全国強豪によるハイレベルな戦い。近畿高校ラグビー大会・準決勝の見どころ

6府県の近畿16校が参加する第70回近畿高校ラグビー大会は、4強が揃った。

3月19日（火）は、神戸ユニバー記念競技場などで準決勝2試合、第5代表決定戦の準決勝2試合が行われる。

3月29日（金）に埼玉・熊谷で開幕する第20回全国高校選抜大会への出場権は、近畿大会ではベスト4、そして準々決勝敗退の4チームによる「第5代表決定戦」を勝ち抜いた計5チームに与えられる。

17日（日）に行われた準々決勝に敗れ、第5代表決定トーナメントに回った4校は、いずれも名の知れた強豪。近畿大会のレベルの高さをよく表しているだろう。

第5代表決定戦のセミファイナル第1試合は、御所実業（奈良）×京都工学院（京都）。今年1月のサニックスユース予選会決勝の再戦が実現した。

サニックスユース（4月28日開幕／福岡・宗像）への出場権を懸けた予選会ファイナルは、京都工学院が21－19で競り勝った。御所実業にとっては雪辱戦となる。

そして第5代表決定トーナメントの第2試合は、常翔学園×大阪桐蔭の大阪勢対決だ。

そう、2018年度の花園を制覇した大阪桐蔭は、準決勝で敗れた（10－33）。

前年度の花園王者を撃破したのは、京都成章（京都）。

京都成章は、昨年度の花園で流経大柏（千葉）に3回戦で敗れたが、今大会は、初戦屈指の好カードだった報徳学園戦（兵庫）に33－17で勝利し、続く大阪桐蔭戦でも33得点を挙げて4強入りした。

大阪桐蔭はFW第1列の江良颯、第3列の奥井章仁が2年生ながら高校日本代表に選出されており、17日はちょうど遠征先のウェールズへの移動予定日。

チームに勢いを与える2人が不在だったが、京都成章による33－10という最終スコアの衝撃度は小さくない。京都成章への注目度は否応なく高まっている。

そんな京都成章が19日の準決勝（第2試合／15:10K.O.）で対戦するのは、こちらも全国屈指の強豪・天理（奈良）だ。

今大会の初戦は、科学技術（兵庫）を66－5と圧倒すると、続く準々決勝でも常翔学園を相手に50－14で大勝した。

昨年度の花園は、準々決勝で桐蔭学園（神奈川）に敗れたが、大会を通じて豊富なフィットネスをベースとする堅守、アタックでは度胸満点の接点勝負を披露して観客を沸かせた。

今大会の19失点は、4強のうち最小。強力な大型フォワードを擁する京都成章に対し、伝統的に小柄といわれる天理がどう対抗するか。キックオフが待ち遠しい。

準決勝のもう1試合（第1試合／13:30K.O.）も要注目だ。東海大仰星（大阪）×関西学院（兵庫）が激突する。

2017年度の花園で2大会ぶり5度目の優勝を果たした東海大仰星だが、昨年度は大阪府予選ファイナルで、常翔学園の前に花園2連覇の道を断たれた。

新春は花園ではなくサニックスユースの予選会を戦ったが、準決勝の御所実業戦に7－22で敗戦。

しかし今大会の準々決勝で、その御所実業に36－12で勝利してセミファイナルへ駒を進めた。

相まみえる関西学院は、2月に行われた兵庫県の新人大会で、準決勝で報徳学園に14－47で敗れて結果的に3位。

今大会では、創部6年目で初出場を遂げた滋賀学園（滋賀）に初戦で95－7の快勝。

準々決勝ではサニックスユース予選会を制した京都工学院を40－24で退け、実に12年ぶり2度目となるセンバツ出場を決めた。

全国を4度制覇した伏見工の歴史を継ぐ京都工学院を破り、チームは自信を深めているはずだ。

勢いのある関西学院と、センバツを2度制覇（第7回、第16回）している東海大仰星の新チームはどうか。楽しみな一戦だ。

熱戦必至の近畿大会準決勝（2試合）は、J SPORTSオンデマンド限定で3月19日（火）13:20からLIVE配信される。

そして第5代表決定戦の決勝戦、近畿王者を決める大会ファイナルは、3月21日（木）12:05から、こちらもJ SPORTSオンデマンド限定でLIVE配信となる。

高校ラグビーの今冬の勢力図はどうなるか。楽しい想像は尽きないが、まずは全国屈指の強豪による熱戦を堪能したい。