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早稲田大学、慶應義塾大学に敗北し、開幕から連敗スタートとなった筑波大学。10月7日、足利市総合運動公園陸上競技場で強豪・明治大学と対戦した。
前半から相手にリードを許し、後半立ち上がりには5点差まで迫ったものの、21-66で敗北した。
前半5分、相手がミスキックでボールをこぼすと、WTB(ウイング)河野友希(体専4年)が自陣からインゴールまで走り切り、筑波大が先制する。
その後もラインアウトなどで相手のミスが重なり、筑波大の攻撃が続く展開に。だが、要所でターンオーバーされて、追加のトライを奪えない。
前半21分、マイボールスクラムで明治大にターンオーバーされ、トライを奪われると流れが一変。幾度もスクラムで押されて、立て続けにトライを許し、前半を7-26で折り返した。
だが、後半に入って筑波大は息を吹き返し、猛攻を仕掛ける。SH(スクラムハーフ)杉山優平(体専3年)は「前半の点差はまだ追いつける点差だと思った」と振り返った。
後半開始早々、SO(スタンドオフ)島田悠平(体専3年)のハイパントをFB(フルバッック)仁熊秀斗(同2年)がうまくキャッチしてチャンスを作る。最後はラインアウトからモールで押し込み、トライを決めた。
その3分後には、素早いタックルでターンオーバーに成功。相手の守備が整う前にBK(バックス)がボールを回して、仁熊がトライを決めた。これで21-26と明治大を追い詰めたが、反撃もここまで。
後半7分、ノックオンで相手にスクラムを与えたのをきっかけに再び主導権を失った。
その後、明治大の「重戦車」スクラムに圧倒される展開が続いた。相手のFB山沢京平のキックにも苦しめられ、一向に流れを変えられず、21-66で完敗した。
古川拓生監督(体育系・准教授)は「スクラムの後退が敗因の全て」と語るように、失トライの多くがスクラムからの攻撃だった。
HO(フッカー)吉田隼人(同3年)が「相手のPR(プロップ)祝原涼介選手のプレッシャーが強く、スクラムが崩れて反則を取られてしまった」と振り返るように、相手の強固なスクラムに太刀打ちすることができなかった。
だが、慶應義塾大戦で課題として残った、ゲインラインで前に出るディフェンスは成長を見せた。相手のハンドリングエラーを誘い、トライにつながるものもあった。
ただ、ここ3戦を通じて最大の課題は流れをものにする力の不足だ。明治大戦では前半、幾度となくチャンスを作りながら追加トライを奪えなかった。
後半も僅差まで詰め寄ったが、逆転には至らなかった。古川監督も、「攻守が切り替わった一瞬を突くことが必要だった」と振り返るように、少ないチャンスをものにすることが強豪相手には必要だ。
これで筑波大は開幕から勝ち星なしの3連敗。ここまで関東大学対抗戦は、帝京、明治、慶應義塾、早稲田の上位4大学が3勝、筑波、日本体育、青山学院、成蹊の下位4大学が3敗と実力差がはっきりしている。
筑波大が5位までに与えられる全国大学選手権に出場するには、この後の下位3大学との試合に全勝することが必須だ。
そして、最終戦は全国大学選手権9連覇中の帝京大学。厳しい試合を勝ち切るには、スクラムの修正と少ないチャンスをものにすることが求められる。 後半戦に向けた筑波大の成長を見届けたい。
大学選手権出場のため、絶対負けられない青山学院大学との対戦は、10月21日(日)午後5:00から、J SPORTSオンデマンドで配信される。
文/写真:明石尚之(筑波大学新聞)
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