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前半、大東大のWTB長谷川
大学ラグビーの春季大会Aグループ「慶應義塾大学×大東文化大学」が6月9日(日)、神奈川・慶大日吉グラウンドで行われた。ともに0勝3敗で勝てば大会初勝利。
序盤戦は慶大に軍配。創部120周年のキャプテン・CTB栗原由太が躍動した。
神奈川・桐蔭学園時代はNO8も経験した新主将は、開始1分、技アリのグラバーキックをインゴールに転がし、WTB宮本恭右(3年)の先制トライをアシスト。5-0
技で見せた直後、前半5分には大東大のLOシアレ・パウラ・タウモア(1年)をねじ上げ、反則も誘った。
「フィジカルの面で負けたくはありません。前に出て身体を張って止めることができ、チームが勢いづく一つのきっかけになったのかなと思います」(慶大CTB栗原キャプテン)
大東大は反則を重ねて自陣を脱出できず、さらに慶大は前半9、14分、敵陣でのラインアウトモールを足場にHO原田衛(2年)が連続トライ。15-0とリードを広げる。
大東大の転機は自慢のスクラムだった。
豪シドニーで生まれ育ったWTB長谷川昇のランで敵陣に入ると、前半31分、マイボールスクラムを押し、NO8佐々木剛キャプテンが難なくスコア。7点を返した。15-7
「フォワードはマイボールスクラムが安定していて、相手ボールでもプレッシャーをかけていたので良かったです」(大東大NO8佐々木キャプテン)
しかし慶大も反撃。
前半34分には、高校日本代表のルーキーSO中楠一期(國學院久我山)が、相手キックを巧みに捕球。キック&ドリブルを織り交ぜトライ。
タックルも強烈だった有望株のスコアで、慶大の15点リード(22-7)として後半へ向かった。
後半の開始20分は、大東大のスクラムがふたたび威力を発揮。
PR渋谷圭、HO小泉友一郎、PR藤井大喜(いずれも4年)をFW第1列に並べ、たびたびスクラム戦で圧倒。PK奪取を重ねた。
スクラムは大東大が勝利。写真は大東大NO8佐々木主将
慶大もFB小谷田尚紀(3年)のトライセービングタックルなどで対抗するが、前半21分だった。
大東大は敵陣ゴール前のスクラム戦で勝利を重ね、最後はPKを奪った状態でNO8佐々木キャプテンがグラウンディング。10点差(22-12)に詰め寄った。
ただ慶大は、ラインアウトモールの攻防で上回った。
前半に続き、相手反則から敵陣に入ると高確率でスコア。後半30、39分と途中出場の安田裕貴(4年)が連続でグラウンディング。雄叫びを上げた。36-12
慶應、後半最後のトライ
最後のトライも慶大。
後半ロスタイム、FW・BKが交互にリンクするアタックで、LO相部開哉(3年)がインゴールへ。異なるパターンでのトライで締めくくり、43-12で大会初勝利を挙げた。
大東大のスキッパーは冷静に敗因を振り返った。
「アタックもディフェンスも前に出ようと決めて臨みましたが、ディフェンスでは受けてしまう場面がありました」
「アタックは自分たちのミスで勢いに乗りきれず、そこを修正しきれなかった印象です」(大東大NO8佐々木キャプテン)
慶應、後半のFWのトライ
一方、大会初勝利の慶大キャプテンは及第点の様子だった。
「(今日の勝利は)大きいと思います。まず一勝しようということで、良いかたちで勝ち星が取ることができ、雰囲気もすごく良かったです。大きな一勝になるのではと感じました」
慶大の次戦は同日、神奈川・東海大学グラウンドで、3勝1分の東海大学と相まみえる。
大会初勝利を目指す大東大の次戦は、6月16日(日)、本拠地の埼玉・大東大グラウンド。1勝1分2敗の流通経済大学と激突する。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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