグビー テストマッチ2019 ハイライト
前半20分間で20失点のジョージア。
ジョージアは前半29分、強力スクラムでコラプシングの反則を奪ったが、スコットランドの堅守に阻まれてトライまでは奪えず。ここはハイタックルによるPG選択で、この日最初の得点を刻んだ。20-3 前半終了間際にスコットランドのSHレイドローが、さらに3点追加。20点リード(23-3)として、前半を折り返した。
後半も攻守に堅調なスコットランドが主導権を握る展開は変わらず。
さらにスコットランドは後半7分、相手ゴール中央のペナルティで、PGではなくスクラムを選択。
スクラム大国のプライドに傷をつけられたジョージアは猛然とプッシュ。
しかしそれを見越したようにスコットランドは右サイドへ配球し、CTBハッチンソンがこの日2トライ目(ゴール成功)、ついにスコアは30-3となった。
ジョージアはスクラムが武器にならず、モールの攻防でもスコットランドFWに苦戦。
打つ手なしに見えた後半18分、身長190cm超のCTBタマズ・ムチャトリーゼが突進。さらに途中出場のカレン・アシエシヴィリが意地でねじ込み、観客席は歓喜。ゴール成功で30-10。
しかしジョージアの反撃ムードは断ち切られた。
後半22分、敵陣に入ったスコットランドは、南アフリカ出身のNO8ジョシュ・ストラウスの前進から、SOラッセルのキックを3人でチェイス。WTBグラハムが右隅でグラウンディングに成功。
SOラッセルがみずからコンバージョンを決めて37-10とすると、スコットランドは後半33分にも敵陣でのペナルティからタップでリスタート。
集中力に欠如が見られるジョージアは、途中出場のスコット・カミンズに難なくインゴールを明け渡し、最終スコアは44-10に。
ジョージアは反則からリズムが狂い、頼みのスクラムも抵抗に遭って武器にならず。シックス・ネーションズ入りが遠のくような大敗を喫してしまった。
一方のスコットランドは頑健なフォワードが怪力揃いのジョージアに対抗。スクラムでも互角に戦い、ラインアウトモールはことごとく粉砕。強固な土台を築き、SOラッセルやWTBグラハムといった才能を揃えるバックスを活かした。
スコットランドとワールドカップで同組の日本は10月13日、プール第4戦(最終戦)で激突する。日本にとって、この一戦が史上初のプレーオフ進出を懸けた大一番になる可能性もある。
SHレイドローとSOラッセルという絶対的なハーフ団が躍動すれば、日本の旗色は悪くなるだろう。
2015年大会で1大会3勝を挙げた日本は、中3日で臨んだスコットランド戦で唯一の黒星を喫している。因縁めくライバルとの大一番が、いよいよ待ちきれなくなってきた。
多羅 正崇
1980年2月1日生まれ、神奈川県出身。法政大学第二高校、法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻修了。スポーツジャーナリストとして『ラグビーマガジン』『Number』『J SPORTS』などに寄稿する傍ら、ユーモアコラムの執筆も行なっている。スポーツにおけるハラスメント防止を目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」理事。共著に『子どもがラグビーを始めたら読む本』(ベースボール・マガジン社)がある
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