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ラグビー コラム 2018年10月5日

ザ・ラグビーチャンピオンシップ 最終節の見どころ

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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2018年のザ・ラグビーチャンピオンシップは、10月6日に最終節を迎える。王者ニュージーランド代表オールブラックスは、前節、アルゼンチン代表プーマスを35-17で破り、3連覇、16度目の優勝を決めた。南アフリカ代表スプリングボクスは、前節、オーストラリア代表ワラビーズを23-12で破って、3勝2敗となり、2位の座を確保。3位は2勝3敗のプーマス、最下位が1勝4敗のワラビーズだ。優勝が決まったとはいえ、各国はライバル同士だ。醒めた試合にはならない。加えて、10月27日には日本でオールブラックス対ワラビーズの定期戦ブレディスローカップがあり、来年のラグビーワールドカップに向かっても、各チームの動向から目が離せない。

最終節は、スプリングボクスが南アフリカ共和国プレトリアでオールブラックスを迎え撃つ。9月15日、アウェイでオールブラックスを36-34で破ったスプリングボクスの連勝はなるのか。メンバーは怪我で戦列を離れていたCTBダミアン・デアリエンディほか、経験豊富なNO8フランソワ・ロー、PRスティーヴン・キッツォフが戻ってきた。ラッシー・エラスムス監督は、前節、NO8で活躍したシクンブーゾ・ノーチェのプレーを高く評価したうえで、ローの経験がチームに良い影響を及ぼすと考えているようだ。

前節のワラビーズ戦では6割方ボールを支配されながら、ワラビーズの約2倍のタックル数を記録。WTBアピウェ・ディアンティのキックオフ直後のインターセプトからの先制トライなど効率の良い得点で勝った。前節大活躍だったのは、17タックルを決めたFLピーター=ステフ・デュトイで今節も注目の存在だ。プレーメイカーのSOハンドレ・ポラードも調子を上げている。フィジカル面を押し出したディフェンスで圧力をかけ、オールブラックスをパニックに陥れたい。FBヴィリー・ルルーはこの試合で節目の50キャップとなる。

キアラン・リード

第4節のキアラン・リード

対するオールブラックスは、プーマス戦から4名のメンバー変更だ。102キャップのPRオーウェン・フランクス、キャプテンのNO8キアラン・リードが戻ってきた。SHはTJ・ペレナラからアーロン・スミス、アウトサイドCTBはライアン・クロッティーから6キャップ目となるジャック・グッドヒューに代わる。グッドヒューはソニー・ビル・ウィリアムズ(SBW)とのCTBコンビだ。負傷者を除けばベストの布陣に近づいたが、オールブラックスは来年のラグビーワールドカップに向かってさまざまなコンビネーションを試しながら着実に歩みを進める。どんなエキサイティングなトライが生まれるのか楽しみだ。

もう一試合は、アルゼンチンのサルタで行われるプーマス対ワラビーズ。9月15日、オーストラリアのゴールドコーストでの対戦ではプーマスが23-19で勝っている。ワラビーズは第3節からSOを務めたカートリー・ビールをインサイドCTBに下げ、SOにはバーナード・フォーリーが復帰。マット・トゥムーアはベンチに下がる。対するプーマスは、不動のSOニコラス・サンチェスがゲームをコントロールする。ホームでめっぽう強いプーマスの連勝か。ワラビーズが意地を見せ、日本でのオールブラックス戦に期待感を増幅させてくれるのか。実力は拮抗。僅差勝負になりそうだ。

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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