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ラグビー コラム 2018年12月3日

サントリー、クボタの猛追を振り切り準決勝進出。トップリーグ

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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今年のトップリーグは10月までにリーグ戦7試合が終わり、11月は日本代表などのテストマッチが行われるウィンドウマンスやカップ戦を挟んで、12月に総合順位決定トーナメントが始まった。

12月1日(土)、東京・秩父宮ラグビー場では優勝を賭けた上位トーナメント1回戦が行われ、レッドカンファレンス2位で3連覇を目指すサントリーサンゴリアスと、ホワイトカンファレンス3位のクボタスピアーズの一戦が行われた。

先週、日本代表初キャップのCTB梶村

負けたら優勝がなくなる大一番とういことで、1万1770人の観衆が集まった。

サントリーはSH(スクラムハーフ)流大キャプテンを始め、先週、ロシア代表戦で日本代表初キャップを獲得したCTB(センター)梶村祐介と、欧州遠征に参加していた2人が先発。

HO(フッカー)堀越康介、FL(フランカー)西川征克、NO8(ナンバーエイト)ツイ ヘンドリック、CTB中村亮土といった日本代表勢もリザーブに入った。

9月末以来の試合となったサントリーFB松島

また、左脚の負傷で日本代表に不参加だったFB(フルバック)松島幸太朗も復帰し、さらにNO8(ナンバーエイト)ショーン・マクマーン、SO(スタンドオフ)マット・ギタウとワラビーズ経験者もスターターに名を連ねた。

対するクボタは、11月の日本代表のメンバーに入らなかったが、実績十分のキャプテン立川理道がCTBに。

現役南ア代表、NO8フェルミューレン

現役南アフリカ代表のNO8ドゥェイン・フェルミューレン、そしてFLピーター・ラピース・ラブスカフニとFBゲラード・ファンデンヒーファーと、来年もサンウルブズの一員として戦う2人などが先発した。

14時、クボタのキックオフで始まった試合は、前半10分を過ぎた頃からサントリーのペースとなる。

14分、サントリーは敵陣左ゴール前スクラムからNO8マクマーンが突破し、右に展開。

サントリーWTB中鶴

FB松島から右隅でパスを受けたWTB(ウィング)中鶴隆彰はタックルされたものの、松島が押しこんでトライ。SOギタウのコンバージョンは失敗したが、サントリーが5-0と先制する。

さらに、18分サントリーは敵陣左奥でクボタのFBファンデンヒーファーの蹴ったボールをCTB梶村がチャージし、そのままトライ。

「(ファンデンヒーファーが)13番に入ったら僕がプレッシャーをかける予定でした」と若きCTBは胸を張った。SOギタウのゴールも決まり、12-0。23分にもSOギタウのPG(ペナルティゴール)で3点を加え、15-0とした。

ディフェンディングチャンピオンの勢いは止まらず、23分、敵陣右10mライン手前ラインアウトから左に展開。

SOギタウの突破で相手ゴール前に迫り、ラックから近場を攻め、最後はNO8マクマーンが相手のタックルを弾き飛ばし、ゲインし左中間にトライ。SOギタウのゴールも成功してサントリーが22-0と大きくリードを広げた。

このまま一方的な展開に鳴ると思われたが、リーグ戦、カップ戦と合わせて8連勝中のクボタが息を吹き返した。

前半35分、敵陣内のゴール前スクラムからNO8フェルミューレンがアタックし、ラック形成後、素早くFL末永健雄が持ち出しトライ。FBファンデンヒーファーのゴールも成功し、22-7とする。

しかし、サントリーは39分、相手のペナルティからSOギタウがPGを落ち着いて沈め、25-7とリードしてハーフタイムを迎える。

後半開始早々、18点を追うクボタが反撃の狼煙を上げる。2分、敵陣左ゴール前でのラインアウトからモールを押し込み、そのままFL末永が、この日2本目となるトライ。FBファンデンヒーファーのコンバージョンも成功し、25-14とする。

クボタのアタックは続き、6分、相手にプレッシャーをかけてパスミスを誘い、CTBバーガー・オーデンダールが拾い上げて、そのまま飛び込んだトライは、TMO(テレビマッチオフィシャル)に。

結果は、その前のプレーでノックオンがあったため、トライとは認められなかった。

クボタの猛攻を凌ぎきったサントリー

後半は、自陣に押し込まれる時間が続いたサントリーは、21分にSOギタウのPGを決めて28-14と再び突き放す。

だが、残り10分あまりとなっても、クボタの攻勢が続く。27分、敵陣左ゴール前でのラインアウトから右に展開し前進する。

いったんは相手にターンオーバーされたかに見えたが、すぐに奪い返して、右へ展開し、SH井上大介から、FBファンデンヒーファーに渡ってトライ。28-19と追い上げる。

さらに試合終了間際の39分、クボタは敵陣ゴール前でのスクラムから右へとボールを回し中央から左に展開。最後はSO川向瑛がステップを切って、インゴール左中間に飛び込みトライ。

FBファンデンヒーファーのゴールも決まり、ついに28-26とPGで逆転できる点差まで追い詰める。

肩を落とすクボタフィフティーン

クボタは残り1プレーで、ボールを継続してアタックを続けたものの、サントリーが最後はラックでボールを奪い返して、FB松島がボールをタッチに出してノーサイド。サントリーが28-26でそのまま逃げ切った。

終わってみればサントリーがディフェンスで粘りを見せたこと、そして得点チャンスを見逃さず、SOギタウが40mのPGを3本しっかり決めたことが大きかった。

「1本目のキックを見て、40mだったら入るなという感覚がありました。ギッツ(ギタウ)ともコミュニケーション取って、風が出てきたので45mはきついという話になりました」。

「ゲームの流れを見て、点を重ねて相手にプレッシャーをかける、という意味では良い判断ができました」(SH流キャプテン)。

クボタ ルディケHCとCTB立川主将

惜しくも敗れたクボタのフラン・ルディケHC(ヘッドコーチ)は「サントリーにおめでとうと言いたい。1つ2つ(トライを)逃したところがあるが、しっかりとスコアして後半はいいパフォーマンスができた」。

「今日の試合は勝てるチャンスがあったと思います。あと1~2つフェイズを重ねれば、ラインブレイクできたかもしれません。ただ、落ち込んでいる時間はありません。来週も試合があります。最終的に5位を目指していきたい」と悔しさを露わにした。

キャプテンとして攻守に体を張ったクボタCTB立川

CTB立川キャプテンも「結果は残念ですが、良かった部分も悪かった部分も反省して、フラン(ルディケHC)が言った通り、来週も試合があり下向いている時間もないので」。

チームがやってきたプロセス間違いないと思います。それを信じてしっかり1週間準備をして、次のゴールに向かって進んで行きたい」と先を見据えた。

サントリー沢木監督とSH流主将

辛勝したサントリーの沢木敬介監督は「こういう試合で勝ちきったことは、チームが成長している証だと思います。相手に付け入る隙を与えなければいい試合ができるので、これからの1週間準備をしていきたい」と振り返った。

SH流キャプテンは「今日の試合は勝つことが一番大切なので。勝ったことはよかったです。前半はよくコントロールできたラグビーができた。後半のはじめにクボタにトライを取られて、何個か自分たちがミスを起こした」。

「一個ミスが起きた時に、それを続けないこと大事で、それを寸断することがチームとしてできなかったことは勉強になりました」と勝ったものの反省を口にした。

また、次週の準決勝に向けて「ペナルティの改善。あとは、後半の入り。今日の試合は前半の入りを意識していましたが、それが後半はできなかったのはなぜか、原因を突き詰めたい」。

「決勝に近づけば近づくほど、後半の締めが大切になってくるので。そこのプレー選択と、ゲームの組み立てを意識していきたい」と意気込んだ。

日本選手権を兼ねる順位決定トーナメント準決勝へと駒を進めたサントリーは、12月8日(土)秩父宮ラグビー場でヤマハ発動機ジュビロと対戦する。

一方の敗れたクボタは5位を目指してNTTコミュニケーションズシャイニングアークスと対戦する。

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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