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“センバツ”こと全国高校選抜ラグビー大会は、激戦の真っ最中だ。
大会3日目の3月31日(日)は、会場である埼玉・熊谷スポーツ文化公園内の3会場(Bグラウンド、Cグラウンド、補助陸上競技場)で、参加32校による予選16試合が行われた。
3月29日(金)の開幕戦に登場した浦和と佐賀工業以外の30校は、前日からの連戦に。しかし疲れを感じさせない熱闘が繰り広げられた。
それでは大会3日目の16試合を見ていこう。
この日は第6試合(1試合のみ)も行われた。
キックオフ時間は第1試合から①9時30分、②10時45分、③12時、④13時15分、⑤14時30分、⑥15時45分だ。
【Bグラウンド】
第①試合(Gグループ)
(6T4G)春日丘○38-5●金光藤蔭(1T)
第②試合(Gグループ)
(3T1G)高鍋●17-32○本郷(6T1G)
第③試合(Hグループ)
(10T6G)天理○62-14●大分舞鶴(2T2G)
第④試合(Hグループ)
(8T6G)流経大柏○52-3●北越(1PG)
第⑤試合(Fグループ)
(14T6G)京都成章○82-14●高知中央(2T2G)
第⑥試合(Fグループ)
(2T2G)早稲田実○14-12●秋田工業(2T1G)
大会初戦にセンバツ初勝利を収めた大阪・金光藤蔭は、愛知王者の春日丘に6トライを奪われて1勝1敗に。8大会ぶり出場の東京・本郷は、花園常連の高鍋を32-17で破った。
高い攻撃力を持つ天理は、大分舞鶴に62-14で快勝。流経大柏は推薦枠出場の北越(新潟)に快勝し、天理との全勝対決へ臨むことになった。京都成章はハイレベルな攻守で、高知中央を82-14で退けた。
そしてこの日唯一の第6試合は「早稲田実業×秋田工業」。
センバツ初出場の東京・早稲田実業は、初戦で高知中央に24-17で勝利。一方、4大会連続11回目の秋田工業は、優勝候補の京都成章に0-41で敗れていた。
秋田工業はFB高山樹(3年)のトライで先制。
早稲田実業もハイテンポな攻撃でプレッシャーをかけると、前半終了間際に身長185センチのLO池本大喜(3年)がグラウンディング。7-7の同点で前半を折り返す。
秋田工業は後半10分、WTB沢田石智志(2年)のラインブレイクから敵陣へ入り、攻勢をかけて左隅でLO冨野泰空(2年)が仕留め、5点リード(12-7)とした。
しかし早稲田実業は後半22分にWTB永井新之助(2年)が殊勲のインターセプト。独走トライのコンバージョンをSO守屋大誠(2年)が決め、14-12で競り勝った。
惜敗の秋田工業メンバーの中には一人で歩けないほど号泣する選手もおり、試合後の円陣は涙に濡れた。
その様子を見守っていた秋田工業の伊東真吾監督は、「一生懸命やって悔しがっているのは良いことです。スター選手はいませんが、タックルもするようになってきた。伸びしろはあるのかなと思います」と穏やかに語った。
【Cグラウンド】
第①試合(Bグループ)
(14T12G1PG)東福岡○97-12●城東(2T1G)
第②試合(Cグループ)
(2T2G1PG)札幌山の手●17-27○慶應義塾(5T1G)
第③試合(Cグループ)
(2T1G)石見智翠館●12-40○御所実業(6T5G)
第④試合(Aグループ)
(3T2G)関西学院○19-14●佐賀工業(2T2G)
第⑤試合(Aグループ)
(3T3G)浦和●21-28○秋田中央(4T4G)
徳島・城東は試合登録が17人ながら、東福岡から2トライを奪ったが、優勝候補の“ヒガシ”に97得点を奪われて敗戦。慶應義塾は5トライを奪い、27-17で札幌山の手に勝利。1敗同士の対決を制した。
近畿5位の奈良・御所実業は、中国1位の石見智翠館に40-12で快勝。バックスにタレントが揃う秋田中央は、地元・浦和の猛攻をしのぎ、28-21で競り勝った。
そして好勝負が期待された第4試合の「関西学院×佐賀工業」。
前半を12-7とリードして折り返した関西学院は後半、この日キックが冴えたCTB齊藤綜馬(3年)の効果的なエリア獲りなどで、敵陣に居座った。
NO8平生翔大(2年)は迫力あるボールキャリーで脅威となり、後半23分には、LO甲斐悠太郎がトライラインを越えて19-7と引き離した。
佐賀工業はNO8石川空悟キャプテンを筆頭にモールで反撃。バックスも入って敵陣に入るが、反則を犯すなどしてスコアができず、14-19で敗れた。
勝利した関西学院の安藤昌宏監督は「近畿大会で(サニックスユース予選会で優勝した)京都工学院さんに勝たせて頂いて、負けはしましたが(東海大大阪)仰星さんとも戦いました。そこで選手たちは得るものがあったのだと思います。無心でラグビーができています」
11大会ぶり2回目のセンバツ。第8回大会以来の8強進出を決めた教え子たちを、頼もしく感じている様子だった。
【補助陸上競技場】
第①試合(Eグループ)
(8T6G2PG)桐蔭学園○58-7●尾道(1T1G)
第②試合(Eグループ)
(8T4G)大分東明○48-0●黒沢尻工
第③試合(Cグループ)
(11T8G)國學院栃木○71-5●名古屋(1T)
第④試合(Dグループ)
(7T4G)東海大大阪仰星○43-24●長崎北陽台(3T3G1PG)
第⑤試合(Dグループ)
(10T7G)日本航空石川○64-12●太田(2T1G)
センバツ2連覇の桐蔭学園(神奈川)は、中国2位の尾道(広島)に8トライを奪って快勝。第3試合では國學院栃木が名古屋(愛知)から11トライを奪った。
第4試合に登場した長崎北陽台は、近畿ブロック準優勝の東海大大阪仰星に対し、前半は17-14とリードした。後半に29失点して24-43で敗戦したが、試合登録21人ながら会場を沸かせる健闘を見せた。
その長崎北陽台に大会初戦で勝利(27-24)している日本航空石川は、群馬・太田に10トライ64得点で快勝した。
そして第2試合は「大分東明×黒沢尻工」。
推薦枠でセンバツ初出場の大分東明は、初戦で尾道に18-15で勝利。東北3位で3大会連続出場の黒沢尻工と激突した。
大分東明はSH若松納央(3年)のパスワークから、運動量豊富なフロントローが機能的に走り回り、FL春口暁(3年)らがテンポ良く接点に走り込む。
ディフェンスの意識も高く、常に声を張り上げてコミュニケーションを取り、48得点完封を披露した。
フィジー出身のNO8セコナイヤブル、CTBジョアペナホは、来日2年目ながら毎日の日本語授業と寮生活により、日本語は日常会話に問題がないレベルになった。二人とも、ボールを保持できるキャリアーとしてアタックの起点になった。
「(試合は)楽しかった。まだまだレベルアップできます」(NO8セコナイヤブル)
「今日のような良いプレーを(今後も)したい。運動量がありました」(CTBジョアペナホ)
大分東明の白田誠明監督は、完封劇を振り返って「ディフェンスが好きな子が多いです。みんなラグビーが好きなので、走る練習も頑張れている。フィジーの子たちもラグビーが大好きです」。
全勝対決となる4月2日の桐蔭学園戦については「チャレンジです」と意気込んだ。
この大会3日目の結果、1試合を残して4チームの決勝トーナメント進出が決定した。2日に敗戦しても順位決定方法の「当該チーム間の対戦成績」により順位で上回る。
8強進出を決めた4チームは、関西学院(Aグループ)、東福岡(Bグループ)、御所実業(Cグループ)、春日丘(Gグループ)だ。
予選リーグ最終戦は、4月2日(火)。決勝進出をかけた全勝対決、大会1勝への執念、地区を代表するプライド――。さまざまな思いが激突する熱戦が期待される。
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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