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ラグビー コラム 2019年6月25日

ジャパンラグビー トップリーグカップ2019 開幕!

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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トップリーグカップ2019

6月22日(土)、ジャパンラグビー トップリーグカップ2019が幕を開けた。今季はラグビーワールドカップ(RWC)日本大会が開催される影響で、2019年度のトップリーグは2020年1月の開幕だ。そうなると、日本代表以外の選手にとっては約1年間公式戦がないことになる。公式戦の機会を確保し、若い選手にチャンスを与え、ファンの皆さんにもラグビーを楽しんでもらう目的で今回のカップ戦が行われている。

参加するのは、トップリーグ16チームにトップチャレンジリーグの8チームを加えた計24チーム。4プールに分かれて総当たり戦を行い、各プール首位4チームがプレーオフに進む大会方式だ(トヨタ自動車ヴェルブリッツの辞退により、トヨタ自動車の試合は中止)。7月20日までプール戦を行い、8月4日に準決勝、8月10日に決勝戦となる。

チーム数が拡大されたことで開幕節では大差のゲームもあったが、22日のパナソニック ワイルドナイツ対日野レッドドルフィンズ(熊谷ラグビー場)は、終盤、日野が追い込んで31-29という大接戦になった。この春、帝京大学を卒業してパナソニックに加入したWTB竹山晃暉は、プレースキッカーを務めて4ゴール、1PGを決めた。また昨年度の大学選手権で準優勝した天理大のキャプテン島根一磨もデビューしている。

今大会は日本代表選手ほか各国代表選手らが出場しないため、各チームで新人選手がデビューし、昨季までプレー機会の少なかった選手が活躍する場が広がっている。和歌山県の紀三井寺で行われた神戸製鋼コベルコスティーラーズと近鉄ライナーズの試合では、神戸製鋼から近鉄に移籍したばかりの正面健司がSOとして出場して気を吐いた。最終的には、22-14で神戸製鋼が勝ったが、トップチャレンジの近鉄も来季のトップリーグ昇格に向けて自信になる内容だった。

パナソニック対日野と並んで接戦になったのが、6月23日(日)、秩父宮ラグビー場で行われたNTTコミュニケーションズ対東芝ブレイブルーパスだ。抜群の突破力を見せたのは、摂南大学出身で2年目のWTBジョネ・ナイカブラ。フィジー出身選手特有のバネの効いた走りで、FL山本紘史のトライを演出し、前半12分にはNTTコムのキックをキャッチしてカウンターアタック。約60mを一気に走り抜けてトライを決めた。

NTTコムは素早くボールを動かそうとしてはハンドリングエラーが起きたが、それを誘ったのは東芝の激しく前に出るプレッシャーだった。瀬川智広監督は「ブレイクダウンでファイトするのはきょうの一つのテーマでした」と話し、「この試合で何かテストしようということはありません。ベストメンバーで臨みました。本気の試合は一つでも多いほうが良い」と、トップリーグカップも全力で戦う意気込みを語った。

この試合では、後半11分、NTTコムの交代選手としてパナソニックから移籍してきた山田章仁が登場。直後に東芝のキックパスを2人の選手と競り合ってキャッチし、トライにつなげた。「新鮮な気持ちでプレーしました」。まだ日本代表でのRWC出場もあきらめていない。「与えられた時間でインパクトを残したいです」。

東芝では41歳の大野均が後半登場し、スタンドから大きな歓声で迎えられた。「嬉しかったですね。東芝はNTTコムを苦手にしていたので、若いチームには自信になったと思います」。最終スコアは、31-24。若手とベテランが融合した東芝の勝利だった。この日の観客数は、5,383人。開幕節11試合のなかで最多だった。日本代表選手が不在でも、さまざまな視点で楽しめるトップリーグカップは、次節、6月28日(金)、29日(土)、30日(日)に全国各地で行われる。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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