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ラグビー コラム 2019年6月14日

早稲田、ディフェンスで真価を見せられるか、試金石の帝京戦。ラグビー関東大学春季大会

ラグビーレポート by 早稲田スポーツ新聞会
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これまでの関東大学春季大会では、3勝1敗勝ち点20の成績を収めている早稲田大学。昨年の関東大学対抗戦、関東大学リーグ戦の上位各3チームまでが集まるAグループで、東海大学、帝京大学と並び、首位につけている。

先日行われた大分市営陸上競技場での招待試合、明治大学との一戦では、14-29と敗北した。

WTB(ウィング)加藤皓己(創理4=北海道・函館ラサール)の2トライなど、昨年までAチームでの出場機会にあまり恵まれなかった選手が躍動を見せ、BK(バックス)のポジション争いも波乱の様相。秋シーズンに向け楽しみな要素が増えてきている。

写真:2トライをマークした加藤

そんな早大の課題として挙げられるのは、スクラムとディフェンスだ。前者について、「今は色んな相手と組む中で、色んな経験をして課題を出して、それを修正していくというステップ」と相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)は捉えている。

目に見えた成果がなかったとしても、高いレベルでの戦い経験を積む。そのことが重要だ。後者は徐々に改善の兆しがあり、明大戦ではディフェンスに粘り強さが生まれ始めている。

相良監督も「(得点を)取られはしましたけど、粘れたのかな」と語るように好感触をつかんだようだ。

一方の帝京大。昨年度は大学選手権準決勝では天理大に敗れ、10連覇を逃した。その悔しさもあってか、今年は『超越』というスローガンのもと雪辱に燃えている。

6月8日に行われた立命館大学との一戦で、ケガからようやくの復帰を遂げたCTB(センター)本郷泰司主将(帝京大)をこれまで欠いていた中、変わらずの強さで得点を量産。

東海大にこそ、トライ1本差で敗戦したものの、現在早大、東海大と並び関東大学春季大会1位に君臨する。

帰ってきた主将の本郷に加え、SO(スタンドオフ)北村将大(帝京大)、WTB木村朋也(帝京大)ら強力な3年生BK(バックス)陣は非常に強力。帝京大アタックの核となっているだけに注意が必要だ。

また、LO(ロック)のポジションには久保克斗、アレクサンダー・ マクロビーら190センチ超えの選手をそろえており、ラインアウトでは脅威となるだろう。

主将も復帰し、王座奪還へ向け準備万端な状態を整えつつある帝京大。春シーズンの成果を試すにはこの上ない相手となるであろう。

写真:明大戦でAチーム初のスタメンSO吉村

けが人の多さに加え、代表合宿なども重なり、春シーズンではフルメンバーで挑んだ試合が未だにない早大。しかしながら、その得点力は衰え知らず。

春季大会においてはここまでの全試合で6トライ以上を毎回記録するなど、その破壊力は抜群だ。

初戦の東海大戦以降、SH(スクラムハーフ)齋藤直人主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)が欠場しているチーム状況にもかかわらず、攻撃力を保持し続けており、SH河村謙尚(社2=大阪・常翔学園)、SO(すランドオフ)吉村紘(スポ1=東福岡)らの下級生の奮闘も光る。

今回の帝京大戦では主力が複数名戻ってくることが予想されるが、現状の戦力で強豪・帝京大相手にスクラム、そしてディフェンスがどこまで通用するか。この試合は春シーズンの試金石となるであろう。

また、春季大会では勝ち点制を採用しており、点数が並んだ場合は「全試合の得失点差の多いチーム」が上位となるため、同時刻に行われる東海大対慶應義塾大学の試合結果によっては、優勝の可能性もある一戦となる。

それだけに持ち味のアタックでは1点でも多くの得点を、ディフェンスでは1点でも失点を抑えることが重要となってくる。

春シーズンの締めくくりとなる試合を勝利で飾り、秋への自信とつなげることができるか。注目の一戦が始まる。

早稲田大学と帝京大学の試合は、6月16日(日)午後0:55から、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。

文:涌井統矢/写真:石井尚紀、新藤綾佳(早稲田スポーツ)

早稲田スポーツ新聞会

早稲田スポーツ新聞会

1959(昭和34)年創刊。人気の野球、ラグビーを中心に早大体育会44部をくまなく取材し、年12回の新聞発行およびWebやSNSによる情報発信を行う。現在部員170名で活動。»早スポHP»Twitter»Facebook

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