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ラグビー コラム 2019年6月24日

アルゼンチンのジャガーズ、「意図したことができた試合」で初のベスト8突破。スーパーラグビー

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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スーパーラグビーもプレーオフを迎えた。レギュラーシーズンの各カンファレンス1位の3チームと、総合順位で上位に入った5チームの計8チームでのトーナメントが行われ、優勝を争う。

先週末には準々決勝が行われ、6月22日(土)は、南アフリカカンファレンス首位、アルゼンチンのジャガーズと、総合7位でニュージーランドカンファレンス3位、優勝2回を誇るチーフスがアルゼンチンのブエノスアイレスで激突した。

ジャガーズは今年のレギュラーシーズンは11勝5敗、堂々の南アフリカカンファレンス首位で昨年に引き続きプレーオフに進出し、初のベスト4入りをかけた戦いとなった。

リーグ戦最終戦となったサンウルブズ戦から、LO(ロック)グイド ペティ・パガディザバル、CTB(センター)マティアス・オランド、WTB(ウィング)セバスティアン・カンセジエレの3人を除く12人の先発メンバーを入れ替え。

代表でキャプテンを務めるHO(フッカー)アグスティン・クレービーをはじめ、全員がアルゼンチン代表候補という強力な布陣で臨んだ。

一方、レギュラーシーズン序盤は4連敗で一時は最下位だったチーフスは、終盤粘りの追い上げを見せ、最終戦ではレベルズ(オーストラリア)に59-8とボーナスポイントを獲得して勝利し、8強に滑り込んだ。

レベルズ戦からCTBアントン・レイナート ブラウンを13番から12番に移動させ、アレックス・ナンキヴェルに代えてトゥムア・マヌを13番で先発させた以外はメンバーを変えることはなかった。

ナンキヴェルは膝の負傷の具合が心配されたが、メディカルチェックをクリアーしてベンチ入り。そのため日本代表候補WTBアタアタ・モエアキオラは残念ながらメンバー外となった。

試合は、プレーオフ初勝利へ向けて気合十分のホームのジャガーズがいきなり得点する。

ジャガーズはキックオフボールを敵陣深く蹴り込み、相手がキャッチしたボールをターンオーバーし、ラックからFL(フランカー)パブロ・マテラがノーホイッスルトライ。ゴールは外れたが、ジャガーズが5-0と先制する。

チーフスはスクラムで相手にプレッシャーをかけるが、ジャガーズのディフェンスの前になかなか得点を奪うことができない。

ジャガーズは22分にSO(スタンドオフ)ホアキン ディアス・ボニーラのPG(ペナルティゴール)で3点を追加し、8-0とリードする。 しかし、ここからプレーオフ経験豊富なチーフスが反撃に出る。LOのブロディー・リタリックのノックオンでボールを失うも、再びボールを奪い返し、ハーフウェー付近からアタックする。

27分、SH(スクラムハーフ)ブラッド・ウェバーが相手の隙を突いてゲインし、サポートしたFLラクラン・ボシャーがトライ。SOジャック・デブレツェニのゴールも決まりチーフスは7-8と1点差に詰め寄る。

そして36分、チーフスはスクラムからペナルティを獲得し、デブレツェニのPGで3点を追加し、10-8と逆転に成功し、アウェイのチーフスが2点のリードで前半を折り返した。

後半もチーフスペースが続き、2分にSOデブレツェニ、8分にそのデブレツェニの負傷によって入った、SOマーティー・マッケンジーがPGを成功させ、チーフスが16-8と8点差までリードを広げていく。

しかし、悲願のベスト4入りを諦めないジャガーズは、ホームの声援を背に反撃を開始。

11分、相手のペナルティからマイボールラインアウトを獲得し、そのボールをキープして、右に展開してから左からオーバーラップしていたWTBマティアス・モローニがトライ。SOボニーラのゴールも決まって15-16とする。

さらにSOボニーラは15分、20分にもPGを決め、21-16とジャガーズが再逆転に成功する。

残り20分間、チーフスも相手ゴール前に攻め込むが、その猛攻を必死のディフェンスでジャガーズが堪え忍ぶ。

チーフスの最後のアタックもジャガーズは防ぎ切り、結局、試合はそのまま21-16でノーサイド。ジャガーズが見事に勝利し、準決勝進出へ駒を進めた。

スーパーラグビー2019

準々決勝 ジャガーズ vs. チーフス ハイライト

ジャガーズのゴンサロ・ケサダHC(ヘッドコーチ)は、「ディフェンスが良く、相手に破られる隙をほとんど与えなかった。我々の意図したことができた試合に満足している。

最初からチャンスを作ろうとしていたが、特にそのために準備はしていなかった。私たちはもちろん得点を取ろうとしていたが、自分たちのディフェンスを強みにしたかった。それができるようになり、今日のようなゲームプランが上手くいった。

チームを作り上げるのに時間をかけたが、その間、我々には自分たちのチームの特長が必要だと話し合い、そして時間をかけてそれを成功させる必要があった。この数ヶ月でどんどんチームはゲームマネジメントが進歩している」と会心の勝利に満足げだった。

キャプテンのFLパブロ・マテラも、「非常にタフな試合だったが、我々はまた次の週を楽しみにすることができて大変嬉しい。今日の鍵はディフェンスだった。チーフスに一度もリズムを奪われるようなことがなかった。

しかし、チーフスはダイナミックにボールを動かすと危険なチームなので、FWが良い仕事をしてくれたと思う」と声を弾ませた。

敗戦したチーフスのコリン・クーパーHCは「たくさんチャンスがあったが、それ以上にミスが多かった。ジャガーズのディフェンスのプレッシャーが素晴らしく、私たちはボールをうまくつなぐことができなかった。

ただ、スクラムは私たちの方が良かったことは満足している。しかし、今年はとてもタフなシーズンだった」と振り返った。

初の準決勝に進出したジャガーズは現地時間の6月28日(金)、準々決勝でシャークス(南アフリカ)に勝利したブランビーズ(オーストラリア)をホームのブエノスアイレス、『ホセ・アマルフィターニスタジアム』に迎える。

今シーズンは4月27日に同じ場所で対戦し、ジャガーズが20-15と接戦を制している。

ホームのジャガーズが今までの戦いの勢いのまま、初の決勝進出なるか。はたまた、過去2度優勝をしているオーストラリアの雄・ブランビーズがリーグ戦のリベンジを果たしファイナルに駒を進めるのだろうか。

文:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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