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“平成最後のセンバツ”の火蓋が切って落とされた。
3月29日(金)、今秋のワールドカップ日本大会のために改装された新生・熊谷ラグビー場で、“センバツ”こと全国高校選抜ラグビー大会の開会式、開幕戦の1試合が行われた。
参加32チームの入場行進で始まった開会式では、前年度優勝校で、大会3連覇を狙う桐蔭学園が優勝旗を返還。選手宣誓では、埼玉・浦和高校の松永拓実主将が熱戦を誓った。
「われわれ高校ラガーマン一同は、新しくなった熊谷ラグビー場でプレーできることへの喜びと感謝を胸に、最後まで熱く、そして激しく、戦い抜きます」
「また、今年はラグビーワールドカップが日本で開催されます。一生に一度しかないこの大会をさらに盛り上げるためにも、見る人の心を動かし、ラグビーの魅力が伝わるように、一試合一試合を素晴らしいものにすることを誓います」
開会式に続いて行われたオープニングマッチでは、その松永主将が率いる開催県枠の浦和(埼玉)と、九州ブロック2位の佐賀工業が激突。肌寒い薄曇りのなか、寒さを吹き飛ばす戦いが繰り広げられた。
7大会ぶり3回目の出場となる浦和に対し、佐賀工業は7大会連続14回目というセンバツ常連。
この日の佐賀工業は、精度の高いブレイクダウンワーク、素早いテンポで、フィニッシャーである森山翔斗(2年)、日高啓輔(3年)の両WTBまでボールを展開。エリア外側で再三ラインブレイクを披露した。
先制点は佐賀工業。前半3分、抜け出したCTB勝目龍馬(2年)が、巧みなステップで相手をかわして先制トライ(ゴール成功)。
しかしキックオフ後、自陣からボールを展開した佐賀工業に対し、浦和はラックでファイトしてボール奪取。
好機からフォワードが突進を重ね、最後は選手宣誓をしたNO8松永主将がチーム初トライ。ゴール成功で7-7の同点とした。
しかし佐賀工業はここから前半だけで4連続トライ。浦和はFB髙田賢臣(3年)のトライセービングなどで粘ったが、次第にキャリアーの威力がタックル精度を上回っていった。
ラン能力に長けるSO徳永優太(2年)のほか、勝目、三良煕三郎(3年)の両CTBが脅威となり、アタックラインに加わるFL内川朝陽(2年)、ゴールキッカーも務めるNO8石川空悟主将(3年)もスコアラーになった。
佐賀工業が24点リード(31-7)で後半へ。
浦和は応援団の熱い声援を受け、NO8松永主将、キックにも長けるFB髙田などが存在感を放つが、前半に続き、後半もディシプリン(規律)に問題を抱えて劣勢が続く。
後半もスタートは佐賀工業が主導権を握る。
キックカウンターから、10番徳永が巧みなランコースから左隅を突破。この日ハットトリックしたWTB森山のトライをお膳立てすると、さらに佐賀の王者は3連続トライ。
後半19分にはFL内川もハットトリック達成。主将のコンバージョン成功で59-7とした。
浦和の反撃は後半22分頃から。相手ノックオンから敵陣でチャンスを迎え、徹底したフォワード勝負に出る。
応援団・関係者の熱烈な声援を受け、浦和はロスタイムを含めて約10分間以上ゴール前に居座った。
相手反則とスクラム、ケガによる中断などを挟みながら、ラックサイド勝負に徹し、そして後半ロスタイム、HO山際毅雅(2年)がグラウンディング。雄叫びを上げた。
最終スコアは59-12で佐賀工業が勝利。8強による決勝トーナメント進出へ一歩前進した。
勝利した佐賀工業のNO8石川主将は「身体が大きくないので、低さ、速さで勝負していきたい」と意気込んだ。
一方、浦和の三宅邦隆監督は「詰めのディフェンスなど通用している部分もありましたが、佐賀工業さんは上手いのでそこも対応されました」と敗戦を振り返った。
予選リーグは3月30日(土)から本格化。
熊谷スポーツ文化公園内の3会場(Bグラウンド、Cグラウンド、補助陸上競技場)で、15試合が行われる。お気に入りのチーム、選手に声援を送り、ワールドカップイヤーを盛り上げたい。
多羅 正崇
1980年2月1日生まれ、神奈川県出身。法政大学第二高校、法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻修了。スポーツジャーナリストとして『ラグビーマガジン』『Number』『J SPORTS』などに寄稿する傍ら、ユーモアコラムの執筆も行なっている。スポーツにおけるハラスメント防止を目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」理事。共著に『子どもがラグビーを始めたら読む本』(ベースボール・マガジン社)がある
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