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ラグビー コラム 2019年4月26日

帝京大学、『挑越』する今季。初戦の流経大戦に臨む。ラグビー関東大学春季大会

ラグビーレポート by 帝京スポーツ新聞部
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10年ぶりに笑って終わることができなかった。昨年の悔しさはもう味わいたくない。日本一の座に返り咲くぞ。

昨シーズンの最終戦、大学選手権での天理大学戦は、21-7で敗戦。前半6分にSO北村将大(3年=御所実)が負傷退場したことや、天理大学の屈強な外国人留学生に何度もタテへの突破を許したことなど、これまでにない攻め込まれた試合を経験した。

また、昨シーズンは初戦から躓いていた。2018年4月29日に行われた春季大会での明治大戦では14-17で惜敗した。前半7分に大外まで展開され先制を許し、前半を7-10で折り返す。

意地を見せたかった後半、最初のトライは帝京だった。奥村翔(3年=伏見工)が好ゲインを見せると、最後はニコラス・マクカラン(3年=ハミルトンボーイズ)へ繋がりトライ。

しかし、試合終了間際の後半40分、ゴール前でFW(フォワード)の連続攻撃から押し込まれトライを許し、ノーサイドを迎えた。

昨年度の悔しい想いを経験した選手たち。その選手たちから今シーズン、新主将に抜てきされたのは、本郷泰司(4年=京都成章)だ。

新主将の本郷

本郷は新チームが始動してからのチームの状態を「昨年、天理大学に敗れ、10連覇を逃したことが悔しかった。例年は2・3月の試合のない時期の練習の雰囲気は良くなかったが、今年は悔しさからいい雰囲気で練習ができている」と語り、チームの雰囲気も例年よりも良いと自信を持っている。

また、4年生にとっては今年が優勝するラストチャンスだ。これまで1・2年時は優勝(8・9連覇)したが、3年時はベスト4に終わった。勝った喜びと負けた悔しさ。両方を兼ね備えている選手たち。そして本郷ら4年生が定めた今季のスローガンは

「挑越」

「挑」は「昨年まではチャンピオンチームとして王座を守る立場にいたが、今年はチャレンジャーとして、挑む年でもある」。「越」は「昨日の自分を越える。明日の自分を越えていく。そして向かってくる相手を越えていく」 だ。

また、今季のラグビー部は競争が激しいことが予想される。昨年度の最終戦(天理大戦)では、スタメン15人のうち、10人が当時の4年生。

試合にスタメン出場したのは、本郷や木村などBK(バックス)5人のみ。FWは昨年の4年生が全てのポジションの座についていた。つまり、必然的に競争が激化していくわけである。

新1年生には、高校JAPANの主将を務めたCTB(センター)李承信(1年=大阪朝鮮)や、大阪桐蔭高校で花園の頂点に立ったSO(スタンドオフ)高本幹也(1年=大阪桐蔭)らも加入。FWにも、東福岡高校で主将を務めたHO(フッカー)福井翔(1年=東福岡)が加入する。

このような新戦力が新チームにどのような科学反応を起こすかが見ものだ。 また、チームの主務を務める金子新(4年=成蹊)は試合を1週間後に控えた中でも、「まだ誰が試合に出るか全くわからない」と試合が始まるまで競争は終わらないことが分かる。

昨年の大学選手権での流経大戦

初戦を戦う流通経済大学とは昨春は82-17と圧倒。クリスマスの大学選手権では45-0と完封勝利。留学生が多く出場することが予想されている流経大。昨冬のような留学生を相手にした時にどのような戦い方をするかに注目だ。

そして、その流経大戦での注目は1年生の高本。花園では最後にドンピシャのタックルを決め、優勝を果たした選手だ。高2まではディフェンスがあまり得意ではなく、高3での1対1の個人練習で磨いたタックルがぴたりとハマった。

また、その後の高校日本代表にも選出され、ウエールズに2点差で敗れたものの、「学べることが多かった」と回顧した。

王座奪還を目指すラグビー部。クロスゲームでも勝ち切る強さと、昨年の悔しさをもったチームが「挑越」した先に見えているものは何か。探し求める1年が幕を開ける。

帝京大学の初戦、流通経済大学戦は、4月28日(日)午後0:55から、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。

文/写真:太田和樹(帝京スポーツ新聞部)

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帝京スポーツ新聞部

1996年創刊。帝京大学体育局所属の公認クラブにして唯一の学生新聞。ラグビー部をはじめ、柔道部、空手部、野球部など帝京大体育局の情報を年4回の発行で熱く伝える。現在部員13名で活動。 Twitter @teikyo_sports

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