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ラグビー コラム 2019年5月4日

サンウルブズ、最後は12人対14人となる大荒れの試合で惜敗。スーパーラグビー

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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スーパーラグビーは第12節を迎え、前節、ホームで大敗したヒトコミュニケーション・サンウルブズはオーストラリアに遠征し、5月3日(金)は同じオーストラリアカンファレンスのレッズと対戦した。

サンウルブズは先週、先々週はホーム・東京の秩父宮ラグビー場でハリケーンズ、ハイランダーズに連敗し、2勝9敗で総勝ち点11。

オーストラリアカンファレンス、全体ともに最下位と厳しい状況が続いている。アウェイで勝利し、少しでも勝ち点を上積みしたいところだ。

対するホームのレッズもシーズン序盤は連敗が続いていたが、先々週は南アフリカのシャークス相手にアウェイで21-14と勝利し、5勝5敗、総勝ち点18とカンファレンス4位につけていた。

両者は今年、3月16日の第5節に東京・秩父宮ラグビー場で対戦し、その時はレッズが34-31と接戦を制している。

今回は勝利したいサンウルブズは、PR(プロップ)に三上正貴山下裕史、そしてHO(フッカー)に前節から合流した堀江翔太と、ベテラン日本人選手でフロントローを固めた。

ラーボニ・ウォーレンボスアヤコがインサイドCTB(センター)から本来のポジションのNO8(ナンバーエイト)に戻り、FL(フランカー)にはかつてレッズでも活躍したツイ ヘンドリックが先発した。

SH(スクラムハーフ)は茂野海人、SO(スタンドオフ)がヘイデン・パーカーとハーフ団を組み、WTB(ウィング)は今年全ての試合に出場しているゲラード・ファンデンヒーファーと7トライでチームトライ王のセミシ・マシレワ

CTBはケガから復帰したフィル・バーリージェイソン・エメリーとコンビを組み、FB(フルバック)には今年安定したプレーを見せ続けている山中亮平が先発。

ゲームキャプテンは前節に引き続きLO(ロック)のトンプソン ルークが務めることになった。また、控えにはSO/CTB田村優らが入った。

対するレッズは、キャプテンを務めるCTBサム・ケレヴィを筆頭に、PRタニエラ・トゥポウ、LOアイザック・ロッダ、WTBセファナイア・ナイヴァルら「ワラビーズ」こと、オーストラリア代表が多く名を連ねた。

他にもトップリーグを経験しているHOアレックス・マフィ(NTTコミュニケーションズ)、NO8スコット・ヒギンボッサム(NEC)、SOブライス・ヘガティー(元豊田自動織機/リコー)、CTBクリス・フェアウアイ サウティア(元近鉄)といったトップリーグ経験のある選手が多くメンバー入りした。

試合は前半から主導権を握って勢いに乗りたいサンウルブズが、4分、10分とSOパーカーの連続PG(ペナルティゴール)で6-0とリードする。

しかし、13分にレッズSOヘガティーにPGを返され、さらに直後の14分にはレッズNO8ヒギンボサムがインターセプトし自陣から独走、最後はSOヘガティーがトライ。ゴールは外れたが、6-8とレッズに逆転を許してしまう。

だが、20分、サンウルブズは敵陣でスクラムを起点にSH茂野からパスを受けたSOパーカーのグラバーキック、そのボールをインゴールでWTBファンデンヒーファーが押さえてトライ。

右隅からの難しい角度のゴールを名手SOパーカーがしっかり決めてサンウルブズが、13-8と逆転

しかし、24分にPR三上、36分にWTBマシレワがそれぞれ接点でのペナルティでイエローカードシンビン(10分間の一時的退出)となり、サンウルブズは数的不利な状況に陥ってしまう。

それでもゴール前の粘りのディフェンスを見せて、相手に得点を許すことなく、13-8と5点のリードをキープしたまま前半を折り返した。

後半もまだ1人少ない状態でスタートしたサンウルブズは、3分にレッズPRタニエラ・トゥポウにトライを決められ、13-15と再び逆転される。それでもサンウルブズは7分にSOパーカーのPGで16-15と再逆転。

だが、その直後の10分、シンビンから戻ったばかりのWTBマシレワが、今度はハイタックルでイエローカードをもらい、累積2枚でレッドカードとなり退場。サンウルブズは残り約30分間を14人で戦うことを余儀なくされてしまった。

徐々に相手に押し込まれてしまい、11分にWTBナイヴァルのトライを許し、さらに19分にはSOヘガティにPGを与えてしまい、16-25と点差は9点と広がってしまった。

なんとか追いつきたいサンウルブズは、21分にSOパーカーのPGで再び19-25と1トライ1ゴールで逆転可能なスコアとする。

さらに27分、自陣からのキックをしっかりとチームでプレッシャーをかけたことが功を奏して、WTBファンデンヒーファーが相手のパスをインターセプト。

そのまま敵陣まで走って中央にトライ。ゴールも決まり、サンウルブズが26-25と試合をまたひっくり返した。

このまま逃げ切りたいサンウルブズだったが、30分には途中出場したばかりのCTB田村優がラインオフサイドでシンビンとなり、13人とさらに2人少ない状況になる。

すると32分、ラインアウトからモールを押し込まれて、途中出場のHOブレンダン・パエンガ アモサにトライを決められ、レッズに26-32とまたも逆転されてしまった。

試合終了間際の36分、今度はサンウルブズNO8ウォーレンボスアヤコがイエローカード、レッズのLOハリー・ホッキングスが一発レッドカードとなり、相手は14人、サンウルブズは12人になってしまう。

それでもあきらめず、攻め続けたサンウルブズだったが、結局、得点することができず、そのまま26-32で敗れた。

勝利したレッズは5勝5敗とし総勝ち点を22に伸ばした。一方のサンウルブズは7点差以内の敗戦でボーナスポイント1を得て総勝ち点12としたが、4連敗となってしまい、2勝9敗となった。

結局、レッズに僅差で連敗してしまったサンウルブズのトニー・ブラウンHC(ヘッドコーチ)は、「いくつものイエローカードとレッドカードをもらう事となり、非常に悔いの残る試合になりました」。

「12人でラグビーの試合に勝つ事は困難です。コーチとしては、最後の80 分まで勝つ可能性を残し、ゲームを戦ってくれた選手達を称えたい」。

「私はサンウルブズというチームを誇りに思っています」と数的不利な状況が続き、力を発揮できなかった悔しさをにじませつつも、最後まで相手を追い詰めた選手たちを称えた。

ゲームキャプテンを務めたLOトンプソンは「とても無様な試合になってしまいました。勝てたはずの試合を壊してしまった形になってしまって残念です」。

「それでも最後まであきらめない気持ちを持って、今までやってきたことを出したので、人数が少なくても再び勝つ状況を作ることがでたが、結果が出せませんでした。次の試合に向けて切り替えていくしかない」と失望を隠せない様子だったが、それでも必死で前を向いた。

レッズのブラッド・ソーンHCは、「勝ったという結果は喜びたいが、14対12の人数で終わる試合なんてそうそうないだろう」。

「審判は責務を果たしただけなのだと理解しているが、バトルができなかったことは残念だ」と退場者が多く出てしまい、試合が壊れてしまったことを嘆いた。

レッズのキャプテンCTBケレヴィは、「序盤は心構えがうまくいかなかったが、我々として落ち着いてアタックを遂行することを心がけました。サンウルズはいいシーズンを過ごしていたので警戒していた」。

「相手が14人になったのはラッキーだったが、SOにはパーカーなど注意しないといけない選手がいて強かったので、我慢強く最後までやることを心がけました」とホームで勝利できて安堵の表情を浮かべた。

レッズは5月10日(金)の第13節はアウェイで、今年好調の同じカンファレンスのレベルズと対戦する。

サンウルブズは、そのままオーストラリアに留まり、5月12日(日)にアウェイでブランビーズと対戦する。14節は「BYE」(休みの週)だけに、サンウルブズはしっかりと3勝目を挙げたいところだ。

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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