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ラグビー コラム 2019年1月4日

平成最後の「花園」ベスト4出揃う!第98回全国高校ラグビー大会・準決勝プレビュー

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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全国高校ラグビー大会 準決勝

12月27日に開幕した平成最後の「花園」第98回高校ラグビー大会は、ついにベスト4が出揃った。

1月5日(土)に聖地・東大阪市花園ラグビー場(第1グラウンド)で行われる準決勝2試合は、ファン必見の熱い試合が予想される。

第1試合「大阪桐蔭(大阪第1)×流経大柏(千葉)」/12:45K.O.

昨季準優勝の大阪桐蔭(Aシード)と、初のベスト4進出を遂げた流経大柏(Bシード)が激突する。

大阪桐蔭を優勝候補筆頭に挙げる指揮官は少なくない。

桐蔭学園(神奈川)の藤原秀之監督は、今春の選抜大会から「頭ひとつふたつ抜けているチーム」と評し、対戦相手となる流経大柏の相亮太監督も、準々決勝後に「今大会で一番力のあるチームだと思っています」と語った。

チームの看板は、FL奥井章仁(2年)擁する強力FW。準々決勝の報徳学園戦(兵庫)では、FWが再三ゲインラインを突破するなどして38-17で勝利した。

しかしBKも完成度が高く決定力がある。

攻守に頼もしく「ザ・センター」といった風格のCTB松井千大キャプテン(3年)、今夏からCTBで起用されている司令塔タイプの高本幹也(3年)ら、スキルフルな選手が揃う。

対する流経大柏は、今もっとも勢いのあるチームと言えるかもしれない。

常翔学園(大阪第3)との準々決勝では、14点ビハインドの後半17分から3連続トライで逆転勝ち。

指揮官の相監督は「『今日は45分間は辛抱しなさい』という話をしていました」という。

「常翔学園さんの動きが止まる時間帯がそのくらいという分析があったので、残り15分で勝負しようという話をしていました」(流経大柏・相監督)

監督を始めとするスタッフのプランを信じ、選手たちが残り約15分で見事に逆転を遂げた。

今季の流経大柏といえば、今年7月の全国7人制大会を制したBK陣だろう。

センス溢れるSH諸井琉哉(3年)、SO家村健太(3年)のハーフ団に、CTB土居大吾(3年)、快足フィニッシャーのWTB永山大地(3年)らが揃う。

しかしPR葛西拓斗キャプテン(3年)をはじめとするFWには、LO星野竜輝(3年)、LO八木澤龍翔(3年)ら昨年度レギュラーのハードワーカーが並んでおり頼もしい。

12時45分キックオフの第1試合で、流経大柏とすればFW戦で相手に自信を与えないことが重要になるだろう。FW戦で優勢になれば、大阪桐蔭のプランを崩すことができる。

大阪桐蔭は、大会随一の強力FWから主導権を握るか。いつものように接点勝負で勝つことができれば、才能溢れるBKも加勢し、スコアが重なっていくことだろう。

第2試合「東福岡(福岡)×神奈川(桐蔭学園)」/14:30K.O.

昨季ベスト4の東福岡(Aシード)と、選抜大会優勝の桐蔭学園(Aシード)の対決が実現した。

準々決勝では長崎北陽台(長崎)の挑戦を12-40で退けた東福岡。

藤田雄一郎監督は試合後、ベスト4進出について「大きな通過点。1年間の活動の証だと思います」と手応えを語った。

「これで6年連続でベスト4に入った。チームのカルチャーができてきたということだと思います」

185㎝の福井翔大(現パナソニック)らを擁した昨季と比べ、小柄になったと言われる東福岡だが、強靱なフィジカルと豊富なスキル、抜群の展開力は健在だ。

FW陣にはHO福井翔キャプテンをはじめ、昨季主力のPR木原優作(3年)、FL小島雅登(3年)らの高校日本代表候補が存在感。

BKはこちらも高校代表候補のSH友池瞭汰、SO吉村紘のハーフ団が展開の起点だ。

対する桐蔭学園のハーフ団も注目だ。

キャプテンのSH小西泰聖(3年)は、今年10月のユース五輪の7人制代表として銅メダル獲得を経験。

SH小西とコンビを組むSO津田貫汰(3年)は足技が光る。

44-29で制した準々決勝の天理戦(奈良)では、陣地獲得のキックが冴えたほか、強風のなか5本のコンバージョンキック+3PGを全成功。藤原監督が「10番の役割を果たしてくれた。今日は彼の勝利」と絶賛した。

もちろん副将のLO今野勇久(3年)を始めとするFWの奮闘が、桐蔭学園の強みである高いボール保持率には欠かせない。NO8佐藤健次といった楽しみなルーキーも登場している。

ハンドリングスキル、展開力に長ける両軍。ひとつの笛、一つのプレーが勝負を分ける熱戦が期待される。

佳境を迎えた第98回全国高校ラグビー大会準決勝は、1月5日(土)午後0:40からJSPORTS 1で生放送、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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