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ラグビー コラム 2019年6月10日

クルセイダーズが完勝、レギュラーシーズン全体の1位を決める。スーパーラグビー

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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スーパーラグビーのレギュラーシーズンも2節、プレーオフを賭けた熱戦が繰り広げられている。

第17節の今週は6月8日(土)に、ニュージーランドカンファレンスおよび全体で首位に立つクルセイダーズと、オーストラリアカンファレンス2位のレベルズが激突した。

3連覇を狙う王者クルセイダーズは、前節は同じニュージーランドのチーフスに27-40と敗れたものの、今季わずか2敗で勝ち点53と圧倒的な強さを見せており、すでにプレーオフ進出を決めている。

クルセイダーズは、ワールドカップ後にトップリーグのクボタでプレーするバイスキャプテンを務めるオールブラックスのCTB(センター)ライアン・クロッティがスーパーラグビー150キャップという節目の試合となった。

そのため、この試合のウェストスタンドは”ライアン・クロッティ・スタンド”となり、出身のクラブや学校のメンバーが招待された。

先発メンバーはチーフス戦から2名を変更。もう1人のバイスキャプテンで、FL(フランカー)マット・トッドがビリー・ハーモンに代わって復帰。

こちらもスーパーラグビー50キャップとなるSH(スクラムハーフ)ブリン・ホールがスターターを務め、エレアタラ・エナリが控えに回った。

他にもキャプテンのLO(ロック)サム・ホワイトロックを筆頭に、PR(プロップ)ジョー・ムーディ、LOスコット・バレット、NO8(ナンバーエイト)キアラン・リード、SO(スタンド)リッチー・モウンガ、CTBジャック・グッドヒュー。

現役のニュージーランド代表候補をずらりと並べる豪華な布陣で、ホーム最終戦に臨んだ。

一方、総勝ち点34のレベルズはオーストラリアカンファレンスでは1位のブランビーズ(総勝ち点39)に5点差をつけられているが、それでも8位以内でプレーオフ進出に十分なチャンスがあるだけに、敵地で勝ち点を奪いたいところだった。

前節ホームでワラターズに15-20で敗れてしまったレベルズは、7人の先発メンバーを変更。デイヴ・ヴェッセルHC(ヘッドコーチ)は、ワラビーズ経験のあるHO(フッカー)ジョーダン・ウエレセを今年初先発で起用。

SH(スクラムハーフ)ウィル・ゲニアはオーストラリア協会の代表候補の規定により休養を取り、代わりにマイケル・ルルと、SOマット・トゥムーアが初めてハーフ団を組む。

PRサム・タラカイ、FLアンガス・コットレル、WTBトム・イングリッシュ、CTBビルー・ミークスが先発し、SOクエイド・クーパー、WTBマリカ・コロインベテはベンチからのスタートとなった。

試合は序盤からホームのクルセイダーズが主導権を握る。9分、クルセイダーズはうまくボールを右に動かしながら、SOモウンガがボールを受け取るとクロスキックキックをWTBセヴ・リースがキャッチ。

そのまま走りきってトライ。モウンガのゴールも決まり、ホームのクルセイダーズが7-0と先制する。

さらに16分、クルセイダーズは左にワイドにボールを展開し、FB(フルバック)デイヴィッド・ハヴィリが相手ディフェンダー5人をなぎ倒しながら50mを快走しトライ。コンバージョンも決まり14-0とリードを広げる。

クルセイダーズの勢いは止まらず、30分、SOモウンガのキックをキャッチしたWTBブライドン・エノーがトライし追加点。エノーは前半終了間際にもトライを決めて、クルセイダーズが26-0の大量リードで前半を折り返した。

後半、早い時間に得点を返して流れを変えたいレベルズは、キックを使って攻撃を仕掛けていくが、この日、144のタックルを決めたクルセイダーズのディフェンスが固く、またセットプレーでも優位に立つことができない。

逆に9分、クルセイダーズはFBハヴィリが相手ディフェンスを引きつけて、SHホールを走らせてトライ。さらに12分、SOモウンガからのボールを受けたWTBリースが自身で蹴ったチップキックを追いかけてトライ。40-0とレベルズを大きく突き放す。

その後も全くクルセイダーズは手を緩めることはなく、17分にWTBエノー、21分にFBハヴィリ、35分にWTBリース、試合終了間際にはスクラムを起点に、この日150キャップを自身で祝うようにCTBクロッティがトライとし、さらに4トライ重ねた。

結局、エノー、リースと両WTBのハットトリックを含む10トライを挙げたホームのクルセイダーズが66-0とレベルズを完封し、3連覇に向けて盤石の強さを見せた試合となった。

クルセイダーズのキャプテン、LOホワイトロックは「素晴らしい。明らかに先週は少しプレッシャーがかかってしまった。しかし、(クロッティが)150キャップの節目でトライとゴールを決めて、全ての嫌なムードを吹き飛ばしてくれた」とホームでの快勝に喜んだ。

そのCTBクロッティも「とてもナーバスだったけど、今日は祖父が父と一緒に私のジャージーを着て会いに来てくれた気持ちが和んだ。ちょっとしたミスもあったが、こんな結末で満足している」と笑顔を見せた。

大敗を喫したレベルズのキャプテン、FBデイン・ハイレット ペッティは「クルセイダーズが素晴らしいチームだとはわかっていたが、もっと自分たちはできるはずなのに、自分たちがやりたいようにプレーできず残念」。

「特にディフェンスがひどかったので、彼らのようなアタッキングチームに多くのチャンスを与えてしまった。それでもまた来週チャンスが残っている」と悔しさをにじませつつも、プレーオフ進出がかかる最終節に気持ちを切り替えた。

クルセイダーズは勝ち点を58まで伸ばし、次節は「BYEウィーク」(休みの週)。これで今シーズンのレギュラーシーズンが終了し、2年連続の首位でプレーオフ進出し、ホームで戦える権利を手に入れた。

レベルズは勝ち点34で全体8位となり、勝ち点で、僅差で並んでいる南アフリカ勢をかわすには勝利が不可欠となる。

レギュラーシーズン最後の次節は6月14日(金)、ホームでこちらもプレーオフ進出に一縷の望みをつなぐニュージーランドのチーフスと対戦する。

文:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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