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ラグビー コラム 2019年3月25日

3連覇を目指す王者クルセイダーズが初黒星。スーパーラグビー

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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3月22日~24日、スーパーラグビーの第6節が行われた。23日、オーストラリアのワラターズとニュージーランドのクルセイダーズの強豪同士がワラターズのホーム、シドニー・クリケット・グラウンドで激突した。

オーストラリアカンファレンスに所属するホームのワラターズ、開幕戦はホームでハリケーンズに19-20と1点差で敗戦し、続くアウェイではサンウルブズに31-30と今度は1点差で辛勝。

その後は第4節でレッズに勝利、5節でブランビーズに敗れて2勝2敗だが、カンファレンス2位につけている。

一方、スーパーラグビー3連覇を目指す王者クルセイダーズは開幕から連勝中だったが、ホームタウンのクライストチャーチで起こった銃乱射件の影響で、前節のアウェイのハイランダーズ戦は中止(再試合なし、引き分け扱い)となり、4勝1分でカンファレンス首位だった。

王者相手にワラターズは、FW(フォワード)にキャプテンのFL(フランカー)マイケル・フーパーを筆頭に、PR(プロップ)セコペ・ケプ、LO(ロック)ロブ・シモンズ。

また、BK(バックス)にも、SO(スタンドオフ)バーナード・フォーリー、CTB(センター)カートリー・ビール、元神戸製鋼のアダム・アシュリー クーパー、FB(フルバック)イズラエル・フォラウと、ワラビーズがずらりと並ぶ豪華な布陣で臨んだ。

クルセイダーズは、開幕から先発を続けていたオールブラックスのSOリッチー・モウンガが休養、ニュージーランド代表1キャップのブレット・キャメロンが先発。

休養をとっていたキャプテンのLOサム・ホワイトロックが今シーズン初出場、PRオーウェン・フランクスはスーパーラグビー150キャップの節目のゲームとなった。

試合前に、3月15日の銃乱射事件の犠牲者に対して、両チームが一緒になってフィールド中央で円陣を組んで黙祷を捧げた。またクルセイダーズはジャージーの袖に「United (団結して)15-03-2019」とい文字を刻んで試合に臨んだ。

試合は開始早々からホームのワラターズのペースで進む。前半4分、敵陣20m右サイドからのスクラムからFWで連続攻撃。LOジェド・ホローウェイがクルセイダーズのNO8(ナンバーエイト)フェトゥ・ダグラスのタックルをかわしてゴールへ突進しトライ。SOフォーリーのゴールも決まって、7-0とワラターズが先制する。

クルセイダーズもボールを保持しようとするが、逆にペナルティを取られてしまい攻撃にリズムが出ない。

すると11分、SOフォーリーのハイボールを見事にキャッチしたFBフォラウがWTB(ウィング)キャメロン・クラークへオフロードパスし、そのまま走ってトライ。SOフォーリーのコンバージョンは入らなかったが、12-0とリードを広げてゆく。

追いかける展開となったクルセイダーズは反撃を試みるも、ノックオンやフォワードパスなどミスで自滅し、なかなか得点に結び付けられない。

前半残り10分となったあたりから、クルセイダーズはようやくセットプレーが安定。29分、ラインアウトでHO(フッカー)コーディー・テイラーのスローインからWTBジョージ・ブリッジがトライ。SOキャメロンのゴールも決まり12-7と追い上げる。

それでも前半終了間際にCTBアシュリー クーパーがジャッカルを決めてペナルティを獲得し、SOフォーリーのPG(ペナルティゴール)でワラターズが3点を追加。15-7とホームのワラターズがリードして前半を折り返す。

後半のスタートも前半と同じようにワラターズペースで進み、クルセイダーズも攻撃を仕掛けるが、ワラターズのディフェンスの前に得点を奪うことができない。

両者とも後半無得点のまま試合終盤に差し掛かった34分、沈黙を破ったのはホームのワラターズだった。

敵陣左サイドでモールを押し込んでアドバンテージを得ていたワラターズはSOフォーリーが右端に大きくハイボールを挙げて、WTBアレックス・ニューサムが相手と競ったボールを最後はFBフォラウがインゴールで押さえてトライ、20-7とする。

クルセイダーズも試合終了間際にWTBブリッジの突破から、CTBライアン・クロッティ、最後は途中出場のWTBウィル・ジョーダンとつないで1本を返したが、試合はワラターが20-12でノーサイドを迎えた。

昨年はクルセイダーズのホームで0-29と完封負けを喫したワラターズが見事リベンジを達成した。クルセイダーズが今シーズン初の黒星となり、昨シーズンから続いていた連勝記録は19でストップした。

勝利したワラターズのダリル・ギブソンHC(ヘッドコーチ)は、「クルセイダーズのようなチームと戦えると自信になる。今までなかなかフォラウのキックをうまく使う戦術ができなかったが、今夜はそれがうまくいった」と満足げに語った。

敗れたクルセイダーズのスコット・ロバートソンHCは「(銃乱射事件があり)本当にタフな1週間だったが、我々はクルセイダーズだ。言い訳はしない」。

「我々は地元の人々を代表して気持ちを示したかった。努力をしてきたつもりだったが、今シーズンの全試合分くらいボールを落としてしまった」と肩を落とした。

ワラターズは3勝2敗で勝ち点を14に伸ばし、オーストラリアカンファレンスで首位に立ち、全体でも3位に浮上。3月29日の次節はホームにサンウルブズを迎える。

敗れたもののクルセイダーズは、4勝1敗1分で勝ち点は19のままだがニュージーランドカンファレンスでも全体でも首位をキープした。次節は来週3月29日にアウェイでハリケーンズと戦う。

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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