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ついに頂点を極める時が来た。明治大学最後の一戦は、関西リーグ覇者・天理大学と対戦。今回のテーマは1年間の目標にしてきた『EXCEED』を掲げた。すべては昨年度の準優勝を越え、決勝で勝つために。天王山の戦いに臨んだ。
前半は早々に先制を許す展開となるが、すぐに流れを引き寄せ12-5。後半は、FW(フォワード)が伝統の『前へ』を実践し、一時17点差まで広げた。
22-17で、最後はノックオンを誘いノーサイド。昨年度の悔しさを越え、22年ぶりの優勝を果たした。
決勝にふさわしい白熱した試合となった。今年度、1勝もしていなかった天理大に対し、「1年間積み上げてきたものをぶつけようと思った」(SH/スクラムハーフ福田健太主将・法4=茗溪学園)と意気込んだ。
前半開始早々、自陣での天理大ボールラインアウトから先制を許した。準決勝と同じ展開に不穏な空気となったが、「ある意味明治らしいラグビーだった」(WTB/ウイング高橋汰地・政経4=常翔学園)。冷静さを失うことはなかった。
すると、前半7分。FB(フルバック)山沢京平(政経2=深谷)の大外へのロングパスを受け取ったWTB山崎洋之(法2=筑紫)がインゴール右隅にグラウンディング。5-5の同点に追いついた。
さらに、迎えた22分、敵陣22mライン付近でのラインアウトをキープ。福田健が前方にスペースを作り出すと、背後から走り込んだ高橋汰がトライを挙げ12-5とした。「準備してきたプレー。練習通りにトライできた」(高橋汰)。
その後は、天理大に自陣深くまで攻め込まれる場面もあったが、得点を許さず。終始明治ペースとなり前半を12-5で折り返した。
後半は、FWが伝統の『前へ』を実践する。前半12分、敵陣10mライン付近でのマイボールスクラムで相手のペナルティを誘い、PG(ペナルティゴール)を選択。FB(フルバック)山沢京平が決め、15-5と突き放した。
続く後半21分、またも敵陣22mライン付近でのマイボールスクラムからゴール前まで前進した。FW陣のピックアンドゴーを重ね、最後はHO(フッカー)武井日向(商3=国学院栃木)がゴール中央にトライ。
「少しでも前に出ようと思っていた」(武井)。これで22-5と、17点差まで広げた。
その後、天理大の留学生選手3人、主将の島根一磨(天理大)を中心とした展開ラグビーの猛攻を受け、2トライを返された。
それでも、12月に行われた関東大学対抗戦の早稲田大学戦の敗戦から、猛練習し続けてきたディフェンスで粘り強く守り抜いた。
昨年度の決勝での敗戦から「本気で優勝を目指さないといけない集団」(福田健)となった明治は、「勝つためにディフェンスが必要ということを選手同士が理解して取り組んだ結果」(田中澄憲監督)だった。
22-17で最後は、ノックオンを誘いノーサイド。昨年度の悔しさを越え、22年ぶりの優勝を果たした。
快挙の裏には「我慢強さ」(田中監督)があった。22-17で試合終了まで残り4分、自陣でのボールキープを試みた。
しかし、相手FWのプレッシャーに押され相手ボールへ。自陣でのスクラムとなった。絶体絶命の状況の中でも「全員がもう一度ボールを奪い返してやるという気持ちだった」(福田健)。
CTB(センター)森勇登(政経2=東福岡)がタックルに入った瞬間、相手がノックオン。昨年度の決勝での経験を活かし、最後まで集中力を切らすことはなかった。
「今日まで決して楽な道のりではなかった」(福田健)。今大会は対抗戦4位扱いで3回戦からの出場。
それでも「選手権に入っても成長し続けていた」(田中監督)と、昨年度の悔しさを晴らすために、選手一人一人が昨日の自分を越えていった。
来年度は大学王者として追われる立場となるが「慢心することなく、まだまだ成長できる部分はたくさんある」(武井)。今年度を越えるためさらに『前へ』進む。
文:高橋昇吾/写真:藤里陽(明大スポーツ)
明大スポーツ新聞部
1953年(昭和28年)創部。現在明治大学において唯一の学生新聞部。明治大学体育会43部の競技成績や、学内外の話題を幅広く紙面・WEBサイト上にて掲載、発信。 現在の部員数は56名。
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