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2019年シーズンのスーパーラグビーも今週の第18節でレギュラーシーズンが終了となる。
現地、6月14日(金)(日本時間15日)、ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズは、南アフリカカンファレンス首位で、すでにプレーオフ進出を決めているジャガーズとアルゼンチンの「エスタディオ・ホセ・アマルフィターニ」で対戦した。
サンウルブズはここまで2勝13敗の勝ち点12で、オーストラリアカンファレンス、そして全体の最下位が決まっていたが、最終戦で勝利して昨季と同じ3勝目を挙げて、シーズンを締めくくりたいところだった。
FW(フォワード)ではFL(フランカー)ダン・プライアーが試合直前に先発入りしたほか、ゲームキャプテンを務める日本代表候補のPR(プロップ)三上正貴、前節のパフォーマンスの良かったFL松橋周平らが入った。
BK(バックス)には日本代表メンバーのCTB(センター)ラファエレ ティモシーが今季初先発。FB(フルバック)には10トライを挙げているセミシ・マシレワが入った。
そして、SO(スタンドオフ)ヘイデン・パーカーとWTB(ウィング)ゲラード・ファンデンヒーファーの2人は、今季は全試合出場となった。
控えには今週初めて召集され、ベンチからスーパーラグビーデビューの機会を伺う、PR三浦昌悟や、前節デビューしたFL長谷川崚太やPR浅原拓真、FL西川征克らが入った。
一方、ホームのジャガーズは前節までに10勝5敗、勝ち点46と南アフリカカンファレンス首位でプレーオフ進出を決めたこともあって、12人のメンバーを変更。
キャプテンのCTBヘロニモ・デラフエンテ、アルゼンチン代表キャプテンのHO(フッカー)アグスティン・クレービー、FLパブロ・マテーラ、FBエミリアーノ・ボフェリといった主力の大半が欠場。
ただ、CTBマティアス・オランドをはじめ、LOグィド・ペティ、CTBサンティアゴ ゴンザレス・イグレシアス、FBホアキン・トゥクレットといったアルゼンチン代表経験のある選手を揃えた。
試合は、サンウルブズが前半開始早々からボールをうまくキープし敵陣へと攻め込んで行ったが、ペナルティからボールを渡してしまい、得点することができなかった。
すると徐々にジャガーズペースになっていく。前半11分、ジャガーズはセンターライン付近からボールを継続し、LOトマス・レザーナが左サイドを切り込んで最後はWTBサンティアゴ・カレーラスがトライ。SOドミンゴ・ミオッティのコンバージョンも決まり、7-0と先制する。
サンウルブズもCTBラファエレやFBマシレワのランで果敢にアタックしていく。28分、ジャガーズはラインアウトをキープしたが、パスが乱れボールがこぼれたところをサンウルブズPRコナン・オドネルが拾ってパス。
右サイドのWTBファンデンヒーファーがキックし自らチェイスし、右隅にグラウンディングしてトライ。SOパーカーのゴールは外れたものの、サンウルブズは5-7とする。
33分、サンウルブズはカウンターアタックを仕掛けるものの、ジャガーズのWTBセバスティアン・カンセジエレにインターセプトされトライを許しゴールも決まって5-14とリードされる。
しかし、サンウルブズも37分には敵陣22mライン付近からのマイボールラインアウトをキープし、ラックからSH(スクラムハーフ)ジェイミー・ブース、SOパーカー、FL松橋とパスでボールをつなげ、最後はFL松橋のオフロードパスを受けたFBマシレワがトライ。10-14と反撃する。
このまま終わりたかったサンウルブズだが、前半終了間際の41分、WTBマシレワが自陣のゴール前でインテンショナルノックオンをしてしまい、シンビン(10分間の一時的退出)。さらにジャガーズにペナルティトライが認められ、10-21となってハーフタイムを迎えた。
後半、数的不利な状況でのスタートとなったサンウルブズに対し、ジャガーズはキックオフ直後の1分、HOフリアン・モントーヤがモールからスペースを見つけて走りきってトライ、26-10と点差を広げる。
さらにサンウルブズに不運が重なる。前半37分にHOネイサン・ベラから交替していたHOジャバ・ブレグバゼが負傷し、HO不在になったことにより、後半7分のスクラムからノーコンテストスクラムとなった。
ルール上、1人外れないといけないためLOトム・ロウが下がり、サンウルブズは13人での戦いを強いられる。11分にFBマシレワが戻っても、1人少ない状況で戦い続けることになった。
ここから一気呵成にジャガーズが攻め立てる。16分にCTBフアン クルス・マリア、21分にFBマティアス・モローニ、24分にFLハビエル オルテガ・デシオと立て続けにトライを決められ、45-10とサンウルブズを突き放す。
さらに34分にもWTBカンセシエレ2本目のトライを決め、52-10となりノーサイドを迎えた。サンウルブズは今季の最終戦も勝利で飾れず、2勝で2019年のスーパーラグビーシーズンを終えた。
サンウルブズのスコット・ハンセンHC(ヘッドコーチ)代行は「今日の試合では、残念ながらハーフタイムの時点でHOを2人失うことになってしまいました」。
「その結果、替えが利かない状態で戦わなければいけない状況になり、最終的に14人での戦いとなったことで、自分たちのスクラムやラインアウトの戦力が落ちてしまい、結果的に厳しい戦いになってしまいました。このことが、今日の試合に非常に大きな影響を与えることになったと思います」。
「しかし、選手たちはよく頑張ってくれましたし、非常に勇敢でした。彼らを誇りに思います」とフッカー不在になったことを残念そうに振り返りながらも選手たちを称えた。
ゲームキャプテンのFLダン・プライアーも「試合の入りはとても良かったです。我々の立てたゲームプラン、練習でやってきたことをそのままプレーで出せていました」。
「しかし、13人になってしまったところから、非常に厳しい試合展開となりました。努力しましたが、残念ですがこのような結果になってしまいました。ファンの皆さんには感謝の想いでいっぱいです。皆さんが応援をし続けてくれたおかげで、我々は毎週フィールドに立つことができました」。
来季はもっと熱い戦い、興奮を届けたいと思いますし、選手たちもファンの皆さんと来年も会えることを楽しみにしています。心からありがとうと伝えたいです」と、やはり結果を悔やみつつも支えてくれたファンに感謝を述べた。
ジャガーズのゴンサロ・ケサダHCは、「(首位通過を決めているということに関係なく)コーチとして、常に理想的な試合を目指しています。私は選手たちが高いレベルでプレーすることを意識するようにいつも言っています」。
「万事順調に運びました。それでも次に、セットプレーやディフェンスで多く改善すべき点があります。プレーオフの相手はまだわかりませんが、どのチームも厳しいライバルになるでしょう」と快勝にもプレーオフに向けて気を引き締めた。
ジャガーズは昨季に引き続きのプレーオフ進出となり、準決勝6月21日(金)(日本時間22日)にホームにチーフス(ニュージーランド)を迎える。
一方、サンウルブズは、2勝14敗となりオーストラリアカンファレンス&全体最下位で、レギュラーシーズンを終了。2021年以降の除外が決まっているサンウルブズは、来季こそプレーオフ進出なるだろうか。
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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