人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

ラグビー コラム 2019年3月22日

群雄割拠の近畿を制したのは? 近畿高校ラグビー大会、第5代表決定戦・決勝レビュー

ラグビーレポート by 多羅 正崇
  • Line
第70回近畿高等学校ラグビーフットボール大会

上位5チームが「センバツ」こと全国高校選抜大会(3月29日開幕・熊谷)の出場権を得る第70回近畿高校ラグビー大会は、3月21日(木)、神戸ユニバー記念競技場で、決勝と第5代表決定戦の2試合が行われた。

6府県から16校が参加した伝統の近畿大会で、まず選抜出場権を得られる4強に進出したのは、東海大大阪仰星、関西学院(兵庫)、天理(奈良)、京都成章。

残る1枠は、準々決勝敗退の4チームによる「第5代表準決勝・決勝」を勝ち抜いたチームに与えられる。

この5枚目の選抜切符に手をかけたのは、準決勝で京都工学院を2点差(14-12)で退けた御所実業(奈良)。

対するは、準決勝で今年1月の花園王者・大阪桐蔭に28-19で競り勝った常翔学園(大阪)だった。

第5代表決定戦「御所実業×常翔学園」

12時15分にキックオフされた強豪同士の激突は、ロースコアの熱戦となった。

勝てば選抜行きが決まる決定戦で、序盤はお互いにミスも目立った。

しかしブレイクダウンでの集散に勝る御所実が、次第にペースを掴み、SO高居海靖らが絶妙なキックでエリアを獲得。組織的なキックチェイスも奏功した。

常翔学園陣でのプレータイムを増やした御所実は、前半11分、CTB谷中廉がゴールに迫り、最後はキャリーにインパクトのあるPR津村大志が先制トライ。

FB石岡玲英のコンバージョンも決まり、御所実が7点を先制した。

FWの体格で勝る常翔学園だが、ブレイクダウンでプレッシャーを受けて自陣に後退。

LO木戸大士郎、NO8知念優来らの1年生FWも攻守に奮闘したが、前半は我慢の時間が多かった。

御所実が7-0とリードして迎えた後半。

相手防御のプレッシャーもあり、常翔学園はハンドリングエラーなどで攻撃機会を失う場面が目立った。

しかし後半15分頃にはSH高岸尚正がパスダミーからビッグゲイン。敵陣ゴール前に侵入したが、その後のラックでサポートが遅れて相手ボールに。

終盤は体格で勝る常翔学園が、敵陣でラックサイドの近場勝負。じりじりと前進するが、黒い壁を崩しきれなかった。

最後はゴール目前でノックオンとなり、ノーサイドの笛。

近畿ブロックの第5代表としてセンバツに乗り込むのは、奈良県の御所実に決まった。

決勝「東海大大阪仰星×京都成章」

ハイレベルな近畿大会のファイナルに登場したのは、準決勝で関西学院に35-0で完勝した東海大大阪仰星。

対するは、2回戦で大阪桐蔭を23点差(33-10)で破り、準決勝では天理に21-14で競り勝った京都成章だった。

東海大仰星は準決勝から先発を6人(FW4人、BK2人)変更。一方の京都成章は、準決勝からスターター15人に変更はなかった。

京都成章はFWのサイズが話題になっており、先発8人の平均身長は181.3センチ、平均体重は95.8キロ。この数値は花園予選までにさらにスケールアップするのだろう。

午後2時にキックオフされた試合は、京都成章の連続攻撃で幕を開けた。SH宮尾昌典のパスから強力ランナーが走り込んでいく。

すると前半5分、SO辻野隼大がターンから縦突破し、WTB太田匠海につなげて先制トライ。SO辻野がゴールも決めて7点を先取した。

強力FWもゴール前での決定力を見せ、前半22分にはFL三木皓正、前半終了前にはPR西村優希がインゴールにねじ込んだ。

前半を19-0とリードして折り返した京都成章。

後半のスタートは、お互いにハンドリングエラーが続いてエリアを一進一退。

しかし後半5分、FL三木のビッグゲインから敵陣深くに侵入すると、U17日本代表で身長190センチのLO山本嶺二郎が、タックルを飛び越えインゴールに押さえる技ありトライ。

トライ後の難しい角度のコンバージョンを決めたのは、準決勝・天理戦の終了間際に殊勲のアンクルタップで失点を防いだWTB森本蒼。京都成章のリードは26-0と拡大した。

お互いにエラーが続く時間帯をへて、東海大仰星の反撃は後半20分だった。

自陣から積極展開すると、両サイドでゲインを繰り返して敵陣へ。

正確なブレイクダウンワークから波状攻撃を仕掛け、最後は右サイドでWTB近藤翔耶が1対1に勝ってトライラインを越えた。ゴールは失敗で26-5。

ゴール前に侵入すればFWで得点できる京都成章は、後半25分にもふたたびFL三木がスコアラーに。31-5

しかし東海大仰星も試合終了間際、混戦からNO8中司了太が抜け出してトライ。コンバージョンも決まったが、試合はそのまま31-12で決した。

この結果、近畿ブロックから選抜大会に参加する5校は、京都成章(第1代表)、東海大大阪仰星(第2代表)、天理(第3代表)、関西学院(第4代表)、御所実業(第5代表)となった。

また府県別では、京都府代表が1校(京都成章)、大阪府代表が1校(東海大大阪仰星)、兵庫県代表が1校(関西学院)、奈良県代表が2校(天理・御所実業)となった。

昨年度花園王者の大阪桐蔭が上位5枠を逃すなど、レベルの高い近畿ブロックを勝ち抜いた代表5校。センバツではどんな戦いを見せてくれるのだろうか。

3連覇を狙う桐蔭学園など、32校が参加する全国選抜大会は、いよいよ3月29日、埼玉・熊谷で幕を開ける。

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

  • Line

関連タグ

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
ラグビーを応援しよう!

ラグビーの放送・配信ページへ