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1月7日(月)、全国51校が出場した「花園」こと、全国高校ラグビー大会は決勝戦で、大阪桐蔭(大阪第1)が桐蔭学園(神奈川)を26-24で下し、平成最後の大会を終えた。
ここでは今年度の大会で印象に残った1・2年生を紹介していきたい。まずは、決勝戦に進出した桐蔭学園で1年生ながら、NO8(ナンバーエイト)で、先発し続けた佐藤健次は強烈なインパクトを残した。
FL (フランカー)西山周作(3年)のケガの影響もあり、神奈川県予選から桐蔭学園の先発として抜擢。
花園では「突破力でアピールしたい!」という言葉通り、桐蔭学園の初戦となる2回戦から、NO8のジャージーを着てフィジカルの強さを見せた。
身長175cm、体重93kgの恵まれた体格の佐藤は、中学時代は横浜ラグビースクールを、太陽生命カップで優勝に導いた主将で、エースWTB(ウィング)だった。
小学校まで高崎ラグビークラブに在籍し、ラグビースクールの先輩のPR(プロップ)/HO(フッカー)堀越康介(サントリー/日本代表)らが桐蔭学園でプレーしていたこともあり、「憧れていた」という同校に進学。
高校に入ると、すぐにFW(フォワード)第3列にコンバートされて、実力をいかんなく発揮している。
残念ながら優勝は叶わず、さすがに落胆した表情を見せていたが、「最後は負けという形で終わってしまいましたが、5試合を通じて(花園は)自分が一番大きく成長できる場所でした」という言葉を残し、初めての花園を後にした。
その他、1年生では千葉県勢初の準決勝に進出した流通経済大柏(千葉)のFB(フルバック)浅見亮太郎、準々決勝で敗退した常翔学園(大阪第3)にはLO木戸大士郎。
同じく準々決勝で敗れた報徳学園では、PR西崎海人、CTB(センター)竹ノ内堅人、WTB植田和磨の3人が先発として活躍。
3回戦で敗退した茗渓学園(茨城)のPR亀山昇太郎(1年)、京都成章のLO(ロック)本橋拓馬(1年)も将来性を感じさせた。
次は2年生を見てみよう。昨年度の大会で、1年生ながらインパクトを残した3選手が2年生になって、成長した姿を見せ、再び花園で躍動した。
その筆頭は大阪桐蔭のFL/NO8の奥井章仁(2年)だ。身長178cm、体重107kgの巨漢を活かして、「自分がキャプテンだと思ってプレーし、声かけも積極的にしている」と2年生ながらチームを引っ張り、初優勝に大きく貢献。
奥井は「キャプテン中心にしんどいことやってきて自分自身も嬉しいし チーム全体でも100点のプレーができた」と胸を張った。
大阪桐蔭では突破力でトライを重ねていたPR江良颯、SH(スクラムハーフ)萩原周、司令塔SO(スタンドオフ)嘉納一千、WTB野村将大らも2年生で、来年度の活躍にも大いに期待がかかる。
桐蔭学園のFB(フルバック)伊藤大祐(2年)も、今年度も大会を沸かせたひとりだった。決勝戦でも素晴らしい個人技でチャンスメイクした。
昨年度はCTB(センター)だったが、FBへとコンバート。カウンターから何度もゲインを繰り返している。前回大会は緊張したが、その経験もあり「落ち着いてプレーできた。来年こそ優勝したい」と先を見据えた。
桐蔭学園には他にも、PR床田淳貴、準決勝でチームを決勝に導く出色の出来を見せたFL渡邉誠人、力強いランで決定力のあるWTB西川賢哉の3人も2年生ながら躍動感あるプレーを見せた。
準決勝で敗退した東福岡(福岡)、50m 5.8秒の快足WTB志氣陸王(2年)も、そのスピードを活かし、今年度も大活躍。通算8トライの大活躍と爆発した。
また、東福岡の左WTB高本とむ(2年)は、選抜大会時は控え出場も多かったが、ウェイトトレーニングを重ねて強さも身につけた。
藤田雄一郎監督に「トライが取れる」とアタックで評価され、今大会は2年生ながら先発を続けて、志氣を上回る9トライを挙げてブレイクした。
他にも東福岡にはPR川崎太雅、LO森山雄太、FL井上風雅、NO8西濱悠太、SO/CTB廣瀬雄也が2年生で先発しており、今年度の悔しい経験を糧に、来年度はより強いチームとなって花園に戻ってくるはずだ。
他にも千葉県勢初のベスト4に進出した流通経済大柏には、準々決勝で逆転トライを挙げたHO作田駿介がおり、2年生ながら落ち着いたスローイングやスクラムで勝利に貢献した。
2年生HOと言えば、1回戦で敗戦したが本郷(東京第2)のHO福澤慎太郎も突破力に長けた選手である。
最後に、しなやかな走りをラグビーファンに印象づけたのは報徳学園FB山田響(2年)だ。
山田は昨年10月、アルゼンチンのブエノスアイレスで行われたユース五輪に、大学1年生、高校3年生の選手が中心だったが、高校2年生ながら唯一7人制ユース日本代表として抜擢。
地球の真裏で行われた国際大会に桜のジャージーを着て活躍し、南アフリカ代表を2度倒して、銅メダルを獲得に貢献した。
「ユース五輪でプレーした経験が生きた」という山田は、準々決勝の大阪桐蔭戦では敗れたしたものの、ロスタイム、自陣から60mほどを1人で走りきってトライを挙げた。
1・2年生たちは、来年度も当然高校生であり、すでに日本一を目標に新チームが始動し、切磋琢磨しているはずだ。
各都道府県予選を勝ち抜くことが大前提となるものの、きっと再び、新しい元号となった2019年度の年末、花園ラグビー場とラグビーファン、スポーツファンを沸かせてくれるに違いない。
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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