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スーパーラグビー開幕から8戦連続で試合を行い、前節は初めての「BYE WEEK」(休みの週)となったヒトコミュニケーションズ・サンウルブズ。
4月19日(金)の第10節は、スーパーラグビー参入4年目で初となる秩父宮ラグビー場でのナイトゲームに、2016年に初優勝、4年連続ベスト4のニュージーランドの強豪ハリケーンズを迎えた。
2勝6敗と勝ち点10でオーストラリアカンファレンス5位のサンウルブズ。2021年からスーパーラグビーから除外されることが決まった後、初めての行なわれる秩父宮での試合で、今シーズンホーム初勝利を目指した。
一方、開幕から調子のいいハリケーンズは、現在5勝1分け2敗の勝ち点23で、ニュージーランドカンファレンス2位に付けている。
サンウルブズのゲームキャプテンは引き続きFL(フランカー)ダン・プライアーが務め、バックローが本職のラーボニ・ウォーレンボスアヤコがCTB(センター)に入った。
NO8(ナンバーエイト)にはツイ ヘンドリックが入り、他にPR(プロップ)山下裕史、LO(ロック)トンプソン ルーク、FB(フルバック)山中亮平らが先発、、HO(フッカー)坂手淳史、FL/NO8松橋周平、SH(スクラム)田中史朗ら日本代表候補選手がベンチに控えた。
日本代表のディフェンスコーチも務めるジョン・プラムツリーHC(ヘッドコーチ)が指揮するハリケーンズは、主力のSO(スタンドオフ)ボーデン・バレット、FL/NO8アーディー・サヴェアらオールブラックスの一部の選手は来日しなかった。
だが、副将でこの試合のゲームキャプテンを務めたSHのTJ・ペレナラ、CTBンガニ・ラウマペのオールブラックス、昨年トライ王のWTB(ウィング)ベン・ラムらが先発した。
試合は今シーズン最多、16,805人の観客の声援を背にしたサンウルブズが前半からペースを握る。
前半6分、中央付近でのマイボールラインアウトから展開したサンウルブズは、SOヘイデン・パーカーのパスからCTBウォーレンボスアヤコが抜けだし、相手を交わして敵陣22m内へ。
左サイドにいた絶好調のWTBセミシ・マシレワにパス、マシレワがそのまま先制トライ。名手SOパーカーのゴールも成功し、サンウルブズが7-0と先制する。
サンウルブズは前半13分にもSOパーカーがPG(ペナルティゴール)を決めて10-0とリードを広げる。
ただ、15分、ハリケーンズのSHペレナラにディフェンスの一瞬の隙を突かれ中央にトライを許し10-7と追い上げられる。しかし、サンウルブズは22分、27分とSOパーカーの連続PGで、16-7と再びリードを広げる。
さらに前半28分、サンウルブズは敵陣で相手ボールを奪うと、SOパーカーの左オープンサイドへのキックパスをキャッチしたWTBマシレワが、そのまま走りきってダイビングトライ。
今日2トライ目を決めて、サンウルブズが23-7とハリケーンズを引き離す。前半終了間際の42分に相手のSOフレッチャー・スミスのPGで3点を許すが、サンウルブズは23-10とリードして試合を折り返した。
ホームのファンに勝利で応えたいサンウルブズだったが、「いつもやっていることをやろうとした」(SHペレナラ)が言うとおり、プレーの精度の上がったハリケーンズにペースを握られる。
後半9分、ハリケーンズWTBラムのトライで23-15とされると、18分、サンウルブズはキックをチャージされ、FBチェイス・ティアティアにトライを許し23-22と1点差に迫られる。
自分たちのリズムを取り戻そうと積極的にメンバー交替したサンウルブズだったが、28分、敵陣でラインアウトの連携が乱れて、そこからハリケーンズが一気に攻め込み、最後はWTBウェス・フーセンがトライ。23-29と遂に逆転を許してしまった。
残り10分、なんとか勝ちたいサンウルブズだったが、ラインアウトが乱れたり、スクラムで相手にターンオーバーを許すなど、結局、トライを取り切ることができず、そのまま23-29で逆転負けを喫した。それでも7点差以内の敗戦で勝ち点1を獲得し、2勝7敗、総勝ち点を11に伸ばした。
今シーズンは、アウェイで初勝利を挙げた後、ホームでは惜しい試合が続いていたサンウルブズのブラウンHCは、「勝てなくて残念だ。 勝つチャンスはあったが、プレッシャーに耐えられずチャンスを生かせなかった」。
「どのチームにも勝てるパフォーマンスをしているので勝てたはずだ。課題は自分たちのプレッシャーに負けないで勝ち切るところだということ」と唇をかんだ。
ゲームキャプテンのFLダン・プライアーは、「たくさんの観客の前でプレーできることは、両チームにとって力になる。ラインアウトで大事な部分でスイッチがオフになり、ハリケーンズに簡単に取られてしまった」。
「やはり安定感がないと勝ったり負けたりになってしまう」とファンの声援に感謝しつつも課題を口にした。
また、バックローながらインサイドCTBとして出場したサンウルブズのウォーレンボスアヤコは課題に関しては「特にディフェンス、ボールに絡んでいくところ」とコメント。
「あまりポジションは気にしていない。NO8は大好きですし、CTBのプレーも楽しんでいた。どのポジションでもサンウルブズの代表として出られるのが楽しい」と前を向いた。
勝利したハリケーンズのプラムツリーHCは、「今回はサンウルブズ称えないといけない。非常にいい試合で、サンウルブズは我々に大きなプレッシャーを与えてきた」。
「前半、サンウルブズは我々の多かったミスを突いてきた。後半は徐々に我々が自身のパフォーマンスを取り戻すことができ、勝利という結果になった。何れにせよタフな試合で、サンウルブズがよかったことは間違いない」と勝利に安堵しつつ相手を称えた。
ゲームキャプテンのTJ・ペレナラは、「試合中はゲームに集中していたが、試合後やホイッスルで試合が止まった時に観客の雰囲気を感じていた。ファンの声援にも少し気づいていたし、彼らのエナジーを感じている自分がいた」。
「ラグビー自体への応援のように感じられてよかった。ワールドカップの雰囲気もこのような感じになるだろうと思った」と、満員に近いファンの熱を印象深く語った。
勝利したハリケーンズはニュージーランドに戻り、4月27日(土)はホームで同じニュージーランドのライバル、チーフスを迎える。
強豪相手にまったく引けを取らないパフォーマンスを見せながらも、またも勝ち切れかなったサンウルブズは、4月26日(金)の次節は再び秩父宮ラグビー場でニュージーランドのハイランダーズを迎える。
ブラウンHC、SH田中、SOパーカーらの古巣との対戦にきっと燃えるはずだ。次節こそ、ホームで今シーズン初勝利を挙げてファンの声援に応えたい。
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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