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9日の大東文化大学戦で今季初勝利を挙げた慶應義塾大学。次なる相手は春季大会を無敗で突き進む東海大学だ。
東海大は先月の試合で帝京大学から公式戦初勝利を挙げ、波に乗っている。
対する慶大も、主将・栗原由太(環4・桐蔭学園)の復帰戦で見事な勝利を収め、上昇機運が高まってきた。今回は、そんな両チームが激突する16日の試合のみどころを紹介していく。
まずは、両チームのここまでの戦いを振り返る。慶大は開幕から苦戦が続いた。初戦の流通経済大学戦では、ラインアウトやディフェンスの連携が乱れ黒星スタート。
続く、帝京大戦でそれらの課題は解消されたものの、帝京大の接点での強さに圧倒された。令和初の早慶戦でも、早稲田大学の強みであるBK(バックス)陣に計5トライを許し、勝利には至らなかった。
初勝利を目指した9日の大東文化大戦では、復帰した栗原主将を中心にチームがまとまった。
開始早々からマイボールをキープした慶大は前半1分、敵陣22mライン付近でのCTB(センター)栗原のグラバーキックに反応したWTB(ウィング)宮本恭右(総3・慶應)が、そのままインゴールに飛び込み、先制のトライを挙げる。
写真:課題だったラインアウトは克服された
9分にも敵陣深くでのラインアウトを成功させるとモールで攻め込み、最後はHO(フッカー)原田がグラウンディング。14分にも同様の形でトライを挙げて15-0とし、序盤から大東文化大を突き離す。
28分に自陣での相手ボールスクラムからトライを許すも、この日の黒黄軍団は揺るがなかった。
33分、センターライン付近からのSO(スタンドオフ)中楠一期(総1・國學院久我山)によるキックの処理に相手がもたつくと、それを見た中楠が自らボールを拾ってインゴールに駆け込んでトライ。
WTB高木一成(商4・慶應)のコンバージョンキックも成功し、慶大は前半を22-7で終えて試合を折り返す。
迎えた後半戦は有利な風向きであったものの、序盤から自陣でのプレーが続いた。20分、自陣22mライン付近での相手ボールスクラムで踏ん張り切れずにトライを献上。
前半とは異なり我慢の時間が続くも、慶大は気持ちを切らさなかった。30分、相手のオフサイドによって得たPK(ペナルティキック)で敵陣深くまで侵入すると、左サイドのラインアウトモールから途中出場のHO安田裕貴(政4・慶應)がグラウンディングに成功。
39分にも同じ形で再びHO安田が得点すると、選手たちからはガッツポーズも飛び出した。
42分には、ハーフウェイライン付近でのマイボールスクラムから敵陣に攻め入ると、最後はボールを受けたLO(ロック)相部がインゴールへ駆け込んだ。
SO中楠もコンバージョンキックをしっかりと決め、43-12でノーサイド。終始試合を支配した慶大が見事な初白星を挙げた。
写真:FW戦が勝負の鍵だ
そんな慶大の次なる対戦相手が、東海大だ。大東文化大との開幕戦を僅差で制した東海大は、続く早大戦、帝京大戦でも競り勝ち、ここまでAグループ唯一の無敗。強力なFW(フォワード)陣を前面に押し出したラグビーを特徴とする。
先月行われた帝京大戦では、東海大ラグビーの真骨頂が垣間見られた。前半だけでラインアウトモールから2本のトライを決めるなど、FW戦で帝京大を圧倒。
ビハインドで迎えた後半も、スクラムでじわりじわりと帝京大を追い詰め、チャンスではモールを多用し、力で押し切った。
流通経済大戦では、得意のラインアウトモールをうまく守られ苦戦した印象だったが、スクラムの強さは健在だ。
試合の鍵を握るのは、やはりスクラムやモールを中心としたFW戦だろう。東海大は、攻守にわたりFWがプレッシャーをかけてくると予想される。
逆にFWの動きを封じることができれば、試合を有利に進めることができるだろう。慶大は直前の試合で大東文化大のスクラムに苦しんだだけに、スクラムをどこまで修正できるかが試合の行方を左右することになりそうだ。
東海大戦では、原田衛(総2・桐蔭学園)と相部開哉(政3・慶應)の両FWに注目したい。
原田は帝京大戦でチームに合流して以降、全試合でスタメン出場を果たし、FWの要となっている。攻撃面では3試合で3トライを挙げるなど、トライへの嗅覚も抜群だ。
相部は大東文化大戦で高いパフォーマンスを披露。落ち着いたディフェンスでピンチの芽を摘んだほか、ラインアウトをはじめとするセットピースの安定に貢献した。彼らの活躍なくして、東海大撃破はなしえない。
FWに絶対の自信をもつ東海大に対し、慶大FW陣はどのように立ち向かっていくのだろうか。春季大会ラストゲームも、みどころ満載だ。
慶應義塾大学と東海大学の試合は、6月16日(土)午後0:55から、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。
文:野田快(慶應スポーツ)
慶應スポーツ新聞会
慶應義塾大学文化団体連盟所属の公認サークル。通称ケイスポ。全40ある体育会の取材から記事の執筆、年7回の新聞製作まで全て学生の手で行う塾内唯一のスポーツ新聞サークル。部員数約50名、35年の歴史を持つ。»慶應スポーツWebサイト
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