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スーパーラグビー2019は、第5節を終えた。依然として5戦負けなしのクルセイダーズがニュージーランド(NZ)カンファレンスの1位で、総合でもトップに立っている。前節は、NZクライストチャーチで起きた銃乱射事件に哀悼の意を表して試合を中止し、試合は引き分け扱いとなってクルセイダーズとハイランダーズに勝ち点「2」ずつが与えられた。NZカンファレンスは、2位ハリケーンズ、3位ハイランダーズが続く。
オーストラリア(AUS)カンファレンスは、好調のレべルズがアウェイで南アフリカ(SA)カンファレンスのライオンズに敗れ、3勝1敗(第2節は休み)となった。首位はキープしているが、ブランビーズが2点差、ワラターズが3点差で迫っている。SAカンファレンスは、レベルズを破ったライオンズが首位のブルズ、ストーマーズと勝ち点で並んでトップ3となっている。
3シーズン連続準優勝のライオンズは、開幕戦でジャガーズに勝ったものの、ストーマーズ、ブルズに連敗し、2勝2敗で第5節を迎えていた。レベルズとの戦いは、HOマルコム・マークスの先制トライ以降、6割以上のボール保持率で攻めたものの、インターセプトなどでボールを奪われ失点。気が付けば、後半10分の時点で5-33と28点差をつけられていた。しかし、後半10分、FLマーナス・スクーマンのトライで12-33とすると、13分、16分と連続トライし、23分には、タッチライン際を抜け出したFLクワッガ・スミスからWTBコートナル・スコーサンにパスがわたってトライをあげて同点。試合終了間際に交代出場のジアニ・ロンバードがPGを決めて逆転勝利を収めた。
そのライオンズは、第6節、シンガポールで日本のサンウルブズと対戦する。本稿執筆時点でメンバー編成は未定だが、第5節の週間ベスト15にも選ばれたHOマルコム・マークス(189cm、112kg、24歳)、WTBアンドリース・クッツェー(182cm、90kg、29歳)など南アフリカ代表経験者が揃う。加えて、FLクワッガ・スミス、SOエルトン・ヤンチース、CTBライオネル・マプーらトップリーグでプレーし、日本のラグビースタイルをよく知る選手もいる。トライ数も全チームの中で3位(19トライ)と決定力があり、手強い相手だ。
サンウルブズはここまで1勝4敗も、初戦以降は接戦を繰り広げている。第5節でもレッズに敗れたが、NO8ラーボニ・ウォーレンボスアヤコ、SHジェイミー・ブースが週間ベスト15に選出された。反則、ミスでチャンスをつぶし、勝利を遠ざけるもどかしい戦いを脱却。ライオンズに対しては規律正しくプレーしたい。多数の負傷者が出ていることもあり、サンウルブズを運営するジャパンエスアールは、3月18日より、5名の追加選手がチームに合流することを発表した。
PR三上正貴(東芝ブレイブルーパス、178cm、111kg、30歳)、PR浅原拓真(東芝ブレイブルーパス、179cm、113kg、31歳)、SO山沢拓也(パナソニック ワイルドナイツ、176cm、81kg、24歳)、CTB立川理道 (クボタスピアーズ、180cm、95kg、29歳)、FB山中亮平(神戸製鋼コベルコスティーラーズ、188cm、95kg、30歳)。
山沢以外の4選手はサンウルブズでのプレー経験がある。第5節までは海外出身で日本代表の選手資格のない選手が中心になっていたが、今後は、ラグビーワールドカップ(RWC)日本大会の日本代表候補メンバーが随時サンウルブズに合流する。日本代表メンバーから外れていた立川理道がここで好プレーを見せれば2大会連続のRWC出場が見えてくる。アピールのチャンスをつかんだ選手たちがどんなプレーを見せてくれるのか。サンウルブズの勝利も見たいが、チャンスをつかんだ選手たちが持てる力を存分に発揮するところも見てみたい。
総合首位のクルセイダーズは第6節、シドニーに乗り込みワラターズと対戦。逆転負けを喫したレベルズは南アフリカに残り、ダーバンでシャークスと戦う。NZ2位のハリケーンズとSA3位のストーマーズの一戦も好勝負が期待できる。僅差勝負相次ぐスーパーラグビー2019は第6節もノーサイド直前まで勝敗の分からない試合が続出しそうだ。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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