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屈辱を味わったニュージーランド(NZ)代表“オールブラックス”は強かった。
南半球4か国対抗戦「ザ・ラグビーチャンピオンシップ(TRC)」は山場の第5節を迎えた。
3勝1敗のオールブラックスは現地時間9月29日、エスタディオ・ホセ・アマルフィターニ(アルゼンチン)に乗り込み、2勝2敗の地元アルゼンチンと激突。
勝てば優勝の決まる一戦で、南米の雄を35-17で下し、最終節(第6節)を待たずして同大会3連覇、16回目の優勝を決めた。
第4節では首都ウェリントン(NZ)で屈辱を味わった。南アフリカ代表“スプリングボクス”に34-36で敗戦――。オールブラックスが自国で南アフリカに負けたのは9年ぶりだった。
「オールブラックスが自国で敗戦」のニュースは世界をめぐり、メディア上には決まれば同点のコンバージョンを外すなどしたNZ不動の司令塔、SOボーデン・バリットの責任論も流れた。
オールブラックスに連敗は許されない――。だからだろう、満員の敵地スタジアムで披露した先住民マオリの儀式「ハカ」は気迫に満ちていた。
2011年、2015年のW杯決勝でも披露されたハカ「カパ・オ・パンゴ」。ハカのリードを務めたのは代表50キャップ目となる先発SHのTJペレナラ。
鬼気迫るハカで会場を沸かせ、そして完全アウェーの敵地戦は始まった。
アルゼンチンのモチベーションは高かったはずだ。対NZの通算成績は27戦1分26敗だが、今大会は第4節で35年ぶりにオーストラリアを敵地で下した(23-19)。
勢いそのままに前半6分、SOニコラス・サンチェスがペナルティーゴール(PG)で先制。
ところがアルゼンチンの前半のスコアはこの3点のみ。ボールを継続したい場面で、黒衣軍の巧みなタックルもあってハンドリングエラーが頻発。
またこの日はアルゼンチンのスクラムが崩壊した。
アルゼンチンは先発3人合計で166キャップになるFW第1列(PRナウエル・テタス・チャパロ(49)、HOアグスティン・クレービー(79)、PRラミロ・エレーラ(38))を誇り、ヘッドコーチは元同国代表HOで、豪州代表のスクラム強化も担当したマリオ・レデスマ。
しかしオールブラックスのFW陣を相手に、再三コラプシングの反則を取られて自陣へ後退。不安定なスクラムによりしばしば劣勢に立たされた。
一方のオールブラックスは3点を追いかけていた前半8分、WTBリーコ・イオアネのトライで逆転すると、同17分にWTBワイサケ・ナホロ、同30分にはWTBイオアネがこぼれ球を捕球し、この日自身2トライ目をスコア。
SOで先発したボーデン・バリットも、この日はプレースキック成功率100%と復調した。
前半37分、反則の繰り返しにより今大会初登場のCTBソニー=ビル・ウィリアムズが10分間の退場(シンビン)となったが、アルゼンチンは14人の黒衣軍相手に前半スコアできず。
前半は21-3でハーフタイムとなり、アルゼンチンは停滞ムードを抱えてロッカーに引き返した。
流れを引き寄せたいアルゼンチンだったが、序盤の相手ゴール前ラインアウトで痛恨のミス。
後半15分には、CTBウィリアムズのオフロードパスを受けたWTBイオアネが突破。新旧スターの豪華連係から、最後は投入されたばかりのパトリック・トゥイプロトゥが相手インゴールへ突進。28-3。
しかし窮地に追い込まれたアルゼンチンも反撃。後半18分にベテランSHトマス・クベッリ、同28分に身長191センチの新星FBエミリアーノ・ボフェリがトライ。
さすがの攻撃力で11点差(17-28)に詰めるが、ギアを入れ直したNZは後半33分。
敵陣ゴール前スクラムを押してアドバンテージをもらうと、途中出場組のSOリッチー・モウンガのショートキックを、CTBアントン=レイナート・ブラウンが押さえ、勝負はあった。
攻撃的なタックル、圧倒的なスクラムで前半をノートライに抑え、後半は途中出場組が活躍する層の厚さも見せ、ギアを入れ直して突き放したオールブラックスが35-17で勝利。
4勝1敗の勝ち点21となり、勝ち点14で2位の南アフリカが逆転不可能に。NZの3年連続の載冠が決定した。NZは自国で南アフリカに敗れる波乱がありつつも、ラグビー最強国の名にふさわしい戦いを披露した。
これで優勝は決定したが、TRCは見逃せない最終節を残している。
2勝3敗となったアルゼンチンは、最終節で35年ぶりに敵地で下したオーストラリア代表“ワラビーズ”を自国に迎える。
そしてNZの相手は、第4節でプライドを傷つけられた南アフリカだ。ロフタス・バースフェルド・スタジアム(南アフリカ)でキックオフを迎える。
前回対戦で敗戦しているワラビーズとオールブラックスにとっては雪辱戦となる。最終節も火花散る熱戦が繰り広げられるはずだ。
多羅 正崇
1980年2月1日生まれ、神奈川県出身。法政大学第二高校、法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻修了。スポーツジャーナリストとして『ラグビーマガジン』『Number』『J SPORTS』などに寄稿する傍ら、ユーモアコラムの執筆も行なっている。スポーツにおけるハラスメント防止を目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」理事。共著に『子どもがラグビーを始めたら読む本』(ベースボール・マガジン社)がある
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