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関東大学対抗戦、開幕から3連敗で迎えた第4戦。対抗戦では初となる大学のホームグラウンドで、筑波大学は青山学院大学と対戦した。
11トライを奪う猛攻で相手を圧倒するも、これまで対抗戦3試合で1トライしか上げていない青山学院大に5トライも献上。73-31で勝利するも、古川拓生監督(体育系・准教授)が「まだ未熟」と評するように、課題が残る試合となった。
前半はWTB(ウイング)仁熊秀斗(体専2年)の活躍が光った。前半9分、BK(バックス)の素早いパス回しから、仁熊がハンドオフで相手を寄せ付けず、先制トライ。
31分にも仁熊は自陣から相手のギャップを突いた見事な走りでFL(フランカー)中田都来(医学2年)のトライを演出した。仁熊はその後の2トライにも絡み、前半は35-7で折り返した。
後半もセットプレーなどから6トライを重ねた。一方で、相手に流れを渡す時間も作ってしまった。
後半7分、自分たちの攻撃からハンドリングエラーでチャンスを潰すと、2トライ目を奪われた。28分には、自陣での不用意なパスをインターセプトされて痛い失トライ。完全に流れを渡してしまった。
その後もディフェンスで相手を押し返すことができず、連続トライを決められた。試合終了間際にもラインアウトのオーバーボールで相手に渡り、5トライ目を献上してノーサイド。前半は1トライに抑えていたが、後半は4トライ奪われた。スコアは73-31。
これで筑波大は対抗戦初勝利を飾った。主将のHO(フッカー)大西訓平(体専4年)は「とりあえず1つ勝ててホッとした」と安堵の言葉を述べたが、「この先のことを考えるとまだまだ」と表情は険しかった。
ディフェンスの甘さは大きな課題だ。相手の柔軟な攻撃に対して、早い段階で準備できなかったためにギャップを突かれた。特に相手のNO8(ナンバーエイト)下里雄大のピックゴーには、再三ビックゲインを許した。
加えて、1対1でも相手にゲインされるタックルが目立った。個のタックルスキルを磨くのも急務だ。
連携も不十分だった。1人がいいタックルをしても全員で前に出る意思統一ができず、ターンオーバーはわずか1回にとどまった。逆に、1人だけ前に出たことでそこに隙が生まれ、ゲインされることもあった。
だが、ディフェンスでの課題以上に古川監督は「自分たちのアタックから流れを失ってしまったことが問題。それも意図通りに攻められる部分でミスが起こってしまった」と今回の反省点を危惧した。
青山学院大戦ではこれまでSO(スタンドオフ)だった島田悠平(同3年)をFB(フルバック)へ、空いたSOに1年生の松永貫汰(同1年)を初めて起用した。このポジション変更による影響がアタックでのミスに繋がってしまった。
それでも、古川監督は「(そのポジションが)より適正だと思って変えている。ミスこそあったが、修正できればもっといい展開に持っていける」と前向きだ。
松永も「想定よりも相手がプレッシャーをかけてきたため、間合いを詰められうまくいかないことがあった。だが、自分で仕掛けながらもパスを出してボールを動かす自分らしいプレーはできたと思う」と語った。
次戦は成蹊大学戦。課題の大幅な修正とチームとしての成熟が求められる。筑波大の奮起に期待したい。
筑波大学と成蹊大学の対戦は、11月3日(土・祝)午後2:00から、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。
文/写真:明石尚之(筑波大学新聞)・写真:筑波大学ラグビー部提供
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