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ラグビー コラム 2019年5月17日

黒星発信の早稲田、レベルアップを目指す流通経済戦。ラグビー関東大学春季大会

ラグビーレポート by 早稲田スポーツ新聞会
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関東大学春季大会の季節が訪れている。昨季の関東大学対抗戦同率1位、全国大学選手権においての2位扱いの結果から、強豪が並ぶAグループでの戦いに挑んでいる早稲田大学。

チームスローガンを『For One』と設定し、新体制15人制初の公式戦となる大会に挑んだ。しかし、残念ながら昨年に続いて初戦を落とし、晴れやかな幕開けとはならず白星は次戦に持ち越された。

初戦となった東海大学戦では積極的な攻撃を見せ、一進一退の展開で試合は進んでいった。序盤、WTB(ウィング)加藤皓己(創理4=北海道・函館ラサール)が好機の場面でトライを奪い先制。しかし、すぐさま東海大に反撃を受ける。

スクラムを起点に攻め込まれると、キックパスでスペースに運ばれ、失点。その後は点の取り合いにとなる。そんな中、後半21分には36-28とリードし、最大8点差をつける。

しかし、最後は猛攻を受け、ディフェンスで粘り切ることができずに36-40と敗北を喫した。

「重点的に取り組んでいるところもある」(相良南海夫監督、平4政経卒=東京・早大学院)というマイボールラインアウトを全て確保するなど、鍛錬の成果が見られた。

その一方で、スクラムでは強力なFW(フォワード)を擁する東海大に対し常に防戦に回る形に。自チームボールでの場面では2度押し切られたり、ペナルティを犯したりするなど、東海大に押された。

スクラムでは常にプレッシャーを受けた

早大の次戦は流通経済大学と対戦する。流通経大は5月12日の慶應義塾大学との試合では、FWに昨年のスターティングメンバーや、リザーブに入っていた実力者が名を連ねていた。

その中で異質だったのがNO8(ナンバーエイト)のアピサロメ・ボギドラウ。今年入学したルーキーでありながらエースポジションを任せられた。その実力が全く図れないだけに警戒が必要だろう。

もちろん、U20日本代表だった津嘉山廉人、粥塚諒といった力のある選手も忘れてはならない。

このように今年の流通経大は有力選手を多数擁しており、加えて外国人選手が複数スターティングメンバーに名を連ねる可能性が高い。

早大の選手も「外国人選手がパワフルで、結構自由なラグビーをしてくるイメージがある」(FL/フランカー幸重天副将、文構4=大分舞鶴)と言う。

流通経大は前週、慶大相手に終始主導権を握り、38-12と点差をつけて完勝している。それだけに、早大の脅威となるだろう。

では、早大の陣容はどうか。東海大戦では途中交代となったSH(スクラムハーフ)齋藤直人主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)。

早大には東海大戦に途中出場したSH河村謙尚(社2=大阪・常翔学園)、1年生ではあるが、高校日本代表の経験を持つSH小西泰聖(スポ1=神奈川・桐蔭学園)と力あるSHがそろっている。

しかし、強敵との対戦ならばやはり大学トップクラスの実力を備える齋藤主将の活躍は不可欠だろう。

また、東海大戦では途中出場となったCTB(センター)桑山淳生(スポ4=鹿児島実)や、昨年CTBのポジションから転向したばかりのLO(ロック)大崎哲徳(文構2=東京・国学院久我山)も非常に良い動きを見せており、楽しみにしたい。

そんな中で、チームとして変化を期待したいのがペナルティ後のプレー。東海大戦では反則後に集中を欠いたか、スペースをあけてしまったところを失点してしまった。

この部分は勝利に向けてなくしていきたいところであり、そのためには相良監督も課題として挙げているディフェンスの見極めが重要になってくるだろう。

加えて改善を期待したいのはやはりスクラムだ。FWの層が厚い東海大相手では押し切られてしまう場面が非常に多かった。流通経大も同じくパワーのあるチームであるため次戦、早大がどう対応してくるか注目したい。

途中交代ながら存在感を示した河村謙

新体制が始動して日も浅く課題が山積みの様相を見せたが、春シーズンはまだまだ幕を開けたばかり。

今後の試合も非常に手強い相手との対戦が続くが、「課題として出た部分を修正し、1試合1試合レベルアップしていきたい」という相良監督の言葉の通り、一歩一歩、成長が楽しみだ。

早稲田大学vs.流通経済大学の試合は、5月19日(日)午後1:55から、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。

文:青柳香穂/写真:涌井統矢(早稲田スポーツ)

早稲田スポーツ新聞会

早稲田スポーツ新聞会

1959(昭和34)年創刊。人気の野球、ラグビーを中心に早大体育会44部をくまなく取材し、年12回の新聞発行およびWebやSNSによる情報発信を行う。現在部員170名で活動。»早スポHP»Twitter»Facebook

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