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いよいよ今週末からスーパーラグビーが開幕する。参入4年目を迎えるサンウルブズは、ホームのひとつ「シンガポール・ナショナルスタジアム」で南アフリカのシャークスを迎える。
昨年はオーストラリアカンファレンス最下位、全体15位だったサンウルブズだが、参入1年目からひとつずつ白星を増やし、昨年は3勝を挙げるなど徐々に力は増してきた。
日本代表に専念するためジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)が退任し、今年から日本代表でアシスタントコーチも務めるトニー・ブラウンがHCに就いた。
ただ、この試合はブラウンHCに代わり、スコット・ハンセン アシスタントコーチが、ヘッドコーチ代行としてチームの指揮を取る。
対するシャークス、昨年は7勝8敗1分、2016年から3年連続、8位でプレーオフに進出したものの、昨年も1回戦で敗れている。
だが、今年はシャークスとほぼ同じメンバーで臨んだ国内のカリー・カップで見事に優勝を果たして勢いの乗っており、2017年から指揮しているロバート・デュプレアHCの下、南アフリカカンファレンスで上位進出をうかがう。
まずは千葉県の市原、大分県の別府、オーストラリアのブリスベンで1ヶ月の合宿を重ねて開幕戦に臨むサンウルブズのメンバーから見ていこう。
FW(フォワード)は共同キャプテンのPR(プロップ)クレイグ・ミラーとヴァルアサエリ愛、HO(フッカー)にはジョージア代表のジャバ・ブレグバゼが入った。
LO(ロック)には日本代表64キャップを誇るトンプソン ルークが嬉しいスーパーラグビーデビューとなる。LOでコンビを組むのは成長著しいLOジェームス・ムーアだ。
さらに第3列には国際経験豊富なFL(フランカー)ツイ ヘンドリックとFLエドワード・カークの2人、さらに突破力に長けたNO8(ナンバーエイト)ラーボニ・ウォーレンボスアヤコが入った。
BK(バックス)は競争の激しいSH(スクラムハーフ)には茂野海人が入り、ハーフ団でコンビを組むのは正確無比なキックが武器のSO(スタンドオフ)ヘイデン・パーカーだ。
CTB(センター)陣はスコットランド代表のフィル・バーリー、シェーン・ゲイツの新戦力がコンビを組む。
バックスリーは元オールブラックスのWTB(ウィング)レネ・レンジャーと、ランとステップが武器のセミシ・マシレワ、そしてFB(フルバック)にはロングキッカーとして名高いゲラード・ファンデンヒーファーが入った。
ベンチはHO坂手淳史、PRサム・プラットリー、PR山下裕史、LOヘル ウヴェ、FL/NO8松橋周平、SH内田啓介、SO松田力也、そして共同キャプテンのCTBマイケル・リトルが控える
LOトンプソンなど7人がサンウルブズのデビュー戦となる。また、23人中日本代表キャップホルダーが10人、2019ワールドカップに日本代表として出場する可能性のある選手が4人という布陣になった。
まずは南アフリカ特有のフィジカルに長けたシャークス相手にしっかりとセットプレー、ディフェンスで我慢すること。
そして、SOパーカーのPG(ペナルティゴール)などで接戦に持ち込み、後半最後の20分でパスとキックを織り交ぜた速い展開でトライを重ねて勝利を呼び込みたいところだ。
ハンセンHC代行は「2019年は日本ラグビー界とサンウルブズにとって期待の高まる年となります。我々は、日本だけではなくアジア全体を代表し、スーパーラグビーでプレーするサンウルブズのことを誇りに思っています」。
「シャークスはスーパーラグビーにおいて成功してきたチームです。シーズンの始まりで、このようなチームと対戦できることを楽しみにしています」と意気込んだ。
共同キャプテンのPRミラーは「プレシーズン期間では、スーパーラグビーというタフなコンペティションの中で生き抜くための、しっかりとしたベースができ上がりました」。
「シンガポールにおいては気温などのコンディションは重要なポイントになると思います。シャークス戦は大きなチャレンジになると思いますが、それに挑む準備はできています」と腕を撫した。
日本代表やサンウルブズで激しいポジション争いをしているSH茂野は「グランド内外でコミュニケーションを深めることで、ゲームプランも明確になり、チームとしていいプレシーズンを過ごせた」。
「昨年、初めてシンガポールで勝利しましたが、この期間で築いたサンウルブズのラグビーをしっかりと出し、いい結果に結びつけたい」と手応えを口にした。
次にシャークスのメンバーを見ていこう。FWはPRには「ビースト」ことテンダイ・ムタワリラとコーニー・ウーストハイゼンとスプリングボクス経験者が並ぶ。
LOはクボタでも活躍したルアン・ボタ、FLにはヘッドコーチの息子のひとりダニエル・デュプレアらが入った。
BKはキャプテンのSHルイ・シュラウダーと、ヘッドコーチの息子のSOロバート・デュプレアがハーフ団を組む。CTBは宗像サニックスでもプレーしたアンドレ・エスターハイゼンとルカンヨ・アムのスプリングボクス経験者。
WTBはマカゾレ・マピンピ、シブ・ンコシの2人、さらにFBにはこの試合がデビュー戦となる21歳の若きFBアファレレ・ファッシが入った。
ファッシ以外にも控えにライオンズ戦(14-19)、ブルズ戦(7-7)といったプレシーズンマッチで活躍した3人もメンバー入りしたため、デュプレアHCは「若い選手たちはワクワクしている。機会を与えれば成長するし、競争が激しくなる」と若い選手たちの活躍に期待を寄せた。
シャークスは、サンウルブズより優位なフィジカルでセットプレーや接点でプレッシャーをかけてくるはずだ。またFW、BKにも能力の高い選手も多く、上手くかみ合うとサンウルブズにとっては驚異となろう。
サンウルブズはシャークスと過去3戦し、2016年は南アフリカのダーバンで29-40、2017年はシンガポールで対戦し17-38、2018年ダーバンで戦い22-50と3連敗中だ。暑さと湿気を味方につけて、今年こそ初勝利を挙げたい。
「プレーオフ進出」を目標に掲げる『日出るオオカミ』が今年こそ、『サメ軍団』に勝って、勢いに乗ることができるか。
ワールドカップイヤーで注目されるサンウルブズの開幕戦は、2月16日(土)、シンガポール・ナショナルスタジアムで行われる。
J SPORTS 1では午後7:30より生中継。また、J SPORTSオンデマンドでもLIVE配信される。
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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