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1週間前に行われた早稲田大学との伝統の1戦では、わずかな点差に泣いた慶應義塾大学。
対抗戦最終戦となる青山学院大学との対戦では、相手を圧倒して勝利し、大学選手権へ弾みをつけたいところだ。
慶大のキックオフで試合は始まった。試合開始直後、慶大は青学大の反則から敵陣22mライン付近でのマイボールラインアウトを得る。
そこからボールをテンポ良くつないで、ゴールラインへじわじわと攻め込むと、前半3分にPR(プロップ)細田隼都(商4・慶應)がトライを決め、早くも先制点を得た。
続く11分、またも敵陣でのラインアウトを得ると右へ展開、最後はLO(ロック)植竹創(商4・湘南)がゴールへと独走しトライを奪った。
波に乗った慶大の猛攻はこの後も止まらない。16分に敵陣ゴール前でマイボールスクラムのチャンス得るとそのまま押し込みNO8(ナンバーエイト)山中侃(商4・慶應)がグラウンディング。
20分にも敵陣右サイド22mライン付近のラインアウトを成功させると、華麗なパス回しで左サイドへと展開、WTB(ウィング)小原錫満(総4・東海大仰星)が相手ディフェンスをかわしトライを決めた。
慶大は得意とするラインアウトからのモールでゴールへ押し込み、26分にもHO(フッカー)安田裕貴(政3・慶應)がトライを奪い、得点を重ねていった。
さらに慶大は、32分にSO(スタンドオフ)古田京(医4・慶應)が相手ディフェンスをかわしてインゴールへ飛び込み、青学大を突き放した。
その直後の34分、意地を見せた青学大に自陣ゴール前での相手ボールのラインアウトから、この日初めてのトライを許してしまったものの、前半終了間際の42分にFL(フランカー)辻本大河(法4・慶應)のトライで取り返した。
地力の差を見せつけた慶大は前半を49-5と大差をつけて終えた。
さらにリードを広げたい慶大が迎えた後半。5分にFL山本凱(経1・慶應)がビックゲインを見せ、そのままトライを決めると、9分にCTB(センター)阿部直孝(政1・國學院久我山)もゴールの中央へ飛び込んでトライ。
ルーキー2人が立て続けに得点を挙げ慶大を勢いづけると、HO中本慶太郎(経4・慶應)が2連続トライ、
さらにゴールライン付近まで攻め込んだFL濱野剛己(総2・桐蔭学園)のボールを受け、PR有賀光生(総3・國學院久我山)もトライを奪った。
前後半通してここまで相手を圧倒してきたが、ここから青学大の反撃が始まる。27分、青学大は慶大陣地内でスクラムを得るとそこからパスでボールをつなぎ果敢に攻め込んできた。
慶大は必死のディフェンスで前進を食い止めようとするも、ついに29分、ディフェンスの間を抜かれ失トライ。
これで青学ペースに飲まれてしまうと、33分、左右を大きく使った青学大のアタックに翻弄され、またもトライを許してしまった。
青学大の反撃に対して黙ってはいられない慶大は、相手のパスミスを逃さずボールを奪ったWTB沖洸成(総2・尾道)がトライ。
さらに試合終了間際、WTB丹治辰碩(政4・慶應)がゴール間際まで運んだボールをSH(スクラムハーフ)若林俊介(政2・慶應)が受け、インゴールに飛び込みトライを決めた。
SO南翔大(総4・常翔学園)のゴールキックも決まったところでノーサイド。主導権を奪い返し、青学大の追加点を許さず98-17で圧勝した。
早慶戦で課題となったラインアウトは「練習の成果を試合で出すことができた」(安田)というコメント通り、高い修正能力をみせて、今試合ではすべて成功、勝利を呼び寄せる一つの要因となった。
また、全体を通して多彩な攻撃でトライを量産し、青学大を圧倒できたことは大きく評価できるだろう。
だが、帝京大学が1トライ1ゴールに、明治大学、早大は0点に抑えてきた相手に17点を奪われてしまったことは、満足できないはずだ。
特に、後半にボールを持たれたままターンオーバーできず苦しい時間が続き、ついには連続でトライを決められてしまう場面もあり、ディフェンス面では課題が見られた。
最終戦を白星で飾った慶大は、対抗戦を5勝2敗で終え、3位で大学選手権へと進む。目標としている優勝へは、ここから負けなしの4勝が必要となる。
全国の強豪を相手に、負ければ終わり、というプレッシャーもかかる厳しい戦いとなるだろう。
しかし、対抗戦を通してより一層の成長を遂げてきた彼らの総力を結集すれば必ずや乗り越えていける壁だ。
まずは12月16日(日)の京都産業大学との戦いでの1勝をチーム一丸となってもぎ取り、悲願の「大学日本一」へ確実に歩みを進めていってほしい。
文:松嶋菜々美/写真:重川航太朗、竹内大志(慶應スポーツ新聞会)
慶應スポーツ新聞会
慶應義塾大学文化団体連盟所属の公認サークル。通称ケイスポ。全40ある体育会の取材から記事の執筆、年7回の新聞製作まで全て学生の手で行う塾内唯一のスポーツ新聞サークル。部員数約50名、35年の歴史を持つ。»慶應スポーツWebサイト
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