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単独校で花園予選に参加できなかった選手に夢を与える「もうひとつの花園」。U18合同チーム東西対抗戦が、1月7日に行われた。
今年度の舞台も、決勝前の花園第1グラウンドだ。
今夏の「KOBELCO CUP 2018」第14回U18全国高校合同チーム大会の参加選手から選抜された、計50人の高校ラガーは、辿り着いた聖地を精一杯に駆けた。
2008年度のスタートから第11回目を迎え、通算対戦成績は西軍の6勝4敗。
午後12時15分キックオフの大一番で、序盤は一進一退の攻防が続いた。
東軍は前半6分、相手ラインアウトでLOブルースケオン(東京・ブリティッシュスクールイントウキョウ昭和)がカット成功。
急造チームとは思えぬラインアウトDFを見せると、東軍SO安藤(東京・玉川学園)がライン突破。さらにフリックパスも披露するが、ここは西軍FB犬飼(岡山・創志学園)が好守でピンチを救う。
先制点は西軍だった。
前半16分、この日強力な突進を再三見せた西軍WTB石川(沖縄・美里)がインターセプト。
敵陣ゴール前に侵入すると、オーバーになったラインアウトスローを捕球し、西軍PR大家(岡山・岡山一宮)が押し込みファーストトライ。FB犬飼(岡山・創志学園)のゴールは不成功で5-0。
逆転したい東軍はFB曽我(玉川学園)らが好走で見せ場を作るが、西軍FL川上(熊本・東稜)がジャッカルなどで奮闘し、主導権を渡さない。
しかし東軍は相手反則から敵陣へ侵入。
ゴール前ラインアウトからFWで攻勢をかけると、前半24分、LO松宮(青森・弘前学院聖愛)が東軍ファーストトライ。
WTB海野(静岡・常葉大学付属橘)のキック成功で、逆転に成功した。5-7
東軍の2点リードで迎えた後半は、開始から両軍リザーブが全員出場。
東軍16番長久(富山・砺波工業)はキャリーで目立ち、西軍19番玉木(沖縄・名護商工)は好タックル。
それぞれが特徴を披露するなか、東軍はキックカウンターから連続攻撃。
途中出場の25番金(愛知・愛知朝鮮)が切れ味鋭いステップで外勝負に勝利。インゴールを奪い、リードを7点(5-12)に広げた。
しかし西軍はここから3連続トライを奪った。
追撃のきっかけは、ブレイクダウンで絡んだ西軍17番難波(岡山・創志学園)の働き。
ペナルティから敵陣に侵入した西軍は、混戦からWTB石川(沖縄・美里)が内へ切れ込み豪快なトライ。
25番大谷(兵庫・西宮甲山)のコンバージョン成功で、ついに12-12の同点に追いついた。
ここから西軍の攻撃がテンポアップ。
17番難波、FB犬飼(ともに岡山・創志学園)がコンビプレーで突破を見せれば、22番蕨迫(大分・由布)も鋭く防御網を切り裂く。
東軍は前半の反則が「2」だったが、後半は「6」になりエリア後退が増えた。
後半15分にはゴール前のクイックスタートから、FL川上(熊本・東稜)が突進して連続トライ(ゴール成功)。19-12と勝ち越した。
さらに西軍はWTB石川(沖縄・美里)の猛タックルから敵陣で攻守交代。
敵陣に居座り、最後は後半22分、17番難波(岡山・創志学園)が突進してインゴールへ飛び込んだ。
25番大谷(兵庫・西宮甲山)は3連続ゴール成功で、スコアは26-12に。
追いかける東軍。
後半25分過ぎには東軍スクラムハーフの21番村上(長野・長野西)がジャッカル成功。
終盤になり攻防はより激しくなり、西軍24番辻谷(広島・福山誠之館)、東軍25番金(愛知・愛知朝鮮)らが好タックルで会場を沸かせる。
しかし最後は西軍がタッチへ蹴り出し、26-12のまま勝利。通算対戦成績を7勝4敗とした。
しかし両軍選手は勝敗よりもずっと大きな財産を手にしたはずだ。
東軍の先発LOとして躍動した松宮(青森・弘前学院聖愛)の言葉は、充実感に満ち溢れていた。
「1、2年生のときは、夢のまた夢の舞台でした。人生の中でも最も大きな試合だと思います」
この日メンバー入りした計50人全員が、花園のピッチを踏みしめた。
2018年度の東西両軍メンバーはこの日の勇姿を勲章にして、それぞれの舞台へ歩み出す。
2018年度 U18東軍メンバー
| 1 | 小栗丈昌(東京・桜美林) |
| 2 | 中澤遼太(東京・関東第一) |
| 3 | 小山師基(福島・安積) |
| 4 | 松宮龍太郎(青森・弘前学院聖愛) |
| 5 | ブルースケオン壮太(東京・ブリティッシュスクールイントウキョウ昭和) |
| 6 | 小泉敦矢(東京・成城学園) |
| 7 | 望月雄三(静岡・常葉大学付属橘) |
| 8 | 金原慶宗(愛知・南山)※キャプテン |
| 9 | 兪翔也(愛知・愛知朝鮮高級) |
| 10 | 安藤稜真(東京・玉川学園高等部) |
| 11 | 海野孝太(静岡・常葉大学付属橘) |
| 12 | 曽根将志(愛知・日進西) |
| 13 | 山木康平(北海道・中標津) |
| 14 | 吉田拓未(北海道・釧路工業) |
| 15 | 曽我太智(東京・玉川学園高等部) |
| Re. | |
|---|---|
| 16 | 長久奏汰(富山・砺波工業) |
| 17 | 米村圭大(愛知・南山) |
| 18 | 和泉魁(東京・都立田無工業) |
| 19 | 目時隆聖(秋田・大館桂桜) |
| 20 | 渡會剛士(北海道・市立函館) |
| 21 | 村上大生(長野・長野西 |
| 22 | 上田賢信(石川・県立工業) |
| 23 | 川島智紀(東京・修徳) |
| 24 | 辻口歩(北海道・函館工業) |
| 25 | 金晃(愛知・愛知朝鮮高級) |
2018年度 U18西軍メンバー
| 1 | 大家光太郎(岡山・岡山一宮) |
| 2 | 甚川恭佑(大阪・島本)※キャプテン |
| 3 | 今藤堅太(兵庫・県立尼崎) |
| 4 | 伊賀上修吾(高知・高知工業) |
| 5 | 越智康誠(岡山・岡山工業) |
| 6 | 酒井康生(鳥取・倉吉東) |
| 7 | 川上泰生(熊本・東稜) |
| 8 | 橋和城(大阪・富田林) |
| 9 | 大城爽(沖縄・名護商工) |
| 10 | 奥田照己(奈良・高田) |
| 11 | 尾方道史(愛媛・新居浜東) |
| 12 | 伊藤武蔵(愛媛・東予) |
| 13 | 川浪創太郎(大阪・天王寺) |
| 14 | 石川留依(沖縄・美里) |
| 15 | 犬飼慎一郎(岡山・創志学園) |
| Re. | |
|---|---|
| 16 | 文野元登(高知・高知工業) |
| 17 | 難波佳介(岡山・創志学園) |
| 18 | 朝長篤生(長崎・大村) |
| 19 | 玉木瑛士(沖縄・名護商工) |
| 20 | 半田歩夢(兵庫・姫路工業) |
| 21 | 梨羽大誠(福岡・宗像) |
| 22 | 蕨迫辰巳(大分・由布) |
| 23 | 早見辰(熊本・専修大学玉名) |
| 24 | 辻谷明真(広島・福山誠之館) |
| 25 | 大谷優太(兵庫・西宮甲山) |
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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