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トップリーグ2018-2019レギュラーシーズンの最終節が20日、全国各地で行われる。順位決定トーナメントは12月1日から始まるが、最終節の結果によってその組み合わせが確定する。トーナメントは、レッドカンファレンス1位対ホワイトカンファレンス4位、レッド2位対ホワイト3位というたすき掛け。観戦者としては、その組み合わせを予想しながら楽しめる最終節だ。
1位~8位決定トーナメントの最後の1枠を争うNECグリーンロケッツ、NTTコミュニケーションズシャイニングアークス、豊田自動織機シャトルズの結果はもっとも注目されるが、上位陣の順位争いも面白い。
本欄での注目カードは、大阪の万博記念競技場で行われるホワイトカンファレンス1位のヤマハ発動機ジュビロと、3位のリコーブラックラムズの戦いとしたい。前節、パナソニック ワイルドナイツを破って意気上がるリコーが連続で上位陣を倒すのか、それともヤマハ発動機が首位の座を守るのか。
今節は、秋の日本代表メンバーに選出された選手が出場しないため、その人数によって外国籍選手の追加出場が認められる。通常は、海外の代表経験のある選手は2名、代表経験のない選手(特別枠)3名、アジア枠1名だ。たとえば、9人の選手が抜けるパナソニック、7人が抜けるサントリーは、この6名に加えて外国籍選手を3名追加できる。ヤマハ発動機は2名の日本代表が出場できないので、特別枠の選手を1名追加できる。リコーは今回の日本代表には選出されていないので、これまで通りの編成だ。
ただし、ヤマハ発動機の先発メンバーを見ると、この枠をフルには使っていない。外国籍選手は5名先発だ。第2節以来の出場となるリチャード・アーノルドは、208cmの長身LO。空中戦に強いLOデューク・クリシュナンとのコンビはリコーにとっては脅威になる。キャプテン堀江恭佑が欠場のため、バイスキャプテンのCTBヴィリアミ・タヒトゥアがゲームキャプテンを務める。怪我で欠場のFB五郎丸歩に代わって15番を背負うのは、本来はWTBの伊東力。WTBは前節に続いて田中渉太、矢富洋則が務める。前節、トップリーグデビューでトライをあげた矢富洋則は、リザーブに入るSH矢富勇毅の弟で、大きなストライドで走る姿はよく似ている。2試合連続トライ、そして兄弟での揃い踏みなるか。
対するリコーは、パナソニックを破ったのと同じ先発メンバーだ。タックラーを次々に弾き飛ばしてチャンスを作ったNO8松橋周平、ハードタックラーのFL武者大輔、元オールブラックスのFLエリオット・ディクソンのFW第三列は勢いがある。機動力あるFW前5人はディフェンスでもよく機能。BKにはパワフルなWTBロトアヘアアマナキ大洋、俊足WTB渡邊昌紀らがおり、ターンオーバーからのアタックは強力だ。
ここまで6試合の統計数値を見ると、トライ数はヤマハ発動機の「26」に対してリコーが「20」、ディフェンス突破が「180」対「142」、クリーンブレイクが「62」対「52」といずれもヤマハ発動機が上回るが、タックル成功率はややリコーが上。パナソニックを破って覚醒したとすれば、リコーはこれまでの数字以上のプレーができるだろう。好勝負が期待できそうだ。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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