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ラグビー コラム 2018年11月16日

イングランドを低く堅実なタックルで食い止め僅差勝負に持ち込みたい ラグビー日本代表 リポビタンDツアー2018の見どころ

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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ヨーロッパ遠征中の日本代表は、11月17日、ラグビー発祥の母国イングランドのメインラグビー場であるトゥイッケナム競技場でイングランド代表と戦う。日本代表がトゥイッケナムで戦うのは1986年以来のこと。この時はイングランド側がキャップ(国代表同士の試合の出場者に与えられる称号)を与えておらず、両国が正式に認めるテストマッチとしてはトゥイッケナムで初対決だ。8万2000人収容の巨大スタジアムながら、どの席からでも見やすいスタジアムはラグビー場作りの手本となるもの。大観衆の前で日本代表の奮闘に期待感が高まる。

ウィリアム・トゥポウ・

ロングキッカーでもあるトゥポウをFBに起用することでどんな効果が生まれるのか注目

15日、両チームのメンバーが発表された。日本代表は11月3日のニュージーランド戦からメンバーを変えてきた。怪我からの復帰は3番の具智元(グ・ジウォン)、スクラムとボールを持っての力強い突進に期待がかかる。FL西川征克はテストマッチで初のスタメン起用だ。低いタックルと倒した相手から素早くボールを奪うプレーで存在感をアピールしたい。LOにはパワフルな突進が魅力のヘル ウヴェが入り、198cmのアニセ サムエラは控え(リザーブ)に回る。ニュージーランド戦で7番だった姫野和樹がNO8へ。SHは流に代わって田中史朗が出場し、大舞台に強いWTB山田章仁もこの秋初登場。中村亮土がCTBに入り、13番に入ることが多いウィリアム・トゥポウが最後尾のFBに下がる。松島幸太朗、野口竜司、レメキ ロマノ ラヴァらWTB、FBに負傷者が続出しての措置だが、ハードタックラーであり、ロングキッカーでもあるトゥポウをFBに起用することでどんな効果が生まれるのか注目だ。

ジョージ・フォード

この試合で50キャップとなるSOジョージ・フォード

日本代表はリーチ マイケル(57キャップ)、田中史朗(68キャップ)、田村優(52キャップ)以外は、30キャップ以下の選手が先発15人に並ぶが、迎え撃つイングランドもテストマッチの経験の浅い選手を並べてきた。先週のニュージーランド代表オールブラックスとの激闘から大きくメンバーを変えてきた。SOジョージ・フォードはこの試合で50キャップとなるが、83キャップのSHダニー・ケアとのコンビでチームを操る。21歳のWTBジョー・ゾカナシンガは初キャップ。フィジー出身、191cm、114kgのサイズでスピーディーに走り回る。FWでは、PRアレク・ケプバーンは4キャップ(25歳)、NO8ザック・マーサーは1キャップの21歳だ。チームの共同キャプテンを務めるHOディラン・ハートリー、SOオーウェン・ファレルはリザーブに回った。

イングランドは、フィジカルの強さに自信を持ち、真っ向勝負で日本代表を圧倒しようとするだろう。立ち上がりから激しく突進してくるイングランドを低く堅実なタックルで食い止め、僅差勝負に持ち込みたい。前半にトライを畳みかけられることだけは避けたい。身長ではイングランドが高く、空中戦では苦しめられそうだが、マイボールのラインアウトだけはキープ。そして、素早いテンポでボールを継続支配して攻めることができれば面白い展開になる。互いに4~5トライを奪い合い、30点前後でどちらが上回れるか。そんな流れになれば、来年のラグビーワールドカップ日本に向けて、大きな手ごたえをつかむことができるだろう。

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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