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今シーズンの勢いがそのまま結果に現れた試合となった。3連覇を狙う開幕3連勝の王者・クルセイダーズが、ホームのクライストチャーチ・AMIスタジアムに、逆に開幕から3連敗と不調のチーフスを迎えた。
3連勝のクルセイダーズは今年も好調で、FW(フォワード)、BK(バックス)が一体となったアタック力が長けており、それが勝利につながっている。
先週もアウェイでのレッズ戦に22-12と競り勝って、総勝ち点を12に伸ばし、総合順位でもトップに立っている。
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一方、先週の第3節、ホームでサンウルブズに敗戦したチーフスは開幕3連敗となり、総勝ち点は1にとどまり、カンファレンスだけでなく、総合順位でも最下位に沈んでいる。
今年のチーフスはディフェンスで粘ることができず、失点を重ねて敗戦。今回も相手の攻撃力に対し、どこまで失点を抑えることができるかがカギと見られた。
ホームのクルセイダーズは前節のレッズ戦から9名の先発を変更、前節の試合を休んだオールブラックスのCTB(センター)ライアン・クロッティが先発復帰しキャプテンを務めた。
試合はそのクルセイダーズの強さばかりが目立つことになる。試合開始早々、アウェイのチーフスにオールブラックのSO(スタンドオフ)ダミアン・マッケンジーのキックを中心に攻め込こまれる。
しかし、前半7分、SOマッケンジーのキックパスを今日がデビュー戦となったWTB(ウィング)セヴ・リースがカットし、カウンター。
そのボールをつないで、最後はCTBジャック・グッドヒューのオフロードパスを受けたWTB(ウィング)ブライドン・エノーが左隅に抑えて先制トライ。SOリッチー・モウンガのゴールも決まって7-0とリードする。
10分、再びWTBリースが魅せる。自陣から積極的にボールをつないできた相手SOマッケンジーのパスをインターセプトして、そのまま右中間にトライ。12-0とリードを広げる。
今シーズン初勝利に向け、意地を見せたいチーフスはこの試合優勢だったスクラムを軸に攻め込む。
ゴール前のペナルティーからスクラムを選択し、18分、スクラムを起点にNO8(ナンバーエイト)タレニ・セウが押さえて、ゴールも決まり12-7と追い上げる。
しかし、その後のモメンタムは一気にクルセイダーズに傾く。22分、スクラムからCTBクロッティの打ち返しのパスを受けたFBウィル・ジョーダンが抜け出しトライ。
続く28分にはボールを動かして、最後はHO(フッカー)アンドリュー・マカリオがインゴールに押さえて26-7。
さらにクルセイダーズは攻撃の手を緩めず、35分、相手のパスミスからカウンターを仕掛けて再びFBジョーダンが中央左にトライ。
40分にはモールを押し込んだ後、最後は巨漢PRマイケル・アラアラトアが飛び込んで40-7と前半だけで、ほぼ勝負を決めてしまった。
後半、何とか巻き返しを図りたいチーフスは、11分、スクラムを起点にボールを展開しWTBエテン・ナナイ セトゥーロが左隅にトライ、SOマッケンジーのゴールも決まって40-14とする。
しかし、お互いにメンバーを交替する中で、再びクルセイダーズが主導権を握る。キックカウンターから攻撃し、21分、最後は途中出場のオールブラックスHOコーディー・テイラーがトライ。
24分も途中出場のSHブリン・ホールがトライを挙げて、19分にはモールから再びHOテイラーが押さえて57-14と大量リードに成功する。
チーフスは残り20分でWTBジャック・デブレツェニ、FLマイケル・ブラウンがトライを挙げて意地を見せたものの、すでに試合の趨勢は決まっていた。そのまま試合が終了し、ハイランダーズが9トライを挙げて57-28でチーフスを下した。
しかもクルセイダーズは3トライ以上差を付けて白星で、今年初めてのボーナスポイントも獲得した。一方、チーフスは勝利どころか勝ち点を積み上げることもできなかった。
クルセイダーズのゲームキャプテンを務めたCTBクロッティは、「今日は初めて試合に出るチャンスを得た選手も多かったが、彼らは自分でそのチャンスを勝ち取った」。
「今日の試合を見ればその才能や個人のスキルの高さが分かったと思う。これがチーム内のスターティング争いをいい意味で生んでいる」と、オールブラックスの多くが欠場する中でも、力のある若い選手が豊富な層の厚さが強さの理由だと説明した。
一方、4連敗と厳しい状況のチーフスのコリン・クーパーHC(ヘッドコーチ)は、「本当に本当に厳しい時期だ。しかしこの大会自体がタフなものだから、私たちはみんなで力を合わせ続けなければならない」と、厳しい状況ながらもなんとか前を向いた。
LOブロディー・レタリックキャプテンも、「結果はこの数週間変わらないけど、強度は上がっているし、ラックはどんどん良くなっているのはその努力の結果だと思う」。
「だが、まだまだ修正すべきところは多く、ミスやちょっと気の抜けた時間ができてしまったりしているし、ボールを持った時にあまりにもプレッシャーを感じてしまうようだ」とまだまだ改善すべき点があると指摘した。
開幕4連勝でニュージーランドカンファレンスだけでなく、全体1位をひた走るクルセイダーズは、3月16日の第5節はアウェイでハイランダーズ、第6節はアウェイでワラターズ、第7節はアウェイでハリケーンズと対戦する。どこまで白星と勝ち点を積み上げることができるか。
一方、泥沼の開幕4連敗となってしまったチーフスは、ニュージーランドカンファレンスだけでなく全体でも最下位となってしまった。なかなか復調の兆しが見えない中、3月15日(金)の第5節はホームでハイランダーズ戦と対戦する。
その後、南アフリカに飛んで第6節はアウェイで強豪ブルズと戦い、第7節はアルゼンチンでジャガーズと対戦する。
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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