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ラグビー コラム 2018年10月9日

背水のNECが熱闘制す。トップリーグ第5節「NEC×NTTコム」

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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NEC vs. NTTコミュニケーションズ

2018年度のトップリーグは第5節を迎えた。

一週間の休みを挟んで(第2節代替の神戸製鋼×宗像サニックスは開催)、リーグ戦も残り3試合となり、各カンファレンス上位4チームによる優勝決定トーナメントへ向け、いよいよ緊張の度が増してきた。

10月7日(日)、千葉・柏の葉公園総合競技場では、そんな上位トーナメント進出へ負けられない2チームが激突した。

1勝3敗のNECグリーンロケッツと、2勝2敗のNTTコミュニケーションズ シャイニングアークスだ。

ともにレッドカンファレンスに所属。前節で日野に45-28で勝利していたNTTコムは勝ち点12。3位以下のサントリー、豊田自動織機と勝ち点で並んでいた。

一方のNECは前節、そのサントリーに敗戦(31-47)したものの5トライ31得点。しかし勝ち点5の7位に沈んでいた。

NECはこの日ボーナスポイントなく敗北すれば、他会場の結果次第で上位トーナメント進出がなくなる。絶対に負けることができない背水の状況となった。

この日は東京都心で気温が32℃を超えるなど、10月としては記録的な暑さ。しかし異常気象の予測は難しく、キックオフ時間は午後1時。両軍は酷暑とも戦った。

塩崎公寿レフリーの笛で始まった試合で、序盤に猛攻をしかけたのはNEC。

NECは前節サントリー戦で、前半12分までに4連続トライを奪われていた。その試合後にNECのピーター・ラッセルHC(ヘッドコーチ)は「ハードワークをしたが立ち上がりで簡単に取られたことが敗因」「この2週間で修正したい」と語った。

その言葉通りか、NECは前節の鬱憤を晴らすような猛攻だった。

前半3分にNO8ジョージ・リサレのトライで先制。同14分にNTTコムに1トライを返されたが、その後もブレイクダウンを制圧し、NO8リサレらの強力ランナーをテンポ良く突進させていく。

さらに前半19分にCTB森田洋介キャプテンのPG(ペナルティゴール)成功で3点を加えると、前半25分にWTB後藤輝也がショートキックを捕球して走りきるなどし、3連続トライ。31-7と突き放した。

一方、華麗なパスワークを誇るNTTコムだが、ブレイクダウンでプレッシャーを受けるなどし、得点チャンスをものにできず。

しかし前半終了間際、日本代表に追加招集されたWTB石井魁が相手を振り切ってトライ。新戦力のSOガース・エイプリルのゴール成功で、17点差(14-31)として前半を折り返した。

息を吹き返したNTTコムは後半も先制。

後半13分、敵陣ゴール前でフォワードがハードワークして前進し、最後はブラインドサイドから走り込んだWTB石井がこの日2トライ目。ゴールは失敗で19-31。

NTTコムの猛攻は続き、CTB石橋拓也の突破からチャンスを作った後半19分。

SOエイプリルのキックパスを、大外でNO8ヴィリー・ブリッツがリターンパス。捕球したNO8ラーボニ・ウォーレンボスアヤコが左中間にトライ(ゴール失敗)を決めた。24-31。

真夏日も記録したこの日、後半はともに体力を削られる戦いが続いた。猛暑と闘い、ハンドリングミスが増えるなか、敵陣に攻め入ったNECは後半24分にペナルティを獲得。

ここで今季全試合に先発中の29歳、CTB森田キャプテンが、正確な右足でPG成功。リードを10点(34-24)に広げ、結果的にこれが勝負を分けた。

NTTコムは後半40分、執念でCTBブラッキン・カラウリアヘンリーがスコアしたが届かず。

NECが34-31で逃げ切り、MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)に輝いたPR瀧澤直が、試合後にホームファンへ感謝の言葉を届けた。

一方、敗れたNTTコムだが7点差以内のボーナスポイントは獲得。指揮官のロブ・ペニーHCは「アタックでミスを犯したことが敗因」と渋い表情だったものの、勝ち点「1」は積み上げた。

NTTコムの順位は勝ち点13のレッドカンファレンス4位。次戦は10月13日(土)、東京・秩父宮で昨季敗れたトヨタ自動車と対戦する。

勝利したNECは勝ち点9となり、2勝3敗としてレッドカンファレンス6位に浮上。上位トーナメント進出へ望みをつないだ。

土俵際で快心の攻撃力を見せつけたNEC。こちらも次戦は10月13日(土)、ふたたび千葉・柏の葉で日野と対戦する。カンファレンス上位4位入りへの闘いがさらに激しくなってきた。

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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