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■ブルーズ(ニュージーランド)×サンウルブズ(日本)
■スーパーラグビー(SR)2019第4節/3月9日(土)15:35K.O./QBE スタジアム(NZ)
■チーフス撃破で勢いに乗るサンウルブズが、イオアネ兄弟ら擁するブルーズと激突。
ニュージーランド(NZ)に遠征中で、先週の第3節チーフス戦(NZ)で今季初勝利を挙げたサンウルブズが、開幕3連敗中のブルーズと敵地で対戦する。
先週のチーフス撃破は、SRの歴史に刻まれるべき勝利だったろう。
過去に2連覇(2012、2013)を経験しているチーフスが15-30で敗れると、SR公式SNSなどは、NZチームを敵地で破った日本チームへの賛辞で溢れた。
チーム新記録も作った。
昨シーズンはSR初開催の香港、準ホームのシンガポールでの勝利はあったが、アウェー勝利は参入4年目で今回が初めて。
またシーズン初勝利までの期間が過去最速。これまで参入初年度から第9節、第7節、第13節での歓喜だったが、早くも第3節で勝利を味わった。
サンウルブズ選手もリーグで存在感を示している。
WTBゲラード・ファンデンヒーファーは、第2節に続いて2週連続のSR週間ベスト15に。
SR公式スタッツでは5項目(トライ数、キャリー数、クリーンブレイク数、ディフェンス突破数、ゲインメーター)でトップ10入りし、ボールを持って進んだ距離を示すゲインメーターは「326」でダントツ1位だ。
また37歳と306日で今季SRにデビューしたLOトンプソン・ルークは、タックル項目(TACKLES WON)で、なんとリーグ1位タイの41回。これは高く評価されるべき超人的な記録だろう。
また司令塔ヘイデン・パーカーもこれまで14回あったプレースキックをすべて成功。サンウルブズは第3節を終え、プレースキックにミスのない唯一のチームとなっている。
そんなサンウルブズが第4節を戦うのは、NZ最大の都市オークランドの北、ノースハーバーのQBEスタジアムだ。
チーフス戦で負傷したSH茂野海人(左肋軟骨)、CTBシェーン・ゲイツ(右下腿)に代わり、メンバー補強のため日本からLOカラ・プライアー、SH内田啓介、そしてCTBシオネ・テアウパが追加招集された。
先発メンバーが発表されており、先週からの先発変更は5人(FW2人、BK3人)。
FWの変更は両ロックだ。トンプソンとヘル ウヴェに代わり、トム・ロウとジェームス・ムーアが入った。
BKは3人変更で、まずSHジェイミー・ブースとSO松田力也が揃って今季初先発。
先週FBだったジェイソン・エメリーがCTBに入り、FBにはセミシ・マシレワが先発を務める。
迎え撃つブルーズは、今季ここまで開幕3連敗。
しかし開幕節クルセイダーズ戦(NZ)は2点差(22-24)。
続いて南アフリカ・アルゼンチン遠征に出掛け、第2節シャークス戦はモールで劣勢となり19点差(7-26)。
第3節ジャガーズ戦は後半ロスタイムのスクラム・ターンオーバーが敗着となり、4点差の惜敗(19-23)だった。
しかし2連覇王者クルセイダーズと接戦を繰り広げ、アルゼンチン遠征でも大崩れしない強さは見せた。ただセットピースとモールは不安視されている。
指揮官は不振のタナ・ウマンガから今季ヘッドコーチ(HC)を引き継いだレオン・マクドナルド。ヤマハ発動機、近鉄でもプレーした。
今季初勝利は喉から手が出るほど欲しい状況で、マクドナルドは重厚なメンバーを揃えてきた。
ゲーム主将を務めるのは、現役オールブラックス(NZ代表)のCTBソニー ビル・ウィリアムズだ。
ブルーズのFWを牽引するNO8アキラ、NZ代表のフィニッシャーであるWTBリーコのイオアネ兄弟。
また2018年のワールドラグビー新人賞候補のPRカール・トゥイヌクアフェも登場。スクラムでサンウルブズの3番山下裕史と対峙する。
これだけでも圧巻だが、好選手はまだまだいる。
ケガから復帰のパワフルなFLブレイク・ギブソン、日野で活躍したSHオーガスティン・プル、昨年の州代表選手権でオークランド代表の優勝に貢献したCTBティノアイ・ファイアネらだ。
NZ代表で共同主将のLOパトリック・トゥイプロトゥ、PRオファ・トゥウンガファシ、仏トゥーロンから今季加入のCTBマアー・ノヌーは出場せず、昨季日本戦で黒衣デビューのFLダルトン・パパリィはリザーブスタート。
しかし世界最強レベルの大駒たちが先発し、今季初勝利をもぎ取りにくる。
先週2日、チーフス戦直後に悲報があり、2018年のブルーズに所属したPRマイク・タモアイエタ(23歳)が急死。タモアイエタの出身地域は、サンウルブズ戦の会場(QBEスタジアム)があるノースハーバー。
ブルーズにとっては訃報後初めての試合がサンウルブズ戦。ブルーズの士気はおのずと高くなる。
激しい試合が予想される「ブルーズ×サンウルブズ」は、3月9日 (土) 午後3:25からJ SPORTS 1で生中継、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信だ。キックオフが今から待ち遠しい。
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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