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▼スーパーラグビー2019/プレーオフ準決勝「ジャガーズ×ブランビーズ」
▼6月29日/エスタディオ・ホセ・アマルフィターニ(アルゼンチン・ブエノスアイレス)
▼ジャガーズが情熱的なファイトで圧倒!ブランビーズはラインアウト、フィールドでミス多発。
ミラクル・ジャガーズだ!アルゼンチン代表候補が結集するスーパーラグビー(SR)チーム「ジャガーズ」が、リーグ参戦4年目で、さらなる高みに到達した。
ジャガーズは日本時間6月29日、チーム初だったプレーオフ(PO)準決勝で、地元ブエノスアイレスにブランビーズ(オーストラリア)を迎えた。
ジャガーズは今季就任のゴンサロ・ケサダHC(ヘッドコーチ)のもと、南アフリカ・カンファレンスを初の1位通過でPOへ進み、準々決勝でチーフス(NZ)に21-16で勝利していた。
一方のブランビーズも今季好調。2年目のダン・マッケラーHCが築いたオーストラリアの首都チームは、10勝6敗でレギュラーシーズンを駆け抜け、2年ぶりのPO進出を果たす。
準々決勝ではシャークス(南アフリカ)に38-13で快勝し、2004年以来3度目の優勝を視野に入れ、アルゼンチンへ乗り込んだ。
ジャガーズにとっての鬼門は反則数だったろう。
今季の反則数は177回でリーグワースト2位。反則を犯してしまうと、ラインアウトモールを最大の武器にするブランビーズが強みを発揮するところだった。
ところがこの日のジャガーズは違った。
トンネルから仲間の絶唱でピッチへ送り出されたメンバーは、ここまで平均10.4回だったペナルティ数を「6」に減らした。
またディフェンスも集中力が高く、ここまで1試合平均85%だったタックル成功率が、この日はなんと96%。好タックルのたびに起こる大歓声も力になったのだろう。
運命の一戦で、ジャガーズは開始20分で20得点を奪った。
準決勝 ジャガーズ vs. ブランビーズ ハイライト
先制トライは前半4分、元ブランビーズのSHトマス・クベリが、相手のショートパントの捕球ミスにより生まれたチャンスをものにした。7-0
前半19分には、ラインアウトモールが崩れてFW勝負となったが、稀代のハードワーカーであるLOトマス・ラヴァニニが頭から突っ込み、トライラインの先へ押さえた。20-0
ラインアウトモールが大きな武器であるブランビーズだが、この日のラインアウト成功率は81.8%と低調。さらにジャガーズは規律の乱れがなく、強みを発揮する舞台がやってこない。
しかしブランビーズは前半のオーバータイム。FW攻撃で何とかインゴールへ押さえ、13点ビハインド(7-20)に詰めて後半へ向かった。
後半3分にはスクラムを押してPKを奪取したブランビーズだが、せっかくの好機も一次攻撃目でノックオン。ジャガーズの鋭いディフェンスもあり、チグハグなアタックが続いてしまう。
一方のジャガーズは後半9分、キックモーションに入ったSOクリスチャン・リアリーファノ主将へ、FLパブロ・マテーラがタックル。
こぼれ球となり、一気呵成のカウンターからCTBマティアス・オランドがトライを決めた。27-7
ジャガーズ優勢のモメンタムは止まらない。CTBオランドは後半23分にも独走トライ。同38分、ふたたびターンオーバー直後の数秒で身長191センチのFBエミリアーノ・ボフェリがトライを奪い、勝負はあった。
ファイナルスコアは39-7。完勝劇の幕が下りると、ブエノスアイレスの夜空に祝砲の花火が上がった。
チーム史上初のSR決勝へ進出したジャガーズ。
相手は総合1位のクルセイダーズ。レギュラーシーズンの総合順位で下回るジャガーズは、今季POで初めてのアウェー戦となる。
いよいよ'19年のSR王者が決まる。
クルセイダーズの3年連続10度目の優勝か。それとも、ジャガーズの初優勝か。
運命の一大決戦は7月6日、ニュージーランドのクライストチャーチでキックオフを迎える。
スーパーラグビー2019プレーオフ準決勝(結果)
・ジャガーズ○39-7●ブランビーズ
・クルセイダーズ○30-26●ハリケーンズ
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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