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7月12~13日、日本全国各地でトップリーグカップ第4節の11試合が行われた。
東京・秩父宮ラグビー場では、プールBで3連勝中の東芝ブレイブルーパス(昨季トップリーグ11位)と、この試合に勝てばプレーオフ準決勝進出の可能性がある、2勝1敗のNTTドコモレッドハリケーンズ(昨季トップチャレンジリーグ1位)が激突した。
再び、優勝を争う強豪チームへと復活を狙う東芝は、トップリーグカップで開幕からNTTコミュニケーションズ(○31-24)、ヤマハ発動機(○24-21)と強豪に僅差で連勝。
その勢いに乗り、前節は宗像サニックスを寄せ付けず、6トライを挙げて42-5で快勝した。
積極果敢に仕掛けて攻撃の起点となっているSH(スクラムハーフ)小川高廣キャプテンを筆頭に、4年目のWTBコンラッド・バンワイクと、元7人制日本代表のフィジー出身のWTBジョネ・ナイカブラの両翼が好調だ。
一方、今シーズンから再びトップリーグに昇格したNTTドコモは、開幕から宗像サニックス、九州電力に快勝。前節はトップリーグのトップ4常連のヤマハ発動機に挑み12-36で敗れたが、この試合に勝利して準決勝進出に望みをつなげたいところだ。
なお、昨年の7人制ラグビーのワールドカップで「ドリームセブン」(ベスト7)に選出されたWTBジョセファ・リリダム(NTTドコモ)は、先日、東京五輪に向けた「男子7人制日本代表トレーニングスコッド」に選出されたばかりである。
時折、小雨が降る中、今節で最も多い6127人が集った試合は、東芝FW(フォワード)陣、特に第1列のPR(プロップ)田中圭一、深村亮太、HO(フッカー)森太志の3人が気を吐いた。
前半4分、NTTドコモにPG(ペナルティゴール)で先制されだが、東芝はスクラムでペナルティを誘う。
8分、縦に長いモールを力強く押し込んで、最後尾のHO森が左中間に押さえてトライ、WTBバンワイクのゴールも決まり、7-3と逆転に成功する。だが、その後、ノックオンやタッチキックミスなどでチャンスを与えてしまう。
27分、ボールを大きく動かされて、SO(スタンドオフ)マーティ・バンクスからWTB小林正旗に渡る。小林がタックルを受けながらも左でグラウンディング。7-8と逆転を許してした。しかし、今日の東芝には戻るべきところがあった。
それはスクラムだった。ロスタイム、相手のスクラムでの反則から、再びスクラムを選択し、最後はBK(バックス)に展開し、WTBナイカブラがトップスピードでボールをもらい、そのままトライ。ゴールも決まって14-10と逆転してハーフタイムを迎えた。
後半、徐々にフィジカル勝負で上回ってくると東芝のペースとなっていく。後半8分、敵陣15m付近からのラインアウトを起点にボールを展開し、相手の隙を見逃さなかったSH小川が仕掛ける。
最後はPR深村がタックルに来た相手をハンドオフで弾きながら、そのままインゴールに豪快にトライ。ゴールも決まり、21-10。さらに19分にはモールから再びHO森がトライを挙げて、28-10と大きくリードを広げる。
30分、攻撃の手を緩めない東芝はWTBナイカブラが、相手キックのカウンターから60mほどを走りきる個人技を見せてトライ。この試合、キックの調子の良かったWTBバンワイクがゴールを沈めて、35-10として勝負を決めた。
34分に、自分たちがミスしたボールを相手のWTBリリダムに拾われて、80m走られてトライを喫したが、試合はそのまま東芝が35-15で勝利。
MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)は、スクラムにモールに、そして豪快なハンドオフからのトライも奪ったPR深村が選出された。
東芝は3トライ以上差をつけるボーナスポイントも得て5ポイント獲得し、総勝ち点を18に伸ばした。NTTドコモは勝ち点を上乗せできず、10のままとなった。
プレーオフ準決勝進出の可能性がなくなってしまったNTTドコモは、7月19日(金)に大阪・万博記念競技場で、NTTコミュニケーションズシャイニングアークスと激突する。
毎回、「NTTダービー」は互いのプライドがぶつかるだけに、今回の試合もきっと大いに盛り上がるはずだ。
また、プレーオフ準決勝進出に大手をかけた東芝は、7月20日(土)、福岡・レベルファイブスタジアムで、まだ開幕から白星のない九州電力ューデンヴォルテクス(昨季トップチャレンジリーグ5位)と対戦する。
実力差を考えるとFWを軸にした戦いを見せれば、東芝の優位は動くことはない。
東芝は8月2日(日)、サントリーサンゴリアスか、パナソニックワイルドナイツに絞られたプールA1位とのプレーオフ準決勝を見据えつつも、しっかりとした内容ある試合で快勝したい。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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