筑波大学・古川監督インタビュー「メンバー全員が納得できるプレーを」。ラグビー大学選手権

2005年からチームを率いてきた古川監督

関東大学対抗戦を5位で終え、3年ぶりに全国大学選手権出場の切符を手にした筑波大学。

2005年に監督就任。12年には創部以来初となる対抗戦優勝を果たし、同年と14年にはチームを全国大学選手権準優勝へと導いた古川拓生監督（体育系・准教授）に話を聞いた。

――　今シーズンの対抗戦を振り返って下さい

開幕戦から早稲田大学、慶應大学、明治大学といった伝統校に勝てなかった。雰囲気が悪くなってしまった中でも、うまくいかなかった部分をシーズン中に改善していく取り組みはしっかりやってきた。

最終戦の帝京大学にも力は及ばなかったが、筑波大がやりたい形は徐々に出せてきている。スコアほど落ち込む内容ではなかった。

――　今シーズンの成長と課題は？

今シーズンは「個で勝つ」ことを目標にしてきた。対抗戦序盤は相手の流れを止める、いいタックルを決めることができなかったが、終盤にかけて決まるようになった。

最終戦の帝京大相手にも、ある程度できたことは手応えを感じる。しかし、タックルだけでは完全に流れは変えられない。タックルの後にボールを奪えるかが課題だ。

――　3年ぶりの大学選手権出場となりました

4年前は対抗戦5位から大学選手権で準優勝した。逆に、対抗戦で上位に入っても大学選手権で勝てないこともあった。それだけ対抗戦グループのレベルが高い。

本来、各グループで3チームしか大学選手権に出場できないが、今年の対抗戦グループは昨年の結果から5位まで与えられた。今回の出場は対抗戦グループの恩恵に過ぎない。

ただ、5位だから「対抗戦のおまけ」のように思われたくない。対抗戦を戦い抜いた強さ、筑波大の強さを示していきたい。

3年前、4年前にも初戦で戦った大東大

――　大学選手権、初戦の相手は偶然にも3年前、4年前と同じ大東文化大学。どういったチームですか？

筑波大は個々の能力が非常に高い、大東大や天理大学が一番苦手。大東文化大はファカタヴァ兄弟など留学生選手が特に強い。更に、スクラムは大学1、2を争う強さを持っている。

14年には大学選手権で準優勝したが、ヤマ場は初戦の大東大戦だと思っていた。当時はホセア・サウマキ（キヤノンイーグルス）をいかに抑えるかが焦点で、14年は抑えて勝利できたが、3年前の15年は留学生選手を防ぎきれず、負けてしまった。

――　筑波大としてはどう戦いますか？

個に秀でた人間を止めるのに、どれだけ少ない人数で抑えることができるかが焦点。一方、大東大は個々の能力が高い分、組織としては劣る。攻撃面ではテンポよく攻めることで、相手に守備の組織を作る前に攻めたい。

そのためには、接点で圧力をかけてくる相手に対し、FW（フォワード）8人がどれだけハードワークをして、SH（スクラムハーフ）杉山優平（体専3年）にいいボールを供給できるかが鍵となる。

――　大学選手権を戦っていくには何が必要ですか？

トーナメント戦は「勢い」。何かのきっかけで選手は劇的に変わる。そのきっかけをつかんで欲しい。

また、負けたら終わりのため、目の前の一戦にかける思いはもちろんある。帝京大戦後、対抗戦の時とは違った、一戦に向けた思いの込もった準備ができている。

――　大学選手権の意気込みをお願いします

メンバー全員が納得できるプレーをして、大会を終えることが一番の願い。

高校生含め、見ている人たちがこういうラグビーがしたい、筑波大でラグビーがしたいと思ってもらえるような試合、プレーをしていきたい。そして感動を与えたい。

聞き手：明石尚之（筑波大学新聞）／写真：筑波大学新聞

◆ラグビー大学選手権3回戦
・12月16日（日）午後2:05　大東文化大学 vs. 筑波大学
※J SPORTS 4で生中継、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信