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関東大学対抗戦が9月9日から始まった。古川拓生監督(体育系・准教授)は今大会の筑波大学について、「蓋を開けてみないとわからない」と話す。
3年ぶりの全国大学選手権出場がかかっている筑波大学は、伝統的な強みでありながら、近年疎かになっていたコンタクトの部分を強化してきた。春には成果が表れた。関東大学春季大会では早稲田大学に2年ぶりに勝利を収め、全勝で終えた。
8月に北海道で行われた夏合宿でも徹底的に強化に取り組み、合宿での練習試合では東海大学を破るなど強さをみせた。
しかし、9月9日にセナリオハウスフィールド三郷(埼玉県三郷市)で行われた開幕戦の早稲田大学との試合は10-55と大差での敗北となった。
主将のHO(フッカー)大西訓平(体専4年)は「試合前は接戦になると思っていたが、ここまで差が開いてしまった」と悔しさを隠しきれなかった。
大敗の原因は、プレーの精度と決定力だ。試合は立ち上がりで早くも早稲田大にペースを握られた。前半開始早々、相手のキックしたボールを取り損ねてノックオンを取られると、最後はWTB(ウイング)古賀由教のトライで早稲田大が先制。
12分にもラインアウトから、最後は古賀が2本目のトライを決め、0-14とされた。その後、筑波大も徐々に相手陣地でボールを保持する時間が増えるが、パスミスやノックオン、相手の堅守でトライを取りきれない、もどかしい時間が続いた。
強風も影響し、互いにキックやラインアウトでのミスで攻めきれないまま、前半を3-17で折り返した。
後半も不調が続いた。4分に古賀の華麗なステップで早稲田トライを決められてから、互いにパスミスや反則によってゲインしては相手ボールにされる展開が続いた。
硬直した試合の流れを変えたのは早稲田大だった。SH(スクラムハーフ)齋藤直人のビックゲインからSO(スタンドオフ)岸岡智樹の裏へのキックで最後WTB梅津友喜がトライを奪った。
ここから早稲田大のBK(バックス)陣が機能し、立て続けにトライ。その後も突破力があるCTB(センター)中野将伍が2トライを決めるなど躍動し、筑波大を突き放した。終わってみれば10-55の完敗だった。
筑波大にもチャンスがないわけではなかった。「スクラムの強いチーム」と古川監督も評する早稲田大に対して、FW(フォワード)陣は互角以上の戦いを見せた。一方、BK陣がプレーの精彩を欠き、得点に結びつけることができなかった。
強化してきたコンタクトの部分でも攻撃の際にターンオーバーされるケースが目立った。大西主将は「1対1で戦えなかった。もう一度コンタクトを突き詰める必要がある」。
また、キックのミスや相手のキックしたボールを後ろに逸らすなどエリアマネジメントでも課題が残った。筑波大の強みだったラインアウトでも、マイボールにすることができず苦戦した。次戦までに適切なポジショニングとプレーの精度の向上は必須だ。
次戦の相手はタレント揃いの慶應義塾大学。縦への突破が強く、早稲田大戦以上に1対1でのコンタクトが大事になってくる。
強化してきたコンタクトとスタミナで「走り勝つ」ラグビーができるかが勝利の鍵となる。
なお、筑波大学vs.慶應義塾大学の試合は、9月30日 (日) 午後0:20から、J SPORTS 1で生中継、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。
文:明石尚之(筑波大学新聞)/写真:筑波大学ラグビー部提供
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