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前節の日本体育大学戦で課題を残しながらも勝利した明治大学。3連勝を目指して対抗戦前半のヤマ場とされる筑波大学戦に臨んだ。
前半は先制点を奪われるなど、立ち上がりこそペースをつかめなかったが、WTB(ウイング)山村知也(営3=報徳学園)のトライを皮切りに明治が4連続トライ。
後半に移っても相手の足が止まったところに付け込み、6トライをあげた。終わってみれば、66-21の快勝で今後の試合に勢いのつく結果となった。
課題の20分を徹底して意識した。今試合のテーマとして挙げられたのは〝twenty-twenty〟。前半入りの20分、後半最後の20分で相手と差を付けるというものだ。
立ち上がりの20分間では、キックミスから先制トライを許したものの、敵陣深くへと攻め込む強さを見せた。
一方の後半最後の20分間でも「明治らしいアタックがしっかりとできていた」とFB(フルバック)山沢京平(政経2=深谷)が語るように4トライを挙げ相手を圧倒。
前節の日本体育大学戦では終盤に追撃を許し、後味の悪い勝利となったが、1週間で見事に修正してみせた。
重戦車の十八番で流れを呼び込んだ。前半5分に筑波大に先制トライを許すなど、自分たちのミスから攻めあぐねていた明治。しかし、1本のスクラムから猛攻が始まった。
前半21分、敵陣相手ボールスクラムを一気に押し込みターンオーバー。攻撃の起点を作ると、フェーズを重ねて徐々に前進。中央にできたラックから右へと展開し、大外へとボールをつなぎ山村が一人引き連れながらグラウディング。
「相手がディフェンスで詰めてきたのに対して、外のスペースを有効的に使っていけた」とSO(スタンドオフ)忽那鐘太(文4=石見智翠館)。スクラムで得たチャンスをBK(バックス)が確実にものにしてみせた。
40分には敵陣22m付近のラインアウトから、FW(フォワード)の近場勝負でゴールライン間際まで攻めると、最後はCTB(センター)射場大輔(政経3=常翔学園)が回転をしながら相手をかわし、ゴール右に追加点。
この前半ラストプレーのトライも、スクラムで獲得したペナルティから作ったチャンスだった。
後半に入ってもその勢いは衰えることはなかった。27分敵陣ゴール前スクラムで猛プッシュ。相手ペナルティをもぎ取り認定トライを得た。「今日はスクラムで流れをつかめた試合だった」とPR(プロップ)安昌豪(営3=大阪朝鮮)。
この日マイボールスクラムの獲得率は100%。相手ボールも3本獲得するなど重戦車の実力を遺憾なく発揮した。田中澄憲監督も「スクラムに関しては言うことなく良かった」と讃えた。
一方、重戦車の課題もはっきりとあらわになった。「相手からプレッシャーを感じた。ムーブスピードやスローイングの精度を見直す必要がある」(安)と語るラインアウトは、終始不安定な状態であった。
マイボールの成功本数は13本中6本。ここまで右肩上がりの調子だっただけに悔しい結果となった。
明治の次戦の相手は成蹊大学。これから迎える強豪同士の対戦を占う大事な一戦となる。筑波大戦では収穫と課題が顕著に表れた。試合までにどう変われるか、勝負の2週間となるだろう。
文:鈴木貴裕/写真:横手ゆめ(明大スポーツ)
明大スポーツ新聞部
1953年(昭和28年)創部。現在明治大学において唯一の学生新聞部。明治大学体育会43部の競技成績や、学内外の話題を幅広く紙面・WEBサイト上にて掲載、発信。 現在の部員数は56名。
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