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スーパーラグビーもいよいよ終盤を迎えて、5月25日(土)の第15節、ヒトコミュニケーション・サンウルブズは、ホームの東京・秩父宮ラグビー場に、同じオーストラリアカンファレンスに所属するレベルズを迎えた。
サンウルブズはここまで2勝10敗、勝ち点12でオーストラリアカンファレンス5位となかなか調子が上がってこない。
先週は「BYEウィーク」(休みの週)、ここまで5連敗と黒星が続いているが、1万3636人のファンのためにも、今シーズンのホーム初勝利で連敗脱出をしたいところだった。
この試合から再び、トニー・ブラウンHC(ヘッドコーチ)にかわりスコット・ハンセンHC代行が指揮を執ることになった。
昨年まででレベルズでプレーしていたNO8(ナンバーエイト)アマナキ・レレィ・マフィが初めて先発出場し、トライゲッターのWTB(ウィング)セミシ・マシレワも出場停止が明けて先発、全試合出場中のゲラード・ファンデンヒーファーと両翼を担う。
ハーフ団はSH(スクラムハーフ)茂野海人、SO(スタンドオフ)ヘイデン・パーカーがコンビを組み、今週チームに合流したSO山沢拓也がリザーブに入った。
また第1列は両PR(プロップ)に三上正貴と山下裕史が入り、LO(ロック)にはベテランのトンプソン ルーク、FL(フランカー)にはゲームキャプテンのダン・プライアーとラーボニ・ウォーレンボスアヤコが先発し、追加招集の徳永祥尭が控えに入った。
6勝6敗、勝ち点28でカンファレンス2位につけるレベルズは、プレーオフ進出の可能性を高めるためにも、絶対に落とせない一戦だった。
豊田自動織機でプレー経験もあるある、キャプテンのオーストラリア代表31キャップのFB(フルバック)デイン・ハイレット ペッティを筆頭に、SHウィル・ゲニア、SOクェイド・クーパー、CTB(センター)リース・ホッジ、WTBマリカ・コロインベテ。
FW(フォワード)には、LOマット・フィリップ、アダム・コールマンとワラビーズ経験者をずらりと揃えて、ほぼベストメンバーに近い布陣で臨んだ。
両者は4月6日(土)の第8節、レベルズのホームで対戦し、42-15とレベルズが快勝している。
真夏を思わせるような30度を越す暑さの中、キックオフした試合は序盤からレベルズに主導権を握られてしまう。敵陣でプレーできないサンウルブズは、自陣で防戦一方の展開に。
なんとか耐えていたが、前半13分にレベルズのFLアンガス・コットレルに先制トライを許し、続けて16分にもモールを基点に、CTBホッジの突破から最後はWTBコロインベテがトライ。0-12とリードされる。
だが、前半も中盤にさしかかった22分、サンウルブズは敵陣でレベルズのLOフィリップが、シンビンで10分間の退場となり数的優位に立つ。
しかし、モールを軸に攻めたものの、自分たちのミスで相手のゴールラインを割ることができなかった。
逆にレベルズは28分、SOクーパーが左外のWTBコロインベテにロングパスを通しそのままトライ。0-19というスコアで前半を折り返した。
後半、早い時間に点差を詰めて僅差の勝負に持っていきたいサンウルブズは、NO8マフィが持ち前の突破力を見せてビッグゲインを図る。
しかし、パスミスが目立ち、なかなかつながらず、レベルズペースの展開をなかなか覆すことができなかった。
後半13分、キックからボールを追走したWTBジャック・マドックスにトライを許すと、その直後の15分にもSOクーパー、WTBコロインベテ、キャプテンFBハイレット ペッティにつながれトライを許し、0-31と大量リードされてしまう。
なんとか一矢報いたいサンウルブズは、23分にFBジェイソン・エメリーが相手キックをチャージして、そのままボールを拾い上げて中央付近にトライ。SOパーカーのゴールも決まり7点を返したが、それ以上得点をすることができなかった。
レベルズは最後まで攻め手を緩めず、33分途中出場のSHマイケル・ルルに、38分にはWTBマドックスに、さらに試合終了間際にHO(フッカー)ジョーダン・ウエレセにトライを許してしまい、結局7-52という大差でノーサイドを迎えた。
第15節 ヒトコム サンウルブズ vs. レベルズ スーパーラグビー2019 ハイライト
快勝したレベルズのFBハイレット ペッティ主将は「このシーズンも残り少ないため、私たちにとって必ず勝たなければいけない試合だった。我々は良いアタッキングチームであることをわかっているが、今日はディフェンスを本当に誇り思う」。
そして、「ずっとそれを改善する必要があることをと思っていたので、今日は嬉しい」とプレーオフへ向け、ディフェンス面が修正できたことに満足した様子だった。
6連敗となってしまったサンウルブズのハンセンHC代行は「セットピースがすごく大事なので、コンビネーションと自分たちのシステム信じてお互いサポートしていきたい」とコメント。
また、「来週も、東京で試合があるのでいい結果にしてサポーターが喜んでくれる試合にしたい」と気持ちを切り替えようとしていた。
ゲームキャプテンのFLプライアーも「暑さはわかっていたので影響していない。今週は(攻守に)早くセットして前に出ることやってきたが、結局試合ではできなくて、さらにプレッシャーがない中でミスも起きてしまった」。
さらに「来週に向けてセットを早くすることをやっていきたい」と課題を口にした。
勝点を5加えて総勝点を33として、カンファレンス首位のブランビーズを1差で追うレベルズは、5月31日(金)にホームでワラターズを迎える。
一方、長いトンネルから脱出できないサンウルブズは、次節6月1日(土)は今年のホーム最終戦で、オーストラリアカンファレンス首位を走るブランビーズと対戦する。
強敵相手に今度こそ、ホーム初勝利を挙げて、応援するファンにプレゼントしたい。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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