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3月29日(金)に埼玉・熊谷で開幕した“センバツ”こと全国高校選抜ラグビー大会は、3月30日(土)、大会2日目を迎え、予選リーグ15試合が行われた。
予選リーグでは、参加32チームが4チーム8組に分かれ、3日間(30日、31日、4月2日)で1チーム3試合を戦う。
センバツ王者を決める8強による決勝トーナメントに進出できるのは、各組上位1チームのみ。過密日程のなか、ひとつの黒星が予選敗退につながるサバイバルが展開される。
この日は曇天のもと寒風が吹いたが、9時30分キックオフの第1試合が3会場(Bグラウンド、Cグラウンド、補助陸上競技場)で始まると、あちこちで歓声が沸いて活気に溢れた。
繰り広げられた予選15試合は、圧勝劇から接戦までさまざま。試合結果を振り返ってみたい。
【Bグラウンド】
第1試合(Aグループ):(11T8G)関西学院○71-0秋田中央
第2試合(Bグループ):(9T7G)東福岡○59-7●慶應義塾(1T1G)
第3試合(Bグループ):(4T1G)札幌山の手●22-28○城東(4T4G)
第4試合(Cグループ):(8T5G)石見智翠館○50-0名古屋
第5試合(Cグループ):國學院栃木●0-52○御所実業(8T6G)
近畿4位の関西学院は、東北1位の秋田中央を完封した。やはり強豪ひしめく近畿勢のレベルは高い。東福岡は後半ロスタイムに1トライを許したが、慶應義塾に完勝した。
石見智翠館は、5大会ぶり登場の名古屋(東海2位)を完封。関東5位の國學院栃木は御所実業から得点を奪えず、この日Bグラウンドで3度目の完封試合を許した。
そして第3試合では、四国2位の城東(徳島)が、北海道の札幌山の手を破った。
城東の登録メンバーは大会最小人数の17人。
しかし多彩なキックが冴えたキャプテンのSO三木海芽(3年)をはじめ、キャリーも激しいFL伊藤優汰(3年)、HO蔭岡史嵩(2年)など全員が好タックルを連発。
城東は伝統的に激しいディフェンスの文化があり、タックルは「3H」(低く、激しく、速く)が合言葉。
札幌山の手はNO8ヴェアタモエフォラウ(3年)など強力キャリアーを擁したが、スコアで上回れず。
城東OBで大阪体育大でもプレーした城東の伊達圭太監督は「前半は敵陣でずっと良い流れで試合ができました。相手にアタックの強い子がいましたが、自分たちの持ち味であるディフェンス、タックルが見せられた。僕らの頃から『タックルは頑張りましょう』というチームでした」と語り、チーム文化を体現した選手を誇った。
【Cグラウンド】
第1試合(Dグループ):(13T7G)東海大大阪仰星○79-0●太田
第2試合(Dグループ):(5T1G)日本航空石川○27-24●長崎北陽台(3T3G1PG)
第3試合(Eグループ):(11T8G)桐蔭学園○71-5●黒沢尻工(1T)
第4試合(Eグループ):(2T1G2PG)大分東明○18-15●尾道(3T0G)
第5試合(Hグループ):(20T15G)天理○130-0●北越
長崎北陽台も登録人数は少なく、試合登録25人に満たない21人。しかしCTBテビタ・ポレオ(3年)ら留学生のいる日本航空石川と3点差の接戦を繰り広げた。3連覇を狙う桐蔭学園は、黒沢尻工から11トライを奪って大勝発進した。
推薦枠で初出場した大分東明は、7大会連続出場している中国2位の尾道に勝利。台風の目となれるか。天理はこちらも推薦枠で初出場の北越から20トライ。前後半10トライずつスコアするところに充実度が窺える。
そして第1試合では、近畿2位の東海大大阪仰星が登場し、推薦枠で初出場の群馬・太田から13トライを奪った。
東海大大阪仰星は大量リードを奪っても、チームはトライ後にコミュニケーションを重ねていた。そんなチームは前半を36-0で折り返し、後半に前半を上回る43得点を挙げた。
指揮官の湯浅大智監督は「“コール”よりも“トーク”ということは大事にしています。今日はそれが少し出たことは良かった」と手応えを語った。
一方、太田の金田健一郎監督は「2月の関東大会と比べると身体を当てられるようになってきたので、すこし成長が見られました」。大会初戦を振り返った。
【補助陸上競技場】
第1試合(Fグループ):(5T5G2PG)京都成章○41-0●秋田工業
第2試合(Fグループ):(4T2G)早稲田実○24-17●高知中央(3T1G)
第3試合(Gグループ):(4T4G2PG)中部大春日丘○34-7●本郷(1T1G)
第4試合(Gグループ):(4T3G)高鍋●26-29○金光藤蔭(5T2G)
第5試合(Hグループ):(7T6G)流経大柏○47-19●大分舞鶴(3T2G)
好勝負の多かった補助陸上競技場。秋田工業は41失点で完封されたが、得点差ほどの完敗ではなく近畿王者に抵抗した。早稲田実業は効率的にスペースへ仕掛けるアタックなどを見せ、高知中央に競り勝った。
中部大春日丘はSO堀日向太(2年)が12得点(4G2PG)を挙げるなどして本郷に勝利。流経大柏は前半こそ7-7の同点だったが、後半はFL篠澤輝(3年)が再三突破を見せるなどして6トライを量産した。
そして第4試合では、推薦枠で初出場の大阪・関西福祉大学金光藤蔭が、後半26分の逆転トライ(ゴール)が決勝点に。
最後は後半ロスタイム、高鍋の猛攻をゴール前で防いで、歓喜の瞬間を迎えた。
指揮官の久保玲王奈監督は喜びを噛みしめていた。
「高鍋さんは花園常連校で、ウチはチャレンジさせて頂く立場でした。ただ推薦とはいえ『大阪の誇りをもって戦いなさい』と送り出しました。ただ私も(選抜大会は)初めてで、ミーティングも重ねましたが、まったくプラン通りにいきませんでした(笑)。個々のフィジカルの強さでなんとか勝たせて頂きました」
金光藤蔭は、記念すべきチーム史上初のセンバツ勝利。平成最後のセンバツに爪跡を残した。
そして大会3日目には、32校すべてが登場して16試合を繰り広げる。連戦の疲れと闘いながら、予選突破へ若武者たちがしのぎを削る。
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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