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ワールドクラスのプレーにファンが魅了された。2018-19シーズンのトップリーグは早くも第3節を迎えて、9月14日(金)は東京・秩父宮ラグビー場で2連覇の覇者サントリー・サンゴリアスと神戸製鋼コベルコスティーラーズが激突した。
サントリーは開幕戦でトヨタ自動車ヴェルブリッツと接戦の末、27-25で逆転勝ちし、先週の第2節もNTTコミュニケーションズシャイニングアークスを、20-18と僅差で退けて連勝。
一方の神戸製鋼は、開幕はホームでNTTコミュニケーションズシャイニングアークスを34-27で下したが、先週は平成30年北海道胆振東部地震の影響により、札幌の月寒屋外競技場で開催予定だった、宗像サニックスブルース戦が延期となり、この試合が今シーズン2試合目となった。
強豪同士のカード、何と言っても注目は神戸製鋼のSO(スタンドオフ)ダン・カーターのトップリーグデビューだ。金曜日のナイターにもかかわらず、指定席は前売りで完売、ワールドカップで2連覇に大きく貢献した元オールブラックスの司令塔を一目見ようと、秩父宮ラグビー場には1万7576人の観客が駆けつけた。
サントリーは、前節からFW(フォワード)4名、BK(バックス)1名の先発選手を変更。HO(フッカー)北出卓也、そして3番PR(プロップ)には、レベルズから新加入のセミセ・タラカイがスターターに名を連ねた。LO(ロック)はジョー・ウィラーに代わり、前節5番だったジョーダン・スマイラーが4番に、5番には真壁伸弥が入った。
前節で負傷し、途中退場したNO8(ナンバーエイト)ショーン・マクマーンに代わり2年目の飯野晃司が務め、BKはWTB(ウイング)中鶴隆彰が先発復帰。第1節で負傷した元オーストラリア代表SO/CTB(センター)マット・ギタウがリザーブに入った。
対する神戸製鋼は第1節ではNTTコミュニケーションズ戦から6名を入れ替えた。FWはPR平島久照、そして今季から新加入のFL(フランカー)グラント・ハッティングが先発。
海外の代表経験選手は同時に2名までしか出場できないため、SH(スクラムハーフ)はアンドリュー・エリスから日和佐篤に、SOはヘイデン・パーカーからカーターとなった。WTBは山下楽平、インサイドCTBは新加入のリチャード・バックマンが先発となった。
主導権を握ったのは「チャンピオンにチャレンジする覚悟で臨んだ」(FL橋本大輝ゲームキャプテン)という神戸製鋼だった。前半3分、ラックでのターンオーバーし、WTB山下楽平がトライ。注目が集まる中SOカーターのゴールは右に外れたが、5-0と先制した。
そして、8分、カーターは25メートルの距離のPG(ペナルティゴール)を決め、トップリーグ初得点、神戸製鋼は8-0とリードを広げた。
3連覇を狙う王者サントリーも16分、SO田村煕のPGで3点を返し8-3とするが、その直後の17分、神戸製鋼はCTBリチャード・バックマンがトライ。SOカーターのゴールも成功して、再び15-3とサントリーを引き離す。
勢いに乗った神戸製鋼は、22分、ターンオーバーから右に展開、WTB山下が右サイドを走り、フォローしたSOカーターにパス、そのままカーターが右中間にトップリーグ初トライを挙げて20-3。27分にはSOカーターが再びPGを決め、23-3と20点差とする。
「何かを変えなければいけなかった」(沢木敬介監督)と、これ以上離されるわけにいかないサントリーは、SOを田村からギラウニ交替。36分、相手ゴール前、連続攻撃でボールをつないで、最後はCTB梶村祐介から、WTB尾崎晟也のルーキー2人が見事につないでトライ。試合はそのまま神戸製鋼が23-8とリードして前半を終えた。
後半も先に点を取って追い上げたかったサントリーだが、後半も先に得点を挙げたのは神戸製鋼だった。2分、神戸製鋼はターンオーバーからフェイズを重ね、ラックからSH日和佐篤が出したボールを、途中出場のWTB児玉健太郎に渡し、そのままトライ。SOカーターがゴールを決めて30-8とリードを広げた。
サントリーは14分、相手ゴール前でFB(フルバック)松島幸太朗がミスマッチを突いて突破しトライ。SOギタウのゴールも決まり7点を返して30-15までスコアを戻す。
だが、神戸製鋼は攻撃の手を緩めることなく20分、再びSOカーターのPGで3点を追加し33-15と突き放す。
最後まであきらめない姿勢を見せるサントリーは、33分、ラインアウトからSOギタウがゲインし、CTB梶村からWTB塚本健太とつなぎ右サイドにトライ。ゴールは外れたが5点を返して33-20とする。
しかし、神戸製鋼は取られたらすぐに取り返す。37分、SOカーターがこの日4本目のPGを決めて、3点を加えて試合を決定づけた。結局、SOカーターが21得点をあげる活躍を見せてMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)に輝き、神戸製鋼が36-20で4シーズンぶりにサントリーから白星を挙げて、開幕2連勝を達成した。
敗れたサントリーの沢木監督は「入りで自分たちのラグビーができなくて、神戸製鋼さんのいいパッションとサントリーに勝ってやるという気持ちが、最初の20分で伝わってきました」。
「この敗戦で自分たちが強くなる。(負けた)悔しさを思い出すことができたので、本気で次は必ず勝つ、絶対チャンピオンになる、そういう強い意志を持って(今後やっていきたい)。僕だけでなく選手たちも悔しいと思います。練習します」と前を向いた。
SH流大キャプテンは「僕らよりも神戸製鋼さんの方が強くて、神戸製鋼さんの方が上だった。準備できたプレーがなかなかできなかった。前半、崩されてのトライはほとんど取られていないが、リアクションのところで負けた」。
「次があるので、この負けをどうするのか。選手の意識と行動で変えられると思う。もし(今回の試合が)プレーオフだったら一発、負けてしまうとチャンピオンになれない。一つの負けでどう思うか、まず選手で突き詰めて次のNEC戦に向かいたい」と悔しさを露わにした。
勝利した神戸製鋼のデーブ・ディロンHC(ヘッドコーチ)は「勝つことができて嬉しい。サントリーはクオリティー高いチームなので、次戦うときはレベルアップして臨まないといけないが、まず今日の試合勝てて喜んでいます」とコメント。
今後の課題に関して「ディシプリンは良くない部分があった。特に 前半最後の20分、後半の入りは規律が悪かった。ブレイクダウンエリアの規律が良くなかったので、自分たちがフォーカスしていきたい」と試合を振り返った。
橋本ゲームキャプテンは「すごくいい入りができて、MOMの通り、ダン・カーターがいいゲーム運びしてくれて、いい流れを作ってくれた。(カーターの)初めての試合で不安だったのですが、オールブラックスは伊達じゃないなと思いました。 観客の方も楽しんでいただけたと思います」と声を弾ませた。
また、トップリーグ最初の試合でMOMに輝いたSOカーターは「この名高い神戸製鋼の赤いジャージを着てプレーすることができて本当に嬉しい。勝てて誇りに思います。序盤幾つかキックをミスしてしまって、焦った場面もあったがそのあと修正できたし、去年のチャンピオンだったサントリーという強いチームに勝つことができて本当に嬉しい」。
「個人としてもチームとしても毎週レベルアップし、さらなる勝利を積み重ねていきたい。こんなにも多くのファンの前で試合ができるなんて本当に素晴らしく幸せです」と笑顔を見せた。
カーターデビューの勢いもあり、開幕2連勝となった神戸製鋼は9月22日(土)に行われる第3節、大阪・万博記念競技場で、強豪のトヨタ自動車ヴェルブリッツと対戦する。連敗は避けたいサントリーは9月22日(土)に神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場でNECグリーンロケッツと対戦する。
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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