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11月27日、東京都内のホテルで、2019年にスーパーラグビーに参戦して4シーズン目となるサンウルブズ(オーストラリアカンファレンス所属)が、「2019年シーズンチーム発表記者会見」を行った。
現在決まっている29名のスコッド、新しいスローガン、新しいジャージーなどが発表された。
2019シーズンから、ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)に代わって新しく指揮を執ることになったトニー・ブラウンHC、サンウルブズを統括するジャパンエスアールの渡瀬裕司CEO、日本代表HC兼チームジャパン2019総監督であるジェイミー・ジョセフ氏の3人が登壇した。
まず、渡瀬CEOが「サンウルブズは2019年ワールドカップに向けて日本代表強化の役割を担ってきたが、いよいよ勝負の年(2019年)となりました。日本代表のリンクしながら結果を出していかないといけない。よりいっそう、引き締めていきたい」とコメントした。
今年はスーパーラグビーを戦うサンウルブズのヘッドコーチではなく、外からマネジメントしていく立場となったジョセフ総監督は、「サンウルブズは日本代表強化に必要不可欠な存在です。1年前、私とブラウニー(トニー・ブラウン)がサンウルブズを率いる決断をしました」。
「それなくして日本代表の育成はできないと考えたのです。サンウルブズを指導したことにより、6月に(日本代表)イタリア代表、ジョージア代表を破り、11月の秋のツアーなどでもそれが顕著に現れ、強化を加速させることができました」。
「スーパーラグビーはタフな大会ですが、強度の高いラグビーという非常に貴重な経験ができます。2019年、いよいよ大事な本番を迎え、いいチームを形成できたと思います」とサンウルブズの必要性と、その意義をあらためて説明した。
今年からヘッドコーチに就任したブラウンは「2019年はとてもエキサイティングです。千葉の市原に拠点を持ちます。ハイパフォーマンスに特化した施設だと聞いていますが、このような環境を選手に提供することが必要だと考えています」。
「さらにシンガポールの開幕戦(2月16日、シャークス戦)の前にオーストラリア合宿、別府合宿も行います。2019年シーズンは昨シーズンよりもいいパフォーマンスを出し、オーストラリアカンファレンスでもっといい成績出せるチーム力はあると思うので、プレーオフを目指したい」と意気込みを語った。
その他にも、今年のスローガンが「WE ARE THE PACK」であると発表された。チーム、選手、スタッフ、コーチだけでなく世界中のファンの皆様もいっしょで、一つだという意味が込められているという。
2019年もサンウルブズのオフィシャルサポーターである、MAN WITH A MISSION が歌う「FLY AGAIN 2019」が、2019シーズンのサンウルブズ公式テーマソングに決まった。
2019年の国内開催全6試合の各試合のチケット販売において、需要、市況、天候、個人の嗜好などに関するビッグデータを、クラウド上のプラットフォームでAIを用いて価格の上げ下げを自動的に行うダイナミックプライシング(価格変動制)を導入することも発表された。
さらに新ジャージデザインもお披露目された。この新ジャージーはスポーツをテーマにしたデザインを専門とする、大岩 Larry 正志氏がデザインしたもの。
2019年は日本ラグビー全体が世界に挑戦をする勝負の年であり、「日本のチームが世界を席巻する」という「Wolves Win Worldwide (www.)」の3つの「w」をコンセプトに込めたデザインとなった。
ホームジャージは、サンウルブズレッドを基調とし、コンセプトである「www.」の3つの「w」を赤のグラデーションで表現。3つの「w」は、狼の鋭い牙を表現しており、牙を全面に出して相手を圧倒するという意味も込められているという。
オルタネイトジャージは、黒と灰色で狼をイメージし、群れでしなやかに相手を狩る姿を表現した。
今日、現在契約が発表できる29名のスコッドが発表された。今後、選手は追加されていき、最終的には50~60名になる見込みだ。その60名のうち半数は、国内でジョセフHCが指導していく予定だ。
「2019年は2つのプログラムを同時進行していく。60名のトップ選手を招集し、サンウルブズとセカンドプログラムを作って、W杯に向けて適正な試合を組んでいきます」(ジョセフHC)。
当然、今年のサンウルブズも日本代表を踏襲した戦略、戦術で戦っていくことは明白である。
ブラウンHCも「この2、3シーズンやってきたように広い展開をし、スピード、スキルがあってアンストラクチャーに強いスタイルで戦う。新たなにスコッドに入った選手は目指すスタイルにはまると思うので、いい貢献をしてくれるはず」と期待を込めた。
スーパーラグビー参入4年目、ワールドカップイヤーという勝負の年を迎える2019年のサンウルブズは1月12日に市原で始動し、2月16日の開幕戦である対シャークス戦に備えて準備を進めていく。
◆サンウルブズ 2019年スコッド29名(11月27日現在)
★:新加入選手、☆:今秋の日本代表スコッド
PR稲垣啓太(パナソニック)☆
PR ヴァル・アサエリ愛(パナソニック)☆
PR 具智元(ホンダ)☆
PR ヘンカス・ファンビック(宗像サニックス)
PR クレイグ・ミラー(パナソニック)
HO 坂手淳史(パナソニック)☆
HO ジャバ・ブレグバゼ
HO 堀江翔太(パナソニック)
LO グラント・ハッティング(神戸製鋼)
LO 姫野和樹(トヨタ自動車)☆
LO ジェームス・ムーア(宗像サニックス)
LO トム・ロウ(オタゴ)★
FL エドワード・カーク(キヤノン)
FL ツイ・ヘンドリック(サントリー)☆★
FL ダン・プライアー(宗像サニックス)★
FL リーチ・マイケル(東芝)☆
NO8 ピーター・ラブスカフニ(クボタ)
SH 茂野海人(トヨタ自動車)☆
SH 田中史朗(パナソニック)☆
SH 流大(サントリー)☆
SO ヘイデン・パーカー(神戸製鋼)
SO 松田力也(パナソニック)☆
CTB 中村亮土(サントリー)☆
CTB フィル・バーリー(エジンバラ)★
CTB マイケル・リトル(三菱重工相模原)
WTB レネ・レンジャー(日野)★
WTB レメキ・ロマノ・ラバ(Honda)☆
FB ジェイソン・エメリー(宗像サニックス)
FB グラード・ファンデンヒーファー(クボタ)
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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