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U20日本代表から合流した選手が躍動
前週に行われた初戦の流通経済大学戦では、セットプレーの安定感を欠き敗戦を喫した慶應義塾大学は5月19日(日)、初勝利を目指し、帝京大学と対戦した。
慶大は前回の流経大戦と同様に主将の栗原由太(環4・桐蔭学園)が不在ながらも、U20日本代表のメンバーであるPR(プロップ)原田衛(総2・桐蔭学園)、LO(ロック)篠原孝太(政2・慶應)、FL(フランカー)山本凱(経2・慶應)がスターターに加わり、フルメンバーに近い布陣で試合に臨んだ。
序盤からWTB(ウィング)高木一成(商4・慶應)、LO山本凱の2人が立て続けにトライを決める好調な立ち上がりで試合を支配し、課題であったセットプレーも改善が見えたものの、試合が折り返す頃には逆転を許すなど、力及ばず20-42で敗れた。
試合開始早々の前半4分、FB(フルバック)高木(商4・慶應)がトライを決め慶大が先制点を獲得。
この良い流れに乗り、流経大戦で課題となっていたラインアウトを成功させると、前半6分、FL山本凱が相手ディフェンスの隙を突き、ゴールラインへ一気に駆け抜けてグラウンディング。
厳しい試合展開が予想された中、10-0とリードし、上々の立ち上がりを見せた。
しかし、その後は主導権を帝京大に奪われ、守りの時間が続いた。22分、ついにディフェンスを突破されビックゲインを許し、そのまま失点。31分にはゴールライン際での攻防でトライを献上、10-14となり逆転されてしまう。
前半終了間際、またも自陣ゴール前まで攻め込まれピンチを迎えるも、なんとか耐えきりハーフタイムへ。さらなる追加点は許さなかった。
迎えた後半。どうにか追いつきたい慶大だったが、自陣での帝京大ボールのラインアウトからゴールに迫られると、後半2分、止めきれずに失トライ。
このままやられてばかりではいられない慶大もすぐさま反撃。相手のゴール際まで攻め込み、最後は1年生のFL今野勇久(総1・桐蔭学園)が大学初トライを決めた。
ここから、慶大自陣でのプレーが続き帝京大ペースで試合が進むものの、両者大きなチャンスをつかめないまま試合が膠着する。この状態を打破させたのは、やはり優位な立場にあった帝京大だった。
23分にインゴール中央にトライ、立て続けに27分にもトライを奪われる。32分に慶大は敵陣でのスクラムからゴール前へ迫るもボールを奪われ、カウンターをしのぎきれずに失点。15-42と突き放されてしまう。
試合終了間際、敵陣でのラインアウトを獲得した慶大がこれを成功させ、インゴール前での攻防の末、PR原田がゴールに押し込んだところでノーサイド。20-42で春季大会2連敗となった。
結果としては強敵・帝京大に勝負所での強さを見せられ、春季大会で連敗。
課題を克服し前半は互角の戦いを繰り広げた
しかし、序盤に勢いよく先制したことに加え、前回の流経大戦で課題となったセットプレー、特にラインアウトを1週間で見事に修正できたことなど、強敵相手に得たものは大きい。
FB高木は「帝京大に対して前半いい試合ができたことで自信がついた」と語り、負け試合ながらも慶大にとって確かな手応えを感じる試合となった。
次戦の相手は早稲田大学。早大といえば昨秋の対抗戦で敗れた相手であり、さらに再び対戦した大学選手権、ラストワンプレーで逆転トライを許したあの悲劇的な試合も記憶に新しいだろう。
早大はその試合のスターティングメンバー15人のうち、13人が今年も在学中と、ほぼ変わらない戦力を保っている。
主将のSH(スクラムハース)齋藤直人(スポ4・桐蔭学園)とSO(スタンドオフ)岸岡智樹(教4・東海大仰星)の大学ラグビー界屈指のハーフ団から繰り出される多彩な攻撃が慶大の前に立ちはだかる。
その早大は前週の流通経済大戦では、河村謙尚(社2・常翔学園)が9番を着けていた。それでも、慶大が初戦で敗れた流通経済大を下し、層の厚さを見せつける形となった。
さらに、U20日本代表からチームに合流した4人のうちNO8(ナンバーエイト)丸尾崇真(文構3・早実)、CTB(センター)長田智希(スポ2・東海大仰星)、FB河瀬諒介(スポ2・東海大仰星)の3人が流通経済大戦で早速スタメンに名を連ね、存在感を発揮。
個の力を武器にしたスター軍団に「Unity」(結束)を掲げる慶大がどう立ち向かうかに注目だ。
今回の帝京大戦で得た自信は、今大会初の勝利、また因縁の相手へのリベンジを果たすための助けになるはずだ。黒黄軍団のこれからに期待したい。
慶應義塾大学と早稲田大学、令和初の「慶早戦」は、5月26日(日)午後0:20から、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。
文/写真:竹内大志(慶應スポーツ)
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